うちの執事が言うことには (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012642

作品紹介・あらすじ

烏丸家の新しい当主・花頴はまだ18歳。誰よりも信頼する老執事・鳳と過ごす日々に胸躍らせ、留学先から帰国したが、そこにいたのは更衣月という見知らぬ青年で……。痛快で破天荒な上流階級ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 中学生の頃から大好きなシリーズ。

  • 名家である烏丸家の27代目当主になった花穎(かえい)。父の急な引退宣言で18歳にして家督を継ぐことになり、イギリスから帰国。彼を出迎えたのは、絶大な信頼を寄せる執事・鳳ではなく、衣更月という知らない青年だった!巻き込まれていく事件を息が合わないコンビが解き明かす上流階級ミステリ。連作短編集になっており、事件3話に加えて、衣更月と鳳のエピソードを描いた『仔犬のワルツ』も収録。

    『はだかの王様と嘘吐き執事』
    イギリスから帰国したばかりの新当主・花穎を出迎えたのは、見知らぬ執事・衣更月と食器盗難事件。銀食器とティーカップの一部が一晩で消失してしまった!泥棒の仕業だとしても、通報すれば烏丸家の名に関わる。花穎は独自に調査を開始するが──。

    デコボココンビの初陣。ティーカップの謎はすぐわかったけど、銀食器はわからなかった。ライトな謎を提示しつつ、花穎と衣更月の間にある溝も明らかにしていくリズミカルな展開。名家の主人ということで、真実をつまびらかにすることに加えて、いかに粋に対応するかという部分も問われるのが面白い。

    『白黒羊と七色の鬼』
    社交界デビューにと、芽雛川家の次男・肇大が主催するパーティに出席した花穎。そこで巻き起こった傷害事件。悲鳴を聞きつけてトイレへと助けに入った花穎は、犯人の濡れ衣を着せられてしまう──。

    資産家の子たちが集うパーティ。しかし、そこは一瞬も気が抜けない鬼ばかりの空間だった。事件自体はシンプルながら、上流階級の歪んだ絆が顔を見せる恐ろしさ。事件を解くだけでは不十分なのだ。不条理なしがらみの中でどう落としどころを作るのか。花穎は家を継いだ。何も知らない子羊ではもう居られない。

    『ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家』
    いきなり訪問してきた赤目。彼が付き添ってきた相手は車いすの少女・久丞壱葉だった。花穎は父・真一郎と壱葉の約束を守るため、二人で遊園地へ行くことになった。しかし、楽しむはずの遊園地で二人は誘拐されてしまい──。

    「卵が先か、鶏が先か、だ。皆が自分を信じてくれる人だけ信じていたら、一生、誰も信じられない」
    誘拐だからこそ、花穎と衣更月の主従関係が試される。相手が自分を信じてくれなくても、自分が相手を信じない理由にはならない。なんだかんだで花穎は真っ直ぐで頭も回るし、いい当主になりそうだなと感じられるエピソードに。それにしても、アフターケアが完璧すぎてそっちの方が怖い(笑)

  • 高里さんの小説は、やっぱりキャラと言葉遣いが魅力的だった。久しぶりに本を読んだけど、暑さもそんなになくて、短編集のように進んでいくので、とても読みやすい。

  • 期待通りの面白さ!
    最初はそんなでもない?って思ってしまったけど、後半になるにつれて盛り上がって面白かった!
    2人のコンビネーションも最高に面白い!

  • ミニコメント
    突然名門の若き当主となった主人公。イギリスから帰国し、昔からの執事である鳳がいると思っていたらそこには衣更月という若い執事がいて…。
    次々に起こる不可解な出来事を息の合わない2人が解決していきます。
    テンポがよく、読みやすいのでミステリー小説を読み慣れない人でもとっつきやすくおすすめの作品です。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1258730

  • 花穎と衣更月の関係がとても良かった。
    2人が鳳さんへの信頼や尊敬を抱きながら成長していく姿にとても興味を惹かれた。1つの事件が短編になっているのでとても読みやすくて良い!個人的には赤目さん好きです!
    鳳ヘップバーンはセンスあると思います

  • お互い未熟な不本意コンビ、当主として/執事としてこれから一緒に成長していくのだと思う。主従ものというより、バディものと思うべきかも。
    ミステリとしては物足りないかもしれないけど、小難しいミステリが苦手な私にはかえって読みやすかった。
    主人公の花穎が、一見はねっ返りのボンボンのようで根本的には素直なところがよかった。
    「蝙蝠みたいなやつだな」「執事は決して主人を裏切りません」のやりとりで、衣更月の返しの違和感に気付き、「蝙蝠」の意味を調べ、誤解に気付いて改めて「耳のいい動物」を調べる下りが好きだ。態度はまだスマートさに欠けるものの、質のいい教育を受けて育ったんだろうことが垣間見える。

  • 発売してすぐ買ったけどなかなか読み進められなくて積読になってたんだけど...急に読みたくなって読み始めたら...
    ああ、好き!さくっと楽しく読める!好き!
    元々読んでみたいなって気になってた作家さん。
    シリーズ追いかけ中。


    2018/11 読了

  • すごく読みやすくてサラッと読めてしまった。ご主人様と執事なシチュエーション好きとしてはハマるかも。シリーズ結構出てるから、徐々に集めていこうかな。

  • 可もなく不可もなくってかんじ

    高里椎奈っぽい中途半端な読後
    この人はあまり感情移入させないところがあるよね
    わかりやすさなんていらないみたいな
    読者を選んでるような気がする

    カエイが可愛いけどカエイに感情移入できないのはカエイが18歳にしては子どもだからかな?
    鳳が執事役だったらぴったりなのになんでキサラギなんだろう?

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著者プロフィール

茨城県出身。芝浦工業大学工学部機械工学科卒業。1999年『銀の檻を溶かして』で第11回メフィスト賞を受賞しデビュー。著作に、デビュー作を始めとする「薬屋探偵」シリーズ、「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ、「フェンネル大陸」シリーズ(以上、講談社)などがある。2019年5月に「うちの執事が言うことには」が映画化された。

「2023年 『雨宮兄弟の骨董事件簿 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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