妖奇庵夜話 人魚を喰らう者 (角川ホラー文庫)

著者 :
制作 : 中村 明日美子 
  • KADOKAWA/角川書店
4.01
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本棚登録 : 568
レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013298

作品紹介・あらすじ

妖怪のDNAを持つ人、妖人。妖人茶道家の洗足伊織は、明晰な頭脳で妖人にまつわる事件解決に一役買っている。そして妖人「人魚」の登録のある女性が誘拐されたことから、今回も警視庁に協力を要請され……。

感想・レビュー・書評

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  • 読み応えたっぷりの探偵小説でした。
    今回はそれぞれのペアがいい味出してました。
    伊織とウロさんペア。夷と脇坂、時に夷と甲藤(初登場)ペア。それぞれが妖琦庵から飛び出して事件の解決に向かいます。
    青目が伊織にだいぶん近づいてきました。伊織には、自分の大切なものを守るため、若しくは青目にこれ以上罪を重ねさせないために、自らの身を青目へと投げ出してしまいそうな危うさを感じてきました。この2人の関係がうっすらと見えてきて、これからどうなっていくのか楽しみよりも不安が大きくなってしまいます。
    そこを脇坂の天然な明るさやマメの可愛らしさ、夷のまじめさやウロさんのどっしりとしたところ。そして何やらいろいろと引っ掻き回しそうは甲藤と……彼らが支えてくれたらいいな、というか必ず支えて下さいっ。
    人間のエゴや欲、憎しみ。それらが暴走するきっかけは青目なのだろうけど、でも結局は人が過ちを犯してしまいます。人は恐ろしくてそして弱い者。毎回そう感じてしまいます。

  • 『人魚』として登録されていた女性の誘拐事件。妖人『人魚』と、とある島に伝わる人魚伝説を巡る、過去と現在の事件。それらが交錯したとき…

    今回は脇坂が少し活躍していて嬉しかったです。なんだかんだ伊織にも認められているようでよかった(笑)
    脇坂君、甲藤に負けるなー!

    青目の伊織への執着が恐ろしいです…。
    青目の手引きがなければこんなに悲しい、やるせない事件は起こらなかったのに…と怒りがふつふつと沸いてきます。
    青目と伊織との関係が明かされ、これからどう展開していくのでしょうか。
    強く見えて、もろく危うい伊織…不安です。

  • どんどん惹き込まれていく。

    シリーズを通しての『女の醜さ』がいい感じ。

    脇坂くんのキャラクターが濃くなってきた。ウロさんとのコンビの安定感、そして妖琦庵に新しい仲間(自称)がきて賑やかに。

    シリーズ全体の展開が読めないのが面白い。あと伊織と青目の関係が耽美を掠っていてたまらない。最後の発言で、目からウロコ(人魚だけに)。
    今後どうなっていくのか、気になります。

  • 因果応報・勧善懲悪は嫌いではありませんので、「青目よ、よくやった」とは言えないものの、この結果にある程度納得です。猟奇的シリアス感と、妖琦庵ファミリーの和やかな食事風景、伊織センセと家令さんの妙に可笑しな舌戦のバランス取れた配置が絶妙で癖になります。次巻から“犬”は常駐でしょうか(笑)?そして最後に伊織センセの重大告白!本文とデジャヴった描き下ろしペーパーがまた最高でした。

  • ネタバレというわけではないと思うけど一応。

    単行本派だったので、文庫版が明日美子イラストであろうとも(むしろこのシリーズはやまねさん推奨派だけれども)ぐぐっと堪えていたのに、新刊が遂に文庫からの発売に…。
    費用とかいろいろあるとは思うのだけれどどうしてもシリーズ物の判型装幀変更を受け入れ難いので新装版とか許せない派なのですけど…けど…初版明日美子コミックペーパー封入とか言われたら発売日の昼休みに一駅先の本屋まで行ってしまうじゃありませんか…っ(完敗)。

    シリーズ一冊目が「その探偵、人にあらず」というサブタイトルであったように、このシリーズは角川ホラーで妖モノだけれど、そこはかとなく今は減りつつある王道本格ミステリの「雰囲気」を濃く宿している。
    妖の伝説と事件が交錯し、誰が何故殺したのかを紐解き、探偵自身とその宿敵の隠された過去をシリーズを通して徐々に明らかにしていく。
    ロジック的な本格ミステリというようなものはまだ出てきているけれど、叙情的且つ非日常的なあの感覚を味わえるものは最近ではなかなか遭遇しないので、こんなところでそれが味わえてしまうのは嬉しいような物悲しいような。

    あえて贅沢を言うならば、榎田さんの文章力であれば叙情的な部分をもっと描き込んでくれるとぐぐぐっと惹かれると思う。軽妙な掛け合い等はとっても榎田節だし、物語の流れもとてもスムーズで読みやすいのだけれど、人魚にまつわる事柄や伊織と青目の対峙あたりは、もっと美しさや悲哀を見せてくれても良かった。薬指なんかむしろBL作家としての力量も活かすぐらいの勢いでも本筋に影響は全く無いと思うのは、その辺りに耐性がある人間だからなんでしょうか。でも大体ユウリ名義読んでる人も耐性あると思もご。

    犬神も新キャラに加わったということで宜しいか。既に照ちゃんとか何だっけくらいの記憶だけど(すみません)。
    最後にしっかり爆弾も落とされて、さて次の新刊はいつだろう。

  • 好きなシリーズ小説。3作目の人魚を喰らう者読了。
    ライトな小説を読みたいと思って積み本の中から選択。読みやすくて面白かった。
    榎田さんの描く人間の闇があまりに自然で、ジワジワ恐怖に変わるのが好き。特に女の子たちの言葉のやりとりや響きがとても身近にあるものに感じて時にゾッとする。
    まだまだシリーズは続いているのでゆっくり読み進めたい。

  • 脇坂刑事がメインの話。

    今回は人魚を中心に2つの事件が絡まり合い1つの事件となっている。
    結局のところ誰が悪いのか、と考えたら祖父が悪い。だからといって、復讐を認めるとこは出来ないのだから難しいところ。

  • 3冊目。今回は人魚に関係するお話。脇坂くんがするめみたいでいい。
    2017/9/15

  •  人魚をめぐる物語。
     人魚というか、<血>か。

     どうして、日本の人魚はえぐいというか、…えぐいよな。
     って、本質が妖怪だからか。西洋のものは、妖精かなんかで、その辺の差なのかもしれない。

     依頼されたからというだけでなく、どんどん巻き込まれていく伊織は危険な目にあうのだが、それをどこか容認している雰囲気がある。
     で、最後にその理由が明らかになるのだが、その出し方が上手い。
     
     うむ。
     ちょいちょいポエミーな表現が気になるときもあるのだが、ここでシメ、というか、暗転するというか、そういう一言を投げ込むのが上手い。
     で、気が付くと、奈落にいるような感覚になる。

     で、宿敵ともいえる青目のことが多少つまびらやかになってくるわけだが…。
     いやなヤツなんだけど、恰好いいのよね。
     困ったことに。
     にしてもやっぱり愛は歪むと怖い。

  • 脇坂さんが刑事として大きく変化した感じがする
    人魚だけど人魚じゃない
    じゃあ水希さんはいったいなんの妖人だったのだろうか。
    結局最後まで明かされないまま。

    伊織さんは青目に指を持って行かれたのか爪先を囓られただけなのか・・
    どちらにせよ夷さんが黙っていない気がするんだけど。

    最後に伊織さんと青目さんの事実に衝撃と激しい萌えを感じました。

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著者プロフィール

榎田ユウリ(えだ ゆうり)
東京都出身の小説家。 一般小説を書く時は「榎田ユウリ」名義、BL小説を書く時は「榎田尤利」名義と使い分けている。
2000年『夏の塩』でデビュー。榎田尤利名義では「魚住くん」シリーズ、「交渉人」シリーズが代表作。
榎田ユウリ名義では、2007年から始まる「宮廷神官物語」シリーズ、「カブキブ!」シリーズ、「妖琦庵夜話 」シリーズ、「死神」シリーズなどが代表作となる。

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