星やどりの声 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013359

作品紹介・あらすじ

東京ではない海の見える町で、亡くなった父の遺した喫茶店を営むある一家に降りそそぐ奇蹟。若き直木賞受賞作家が、学生時代最後の夏に書き綴った、ある家族が「家族」を卒業する物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めは登場人物が多すぎてちょっとついていけるか不安になりましたが、何とか追いつけて。
    そうなると一気に読み終えました。
    1つの家族のお話です。
    それぞれの家族への思いがたまにすれ違ってしまったりもしながら、それぞれが自分達の進む方向を見つけていきます。
    温かなお話しでした。

  • 素敵なお話だったー!今まで2冊、朝井さん読んでるが、作風が少し異なる。
    6人兄弟が、それぞれの章の主人公であり、お父さんへの想いが語られたりしている。

    最後の章の、お父さんが琴美に話しかける!?過去のシーンが泣けるー涙
    素敵な家族だー!
    りょうまくんのお弁当のシーン優しすぎる!
    光彦くん、めっちゃウケる!(←この子、朝井さん本人の面白いセンスに似てる!)

    ビーフシチュー、星やどりで、食べたい!
    みんな幸せになれますように。という読後感✨✨

  • 情景描写がとても素敵で、少し既視感があって、
    失礼ながら「これ森沢明夫さん?」と思ってしまうほど表現の彩が似ていて、
    朝井リョウさん、こんな書き口も出来る方なんだなと、素人ながらに思う。

    「星やどり」と言う名前の由来、お父さんが子どもたちに伝えたかった想い、芯の強さ、豊かさが、文章のあちらこちらから読み取れ、ほっこり。



    「夏の夕空は今日も、混ぜる前の甘いカクテルのような色をしている」

    「七月の午後六時は、いろんな種類の熟れた果実を混ぜたみたいな色をしている。風にめくられないように押さえているつめは、うすいピンク。何の変哲もない、人のつめの色だ。それが正しい。あんなにきれいなオレンジ色であることのほうが、おかしいんだ」

  • 久々に涙しました...。いや〜海と家族とカフェが出てくると涙腺がゆるむ〜。
    文は朝井さんらしいんだけど、今まで読んだ本の中では1番のほのぼの感。そうは言ってもみんなを取り巻く状況っていうのは不安定で、それでもその上にみんなで「安心」を1つ1つ丁寧に重ねていってる感じ。こういう話、弱いんだよお〜。

  • 母・律子、長女・琴美、長男・光彦、次女・小春、三女・るり、次男・凌馬、三男・真歩…父親・星則を病気で亡くした家族の物語。
    六人兄弟それぞれの視点から描かれる。とても優しくて、まっすぐで、一生懸命な家族の姿に温かい気持ちになり、そしてホロリと泣ける。いつも今までも、これからもずっと星空からお父さんに見守られ続ける早坂家。なんて素敵な家族なんだ!
    何度も読み返したい気持ちになる話だった。

  • 大家族のほっこりやさしいものがたり。
    天窓やブランコのある喫茶店。
    ビーフシチューとネルドリップのコーヒー。
    潮の香り。砂浜。
    物語のなかにはいりこんで、海風を受けていたような読後感。
    3冊目も大いに愉しみました。

  • 母と6人兄弟姉妹のお話でした
    6人の兄弟姉妹がかわるがわる語る
    それぞれの出来事だけのお話かと思いましたが
    そうでもなかったです

  • 6人きょうだいが各章ごとに主人公となり、進んでいくお話。
    語り3人称の理由は、巻末の解説にて!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    目次で、きょうだいが順不同に主人公となっていくことはわかるのですが、始めの章できょうだいそれぞれの紹介がされていくところは、少し情景がごちゃごちゃして、一人一人の姿がうまく描ききれませんでした。
    文章が進んでも、しばらくきょうだいの年齢も性格もなかなか頭に入りませんでしたが、半分を越えたあたりでようやく、きょうだいの輪郭が描けてきました。

    導入こそハードルが高かったものの、ひとつひとつのお話自体は丁寧で、それぞれのきょうだいが、性格や年齢、置かれている立場がちがうからこその悩みや望みが、1章ずつ書かれていました。

    きょうだいの母親が隠していた秘密は、話を引っ張った割にはあまりインパクトがなく、良くも悪くも、どの人も“いい人”なため、お話がふわっとしていていたように思います。
    また、仕方ないことなのかもしれませんが、父親のエピソードに比べると母親のエピソードが少なく、母親がどんな人なのかがつかみにくかったのが正直なところです。

  • 家族の輪のお話。若くして父が亡くなって、母と男女3人つづの6人きょうだい。各々の視点で、「生きづらさ」が綴られていく。いつもの朝井リョウさん節で、いちいちエピソードが、ありそうでなさそうでありそうな絶妙の塩梅で刺さる。

    終盤、ファンタジック、ロマンチックになって、少しうまくまとめにいった感がありましたが、ちょろい私は泣きました。。

    舞台がおそらく湘南?な雰囲気もあって、全体的に心温まる素敵な作品でした。

  • 章ごとに6人姉弟の視点で変化しながら物語が展開していきます。
    お父さんの死がその後の家族に与えた影響は大きく、いろんなカタチで子どもたちに表れている。それもみんなお父さんのことが大好きだから。
    それぞれの深い悲しみに対する受け止め方に驚いたし、それが我が子だと思うと切なくなった。
    端から見てるだけでは分からない。シンプルに見えても子どもには子どものそう振る舞う理由がある。
    人の心って複雑だな…と改めて思ったし、過去ではなく進行形でずっとずっと痛みを抱え続けている子どもたちの姿にギュッて抱きしめてあげたくなりました。

    お父さんが建てた喫茶店が素敵でした。そこに当たり前のように集う家族も。
    ケンカも含めて、いつもわいわい賑やかで温かい。
    思わず涙ぐんでしまうシーンもたびたび。
    「家族っていいな」「有り難いな」って感じさせてくれる作品。
    静かに染みる読後感も良かったです。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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