お文の影 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.79
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本棚登録 : 892
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013335

作品紹介・あらすじ

月光の下、影踏みをして遊ぶ子どもたちのなかにぽつんと女の子の影が。影の正体とその因縁とは。「ぼんくら」シリーズの政五郎親分とおでこの活躍する表題作をはじめ、全6編のあやしの世界。『ばんば憑き』改題。

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきの作品には、思わぬところに他の作品の登場人物が出てくるから、楽しい。
    「おでこ」、政五郎親分だったり、あるいは茂七親分。やあ、また会いましたね、となつかしくなる。
    それにしても、宮部みゆきの語りには、脱帽!

  • 宮部みゆきのあやかしもの。短編集。
    私は泣いてしまう話が多くて、外にいるときは
    困ったので、涙腺がゆるいタイプの方は気をつけた
    方がいいです!
    表題の話はかなりせつない話だった。

  • 宮部みゆきさんや東野圭吾さん、重松清さんなど大好きな作家さんの本を手に入れる時には、既読でないかブクログをチェックする。
    【お文の影】は未読だったので手にしたのですが…
    実はこの本、【ばんば憑き】という表題で発売されていたものを改題したものでした。
    その事実がわかったときには少なからずショックを受けましたが、せっかく手に入れたので再読(?)。
    短編集なのですが、すっかり内容を忘れているものもあり、楽しめました。
    ブクログを見てみると【ばんば憑き】は2012年5月23日に読了。
    その時の評価は☆3つでしたが、3年経って☆4つに。
    再読も良いものです。

  • 怪奇時代小説短編集。人に仇なすもののけが出てくる話ですが、何故かほんわかとする心持ちもあるのです。それは出てくる人物の気性や子どもたちの明るさ健気さに負う処が大きいのでしょう。
    けれども、もののけが現れた理由となると薄ら寒い厭な気持ちが沸き立ちます。人の持つ悲しくも弱い心、それがもののけを生み出す。昔から何度となく繰り返し語られていることではありますが、それが宮部みゆきの筆に依ると実に悲しい。その悲しさを断ち切るのもまた人の心ではありますが。
    6編収録された話がそれぞれ趣向が違うため、より一層楽しめます。しかもシリーズ物に登場している人物が出て来たりと何とも嬉しい趣向も。お気に入りは「博打眼」。もののけ退治にみんなが力合わせてあたふたと駆け回る様や、人々に知恵を授けてくれる狛犬の愛嬌がいいです。

  • 全1巻。
    怪奇もの短編集。

    さすがの安定感。
    このゾッとする感じはなんだろう。
    しかも、怖いだけでなく、
    可愛らしさや可笑しさが同居してるのがすごい。

    どの話も好き。

  •  六編の江戸時代を舞台とした怪異譚を収録した短編集。

     職人芸というか、円熟の域に達しているというか、宮部さんの江戸物の短編の安定感はやはりすごいです。この本に収録されている短編もどれも抜群の安定感があり、怖い話のはずなのになぜか読んでいて不思議な安心感も覚えました。

     印象的だったのは『ばんば憑き』わがままな女房に振り回される夫が、同じ宿の相部屋になった老女性の過去を聞く話です。
     怪異ものとしての怖さを描きながらも、最後に残る冷やかさは人間心理を余すことなく書ける宮部さんだからこそ表現できたものだと思います。怪異ものとしても、心理小説としても傑作! この短編集の中では少しだけ読みごこちが異なっていて、それも印象が強く残った理由かな、と思います。

     『野槌の墓』は化け猫をはじめ様々な妖怪が出てきて読んでいて楽しくもあるのですが、主人公の決意に至る過程や、ラストの邂逅など読ませどころもしっかりと押さえられていて、こちらも良かったです。

     各短編怪異を取り扱ってはいるものの、やはりその根底にあるものは人間の罪だとか業だとかがあるように思います。そういうものを感じてしまうと暗い気分にもなってしまいますが、そうした怪異に対し、優しさや人との絆で立ち向かう登場人物たちを見ていると、やっぱり人っていいものだよな、とも思います。そうした思いが短編の作品の根底にあるからこそ、怪異ものでも読んでいて不思議な安心感が得られるのかな、と思います。

     そして子供たちの描写が生き生きしているのもさすがです。『お文の影』のしっかりものの男の子、『博打眼』で話の中心となる女の子とその男友達、『討債鬼』の悪童三人組、それぞれタイプの違う子供たちの表情がしっかりと見えてくるのも、宮部さんの腕を感じさせられました。

  • 2018/9/11
    おでこちゃんもっと出てくるのかと思ったら1編だけだった。
    おでこちゃん小さいのにやりきれない話をいっぱい聞かされてるんだろうな。
    そう思うとちょっと悲しい。

  •  読み出してすぐ「あれ?」と思い、巻末を確かめたら「ばんば憑きを改題したものです」……(゚д゚)!
     ミヤベさんらしからぬ、ひどいトラップ……(´ェ`)ン-…
     ブクログレビュー見ると、こういう方は他にもおられるようで……(´ェ`)ン-…

     まあ、再読ながら、ほとんど忘れてたんでけっこう楽しめた( ´ ▽ ` )ノ


     直前読んだ「いんじゅう」のレビュー、ボロクソ書いたけど、本書を読んでいて気づいたことがあった(゚д゚)!
     要するに、自分はミヤベさんの作品中「新聞連載小説」が苦手なのではないか、と……(゚д゚)!
     件の「いんじゅう」しかり、「理由」しかり、「荒神」しかり……(゚д゚)!
     ぜんぶつまんなかった(゚д゚)!
     これらの作品は、どれもこれも全体に締まりにかけるというか、テンポ(特に序盤)が悪いとか、誰を読者層に想定しているのか分かりづらいとか、共通点が多々ある……ような気がしてきた(゚д゚)!

     まあ、新聞連載じゃなくても苦手な作品は他にもあるけどね( ´ ▽ ` )ノ

    2018/08/19
     

  • 20180624~0628,時代物短編集。標題の『お文の影』は電車内で読みながら不覚にも涙が‥宮部シリーズのお馴染みの登場人物が絡みながら、江戸の町のちょっと怖くてしんみりする怪異がしっとりと描かれている。『ばんば憑き』は佐一郎の心の機微が印影を帯びてくる。

  • 全部で6編収録の短編集。
    どれも妖にまつわるお話です。
    私はけっこう怖がりなので 笑笑
    怖そうだから読まないと言っていたのですが、祖母が熱心に勧めてくるので読みました。
    結果的には思ったよりも怖くなくてよかった ^_^;
    妖が怖いとか不気味とかよりも、人間の情念や怨念は恐ろしいと感じる話が多かったです。
    個人的には『ばんば憑き』と『野槌の墓』の切なさが何とも言えず、印象に残りました。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。
1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。
大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。
『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。

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