望郷 (角川文庫)

著者 : 森瑤子
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年6月20日発売)
3.46
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  • レビュー :21
  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013366

望郷 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝さんと
    その妻リタさんの人生をモデルにしたお話です。

    NHKの朝ドラを観ていましたので、大筋でほぼ同じ流れのお話でしたが
    リタさんが故郷スコットランドで暮らす少女の頃よりのお話が冒頭からあり
    とても興味深く何より読んでよかった。ドラマの中では感じ得なかった
    感動の一面を見ることが出来てとても嬉しかったです。

    読みだしてすぐ、まるで海外小説の翻訳を読んでいるような感覚にとらわれました。
    でも確か日本文学のはず...。そこで著者さんのプロフィールを確認してみると
    森瑤子さんはイギリス人の方とご結婚なさっていたということでしたので
    文章を考える感覚が英語的になっていらっしゃるのかもしれないですね。
    それともこちらの物語がスコットランドに関係することで意識的に
    英語翻訳らしい文章をお描きになったのでしょうか..。いずれにしても
    とても心地のいい文章の流れで、この初読みのいっぺんで
    森瑤子さんのことが大好きになりました。

    リタさんの少女として、女性として妻としての想いの素敵な一面が
    いくつもあってなかなか書き尽くせないのですが、一番好きなところは
    お父さまが亡くなったときに想うリタの心情とリタとママが交わす会話の場面です。

    (前省略)お父さまは昨日、予行練習しておいてくださったのだ、と不意に思った。
    リタが取り乱さないように、今朝のことを予告してくだすったのだ。(続き省略)

    リタのお父さまに対する気持ちの捉えたかがとても素敵。この後に続く
    リタとママの会話と振る舞いもとても好きな場面です。素敵な親子。
    素敵な家族。悲しい場面なのにうっとりしてしまいました。

    もうひとつ心に沁みた言葉をフレーズ集に残します。
    森瑤子さんの他の作品もぜひ読んでみたいと思います。

  • サントリーの技師が、ニッカの創業者とは。また、その妻が、イギリス人とは。学生時代、国鉄に乗ると、東京までは、サントリーを売っていて、東北線に乗るとニッカに変わったのを思い出した。好ましくはないが、海軍と戦争のおかげでニッカが残ったのは、よかった。だって美味しいのだ。竹鶴さんは、幸運の人だ。変化に富んだ人生であっただろう。

  • ニッカウヰスキー 創業者・竹鶴政孝と妻・リタの生涯。

    スコットランドに、四人きょうだいの長女のリタ
    体が弱く、病気がちな少女時代を送っている中
    リタは、婚約者を戦争で亡くす。
    初恋の相手でもある婚約者を失い、悲しみのどん底いる
    中、ウイスキー作りを学びに来た
    日本人の、竹鶴政孝と知り合う。
    家族に、反対され遠くの異国にやってきたリタ。
    彼女は、「外国人」ということで
    人々の好奇の目に戸惑いながらも、強く生きていく。

    日本人の夫の夢を追うを献身的支え続けたリタの
    姿に、引きつけられた。

  • 2017年1月12日読了。

  •  19世紀のスコットランド。グラスゴー郊外の小さな街で、やさしい両親に愛され、3人の妹の姉として暮らす17歳のジェシー・ロベルタ・カウン、通称リタ。
     病弱で、内気な少女はやがて、恋をし、最愛の人を戦争で亡くすというつらい体験を乗り越え、モルトウイスキーの製造法を学びにやって来た日本人竹鶴政孝と運命的な出会いをする。それは愛する祖国を離れ、異国で暮らすというリタの将来を変える大きな出来事だった。

     物語は、リタ(ドラマではエリー)の少女時代から始まり、なかなか興味深いスタートでした。
     リタの家族構成はもちろん、政孝の家族のリタへの対応とか、養女サラとの確執とか、ドラマとはまったく違う内容が新鮮でした。(ドラマはドラマで、脚本ってホントすごいと思う)何より、リタが里帰りしていたのがよかった。実際はどうだったのでしょうね。
     1人の女性の一代記として、ドラマを見た見ないに関わらず、おすすめの1冊です。

  • 文章が翻訳調な感じがして若干気になりましたが、あの時代に国際結婚をした波乱万丈なリタの人生が興味深かった。
    好きになった相手に対して情が深すぎる人だからこそ、思い切ったことができたんでしょうね。
    幸せの中にも苦労の連続であった彼女の人生、もし日本に来ることを選ばなければ……ということを、読後にふと考えてしまいました。

  • 『ヒゲのウヰスキー誕生す』を読んで、リタから見た竹鶴夫妻の歩みを知りたいなあと思ったので、ずっと読んでみたかったこの本を購入。
    分厚いけど、夢中になって一晩で読み終えた。

    リタの最初の婚約者のこと、竹鶴との出会い、妹エラとの確執、日本での戸惑いなど、リタ側から見た生活ぶりがたっぷり描かれていた。特に幼少期~大学まで、どんだけひ弱な女の子だったかというのもよくわかった。それなのに日本に行くと決心して、日本人になりきって、よくそこまで頑張れたもんだなと感心。それだけ竹鶴のことを信頼してついていったんだろう。リタのお母さんが夫をうまくたてる人だから、そういう育ちも影響していると思う。
    ただ、サラを養女に迎えたという展開は「ヒゲの・・・」にはなかったのでびっくり!でもこっちはリタの伝記がもとになってるので、こっちのほうがより正確なのか?
    でもリタが年をとればとるほど頑固というかこだわりすぎの性格になっていって、それは自分が子どもを産めなくてサラに愛を注ぎすぎるからか?と思った。最後はちょっとリタが怖かった・・・笑

    でも、こんなに愛せる・信頼できる夫と生涯一緒にいられてリタは幸せだったんだろうと思う。なかなかリタのようには振る舞えへんな~(*_*;

  • マッサンの妻、リタさんのお話し

    すごいな~とは思ったけど、
    魅力的な人って感じじゃなかったな
    でも、外国人なんて見たことない人ばっかりの時代に日本に嫁に来て
    太平洋戦争があって…
    うーん、やっぱすごい。強いな。
    リタさんもマッサンも強い。
    ニッカウヰスキーは、二人の愛の力が生んだんだろうな

    そう思ったら、の余市蒸留所には行ってみたくなった!^^

  • 昔から大好きだった森瑤子さんが、竹鶴リタさんを主人公にした小説を書いていたと知り、どうしても読みたくなり探して購入しました。朝ドラ「マッサン」のエリーちゃんとは印象の違うヒロインでしたが、あの時代に国際結婚をしたカップルの決意と厳しい現実を知ることができました。竹鶴夫妻が日本に帰国した後の夫の変化や、夫婦間のちょっとした違和感をとてもリアルに感じられたのは、森さんご自身も国際結婚をしていらした経験からなのかな…など想像してしまいました。

  • 初読

    マッサンのエマとは人物もストーリーも結構違うな〜
    と思いながら読みました。

    第1章のカウン家の三姉妹が丁寧で瑞々しくて
    「西洋への憧れ」を持って見つめていた時代というのは
    徐々に遠くなっているのかもしれないけど、かつてのあの高揚感を
    思い出させる森瑤子の筆致によって少女時代と共に懐かしいような
    とても良い読書体験だった。

    リタが日本に来て歳を重ねていくあたりは
    ダイジェストというかサラッと描かれていたけど、
    ラスト付近の女としての立場、それに伴う心情の変化(森さんの筆に力が入るところだ)も心にじんとする。

    とはいえ、私自身がリタの急な変化であった
    威が歌子を守ろうとした一瞬でリタから弾けた何か、
    を本当にきちんと読み取れていないようで
    自分が不甲斐ないのでした。

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