星やどりの声 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2014年6月20日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041013359

作品紹介・あらすじ

東京ではない海の見える町で、亡くなった父の遺した喫茶店を営むある一家に降りそそぐ奇蹟。若き直木賞受賞作家が、学生時代最後の夏に書き綴った、ある家族が「家族」を卒業する物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めは登場人物が多すぎてちょっとついていけるか不安になりましたが、何とか追いつけて。
    そうなると一気に読み終えました。
    1つの家族のお話です。
    それぞれの家族への思いがたまにすれ違ってしまったりもしながら、それぞれが自分達の進む方向を見つけていきます。
    温かなお話しでした。

  • 素敵なお話だったー!今まで2冊、朝井さん読んでるが、作風が少し異なる。
    6人兄弟が、それぞれの章の主人公であり、お父さんへの想いが語られたりしている。

    最後の章の、お父さんが琴美に話しかける!?過去のシーンが泣けるー涙
    素敵な家族だー!
    りょうまくんのお弁当のシーン優しすぎる!
    光彦くん、めっちゃウケる!(←この子、朝井さん本人の面白いセンスに似てる!)

    ビーフシチュー、星やどりで、食べたい!
    みんな幸せになれますように。という読後感✨✨

  • 情景描写がとても素敵で、少し既視感があって、
    失礼ながら「これ森沢明夫さん?」と思ってしまうほど表現の彩が似ていて、
    朝井リョウさん、こんな書き口も出来る方なんだなと、素人ながらに思う。

    「星やどり」と言う名前の由来、お父さんが子どもたちに伝えたかった想い、芯の強さ、豊かさが、文章のあちらこちらから読み取れ、ほっこり。



    「夏の夕空は今日も、混ぜる前の甘いカクテルのような色をしている」

    「七月の午後六時は、いろんな種類の熟れた果実を混ぜたみたいな色をしている。風にめくられないように押さえているつめは、うすいピンク。何の変哲もない、人のつめの色だ。それが正しい。あんなにきれいなオレンジ色であることのほうが、おかしいんだ」

  • ☆4

    朝井リョウさんの作品を読むのが、今作が初めてだったことに驚きました!(勝手に複数冊読んだことがあると思っておりました...)

    本作では6人の兄弟姉妹をはじめ、その恋人や友人など登場人物が多いのですが、登場人物一人一人の描写がとても丁寧で、感情移入がしやすく読みやすかったです❁⃘*.゚
    読了後も温かい気持ちになりました(*´˘`*)

    勝手に読んだことがあると勘違いしていた朝井さんの他の作品も読んでみたいと思います!

  • 久々に涙しました...。いや〜海と家族とカフェが出てくると涙腺がゆるむ〜。
    文は朝井さんらしいんだけど、今まで読んだ本の中では1番のほのぼの感。そうは言ってもみんなを取り巻く状況っていうのは不安定で、それでもその上にみんなで「安心」を1つ1つ丁寧に重ねていってる感じ。こういう話、弱いんだよお〜。

  • 母・律子、長女・琴美、長男・光彦、次女・小春、三女・るり、次男・凌馬、三男・真歩…父親・星則を病気で亡くした家族の物語。
    六人兄弟それぞれの視点から描かれる。とても優しくて、まっすぐで、一生懸命な家族の姿に温かい気持ちになり、そしてホロリと泣ける。いつも今までも、これからもずっと星空からお父さんに見守られ続ける早坂家。なんて素敵な家族なんだ!
    何度も読み返したい気持ちになる話だった。

  • 海の見える町で喫茶店「星やどり」を営む早坂家。
    数年前に、建築家で大黒柱の父親を病で亡くした
    6人の子どもたちの、家族の輪が描かれた物語。

    生きた文章から伝わる空気感が生々しく、料理も美味しそうで、色んな優しさも感じられ、家族を思う子どもたちも立派で、何より親が偉大でした。

    私自身、学生時代に購入したものの、しばらく積んでしまっていた、初の朝井リョウ作品でした。
    できれば学生時代に読んでおきたかった、夏の時期にピッタリの作品でした。

  • んー、ちっとも面白くなかった。父親が亡くなってる大家族の物語なんだけど、まあそれぞれにドラマがあるけどうんそうだよねそれでどうしたの、って感じだった。ダラダラ読んでたんだけどすごくいいなって箇所も特になく残念。古本市で30円で買ったからまあいいけど。そんなことよりこの本を特急かいじの中に忘れてきて駅の忘れ物係に届けて見つかったって方が思い出深いよw

  • 大家族のほっこりやさしいものがたり。
    天窓やブランコのある喫茶店。
    ビーフシチューとネルドリップのコーヒー。
    潮の香り。砂浜。
    物語のなかにはいりこんで、海風を受けていたような読後感。
    3冊目も大いに愉しみました。

  • 母と6人兄弟姉妹のお話でした
    6人の兄弟姉妹がかわるがわる語る
    それぞれの出来事だけのお話かと思いましたが
    そうでもなかったです

  • 喫茶店「星やどり」を営む早坂家の物語。
    三男三女の姉弟。
    父を亡くし、母と子たちで協力して暮らしています。
    そんな姉弟たちそれぞれの目線で進む、連作短編です。

    久しぶりに朝井リョウを読みたくて、
    さらに癒されるような本が読みたくて手に取りました。

    読み進めるなかで…なんか、読みにくい?
    私のコンディションが悪い?と思っていましたが、
    平成26年刊行…著者が若い時の一冊と知り、
    ちょっと納得しました.苦笑
    ちょこちょこ表現というか言葉遣いのようなものが気になるのは、そういうことか!と。
    (読む前に気づくべきですよね苦笑)

    それでも、家族が家族を想う気持ちや、
    亡くなったお父さんに対する気持ちは、
    読んでいてうるっときます。

    あったかい気持ちになれた一冊です。

  • 東京ではない海の見える町で、亡くなった父の遺した喫茶店を営むある一家に降りそそぐ奇蹟。若き直木賞受賞作家が、学生時代最後の夏に書き綴った、ある家族が「家族」を卒業する物語。

  • 6人きょうだいが各章ごとに主人公となり、進んでいくお話。
    語り3人称の理由は、巻末の解説にて!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    目次で、きょうだいが順不同に主人公となっていくことはわかるのですが、始めの章できょうだいそれぞれの紹介がされていくところは、少し情景がごちゃごちゃして、一人一人の姿がうまく描ききれませんでした。
    文章が進んでも、しばらくきょうだいの年齢も性格もなかなか頭に入りませんでしたが、半分を越えたあたりでようやく、きょうだいの輪郭が描けてきました。

    導入こそハードルが高かったものの、ひとつひとつのお話自体は丁寧で、それぞれのきょうだいが、性格や年齢、置かれている立場がちがうからこその悩みや望みが、1章ずつ書かれていました。

    きょうだいの母親が隠していた秘密は、話を引っ張った割にはあまりインパクトがなく、良くも悪くも、どの人も“いい人”なため、お話がふわっとしていていたように思います。
    また、仕方ないことなのかもしれませんが、父親のエピソードに比べると母親のエピソードが少なく、母親がどんな人なのかがつかみにくかったのが正直なところです。

  • 家族の輪のお話。若くして父が亡くなって、母と男女3人つづの6人きょうだい。各々の視点で、「生きづらさ」が綴られていく。いつもの朝井リョウさん節で、いちいちエピソードが、ありそうでなさそうでありそうな絶妙の塩梅で刺さる。

    終盤、ファンタジック、ロマンチックになって、少しうまくまとめにいった感がありましたが、ちょろい私は泣きました。。

    舞台がおそらく湘南?な雰囲気もあって、全体的に心温まる素敵な作品でした。

  • 章ごとに6人姉弟の視点で変化しながら物語が展開していきます。
    お父さんの死がその後の家族に与えた影響は大きく、いろんなカタチで子どもたちに表れている。それもみんなお父さんのことが大好きだから。
    それぞれの深い悲しみに対する受け止め方に驚いたし、それが我が子だと思うと切なくなった。
    端から見てるだけでは分からない。シンプルに見えても子どもには子どものそう振る舞う理由がある。
    人の心って複雑だな…と改めて思ったし、過去ではなく進行形でずっとずっと痛みを抱え続けている子どもたちの姿にギュッて抱きしめてあげたくなりました。

    お父さんが建てた喫茶店が素敵でした。そこに当たり前のように集う家族も。
    ケンカも含めて、いつもわいわい賑やかで温かい。
    思わず涙ぐんでしまうシーンもたびたび。
    「家族っていいな」「有り難いな」って感じさせてくれる作品。
    静かに染みる読後感も良かったです。

  • 6人兄妹のお話。
    それぞれが抱える亡き父への想い、成長、家族というカタチが描かれていた。

    変わるもの、変わらないもの。
    どちらも大切。

    読み終わった後、家族って良いなぁと温かく優しい気持ちになれた。



  • 星やどりの声読了。
    朝井リョウさん学生最後の作品。
    星やどりという喫茶店を営む大家族の物語とあるが兄弟それぞれの視点で物語が進められていきとても引き込まれる作品だった。
    早くに父親を亡くした子供達がそれぞれの悩みを抱えているものの亡き父を思いながら成長していく様が絶妙に描かれていてすごく感情移入しながら読めた。
    それぞれの年代特有の悩みしかも男女関係なく本当にうまく表現していて朝井さんらしさが出ていた。
    父がいない寂しさだけではなく、最後は新たな命に対する希望を描いていてとても前向きな作品で心打たれました。
    この作品がのちの作品にも生かされていると思うとより楽しめて良かったです!
    次はどの朝井作品を読もうかな!

  • ブックオフで300円だったので買ったけど。
    ちょっとイマイチ。
    家族がみんなファザコン過ぎて気持ち悪い。
    早くに父親を失ったらそんなにもとらわれてしまうものなんかもしれんけど。

    まお?の友達との関わりのところは好き。
    さすが何者の作者らしく、
    就活に苦しむ学生についてとか、男同士の会話や心理についての描写は上手い。
    でもやっぱり
    何者とか、桐島とかよりは劣ると思う。

    とか言って、ちょっと泣いた気もするけど。

  • 文庫化される前、図書館から単行本を借りて読んだときのレビューです。ご了承下さい。<(_ _)>

    何故かこの本、それほど古いものでもないのに所々でページの紙がしわしわになっている。
    とりわけ、最後に近づくにつれて、それが激しい。
    水分でも付着したせいだろうか。
    一度くっついてから、はがれたような跡が残っている。
    雨に濡れたか、雪でも付いたか。
    いずれにせよ図書館の本なのだから丁寧に扱わないといけないのに、と誰か分からぬ借り手に少し憤りを覚えた。
    だが違った。
    紙が濡れたのは、そんなことではなかったのだと、後に知ることになる……。

    星やどり──なんと素晴らしいネーミングセンスだろう。
    「雨やどり」ならぬ「星やどり」。

    亡くなった父親が秘かな思いを込めて改築し、命名した喫茶店「星やどり」。
    そこには天窓があり、夜になれば星がいつでも見える。
    家族は男三人、女三人の六人兄弟と母親。
    長女の琴美。
    長男の光彦。
    二女の小春。
    ニ男の凌馬。
    三女のるり。
    三男の真歩。
    それぞれ魅力的なキャラを持ち、その異なった個性を活かしながら、みんな自分なりの生き方を選んでいる。
    物語の後半、「星やどり」の本当の意味が明らかになる。
    ようやく、ぼくは気付いた。
    そのあたりから、この本の紙がしわしわになりつつあるのを。
    それは結末に向かうにつれ、頻度が高くなっていく。
    そうか、これは雪や雨に濡れたのではない。涙の跡なのだと。
    自分自身も、目頭が熱くなり、涙が零れそうになったから分かったのだ。
    この本を読んだ人たちが思わず感動の涙をこぼしたが故にできたしわの跡なのだと。
    それほど、このストーリーは結末に向かって、ほろりとさせる素敵な話だ。
    湯気の立ち上るビーフシチューの甘い香りが、行間から匂い立ってきそうな温かい物語。
    まさに、朝井リョウ君の真骨頂。
    文庫化されたら購入し、是非手元に置いておきたい作品です。

  • いろんな「仲良し」を感じられて、
    微笑ましくなったりいいなぁと思ったり
    星やどりはこれからどうなるのかな

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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