- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041012727
作品紹介・あらすじ
恋する女に唆されて親分を手にかけ遠島送りになった黒岩のサブが、江戸に舞い戻ってきた――!? 喜びも哀しみもその身に引き受けて暮らす市井の人々のありようを描く大好評人情時代小説シリーズ、第二弾!
感想・レビュー・書評
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髪結猫字屋繁盛記 シリーズ2
髪結「猫字屋」の主人・おたみは、岡っ引をしていた嘉平に先立たれ、血縁関係のない、およし・佐吉・おけいの三人の子供を、実の親以上に厳しく、優しく育てた。
およしは、嫁に行き、佐吉は、南町奉行所・定町廻り同心・佐伯隼太の小者として働き、おけいが見世を手伝っている。
およしが見世に出られなくなったので、
腕も確かで、男振りも良い、鹿一を雇うことにした。
どうやら、彼は他人には言えない何かを抱えているらしい。
おたみの姉妹弟子のおしんが、吉原にいる姪に一目逢いたいと言う。余命わずかなおしんの願いを叶えようと思案する。
美人画を得意とする下絵師の菱川瑞泉は、居酒屋「お多福」の女将・おてるに、恋心を抱くが、おてるは、醜女であった。
親分の情婦・お多津に唆されて、親分を殺し、お多津に裏切られて、島流しになったサブが、島抜けをして、密かに江戸に戻って来た。
「照降町自身番書役日誌」の姉妹編なので、先に、そちらを、読んだ方が良かったか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猫字屋の周りの人々の思いが交錯する。決して一人ではないんだよと。
孤児になってしまった3人の兄弟、長男の本当の父親は犯罪者。それも、そこまで死が近づいている。
そんな男に一眼長男の姿をと佐吉は思う。
長女が嫁いで出産、通いで髪ゆいの仕事ができなくなった。
組合から紹介された髪ゆいは腕利きだが40過ぎ。訳ありの人らしい。それでもいつものように、暖かくうけいれるおたみの愛情に包まれ心癒される職人。
おたみの師匠が死に、残されたおたみと同い年の娘は、肝臓を煩い余命いくばくもない。
妹の忘れ形見に一目会いたいと願う。
照降町〜シリーズと話が繋がり、登場人物も同じこのシリーズのうれしいところ。 -
内容(「BOOK」データベースより)
ある日猫字屋のおたみの許を訪ねて来た鹿一。髪結の腕も確かで雛男の彼が雇人を続けていたのには他人に言えない訳があって…。別の日、思案橋の欄干に窶れ果てた姿をさらしていた姉妹弟子のおしん。吉原で花魁を務める姪に一目逢いたい―余命幾ばくもない彼女の願いを叶えようとおたみ達は画策する。共に笑い、共に泣き、言葉にならない哀しみ苦しみに心を寄り添わせようとする人々を温かく描きだす人情時代小説第2弾!
平成28年3月4日~8日 -
以前のシリーズから時間もたち
書き役さんも魚屋に婿入りしてます
舞台は髪結い処で、江戸中の噂話を
登場人物が落語の世界のように話し
ていて、事件もそこで語られる! -
髪ゆい猫字屋繁盛記第二弾。
猫字屋の新しい雇い人、鹿一がこれまた訳ありのようで、
今後の展開に期待したいところ。
それにしても、猫字屋シリーズとその前作、自身番書役シリーズをすでに読んでいる人には、
過去の経緯の振返り部分がちょっと長すぎる。
もうちょっとさっくり、
でもこの本から読んだ人にもわかるようにポイントをおさえて、書いてもらえないだろうか。 -
人を雇い、増えたような減ったような髪ゆい屋。
その増えた人は、なんだかわけありのようで。
困っている時には手をさしのべ、こちらが困っていれば
手をさしだしてくれる。
小さくても幸せがある、というのは
見ているだけでもほんわりします。
と思いきや、自分の人生をきれいに
突っ走っている人もいるわけで。
これはこれで、ものすごく未練がなさそうです。
血がつながらなくとも、大事にしてくれる。
無条件に信じられる、帰れる場所があるのは
すごく幸せな事です。
それを知っているか知らないか、でも。
最終的に、新入りさんが最初に濁していた
言葉の意味が分かるようにはなっています。
そうだろうか、とはうすうす察していましたが。
前回の話も引っ張ってきているので
そちらを読んでいた方が分かりやすい内容に。 -
巻末の解説を読んで、「照降町 自身番書役日誌」は完結していたのか!と、知りました。何気にまだ続きそうな印象だったので、「“照降町~”の続きがまだなのに、姉妹編が出ているのか・・」と勝手に思っていたので(恥)。
今後はこちら(髪ゆい猫字屋繁盛記 )の続きを楽しみにする所存です~。 -
第二弾
照降町自身番書役日誌の姉妹篇としての感じが強すぎる
新メンバーとして鹿一が登場、しかし正体は不明?