アクアマリンの神殿 (単行本)

著者 : 海堂尊
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年6月30日発売)
3.25
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  • レビュー :133
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013427

アクアマリンの神殿 (単行本)の感想・レビュー・書評

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  • 「チーム・バチスタ」シリーズは店頭やTVドラマなどでよく目にしていましたが、なんとなく“メディカルエンターテイメント”の売り文句にたじろいで手に取る機会を逃してきていました。
    今回献本をいただいてシリーズの予備知識ゼロの状態から入りましたが、読み進めるにあたって全く問題ありませんでした。一編の物語として充分に楽しめます。

    先端医療、コールドスリープ技術、未来医学研究センター・・・あらすじに並ぶ単語は物々しいのに、中を開くと友情・恋愛・部活!といった青々しい文字が躍る青春学園もの。
    その特異な生い立ちゆえに平凡であろうとする主人公ですが、周囲の人間のほうが圧倒的に個性的で強烈なキャラクターばかりのように思います。特に女性陣の包み込むような大らかな愛情、母性が印象的でした。一つのことに夢中になって食事もおろそかになる男性を陰で支える女性なんて、まさしく女神。

    コールドスリープ被験者の人権問題や第三者による人格への干渉など、先進技術を取り巻く問題は重苦しく、また重大な選択を前に主人公と一緒にうんうん悩んでいましたが、“枝葉の問題にとらわれず物事をシンプルに考えた時、おのずと答えは見えてくる。” そんなメッセージに随分助けられました。

    タイトルや装丁から受ける冷ややかな印象とは異なり、一人の少年の成長を描くちょっぴり熱い物語です。

  • 大抵人の1年間の成長って、みんな同じと思っているはずだ。でも、時間の流れが違う人が存在する。早老症の人だ。1年間で他の人の数年分の年を取ったような体になってしまう。
    一方で、医療技術の向上により、凍結技術によって時間を遅らせることができるようになる。自分が凍結されている間に問題が解決していることを望んで。本書は、この凍結が終わり戻った後、どのようなことが待ち受けているのか、シミュレーションしている。
    凍結していた時間をどう取り戻し、どうやって先を生きていくのか、この本では学園ドラマ仕立てにして読者に提示している。ある意味SFだ。面白かった。
    ただし、読後に残ったのは、「できることとやっていいことは違うよね。慎重に進めなきゃダメだよ。」といういつもの海堂さんのメッセージだ。特に人の生き方にかかわる医療だから、そのメッセージを発信することはとても大切だと思う。
    ブクログさんから献本を頂いたので、桜宮シリーズは途中をすっ飛ばして読んだし、実はモルフェウスの領域の続編なんだろうとは思った。読んでいないから分からないが、一定の解決を見せてあるのだろう。
    それにしても、最後の一文が気になる。

  • 青春物語? 読むのを何度断念しそうになったことか…
    あのアツシ君の物語、と早々に分かったので、…なんとか読了。
    過去に読んだ本、詳細には覚えていないので過去記事を引っ張って思い出しながら書いてみる。

    「ナイチンゲールの沈黙」
    http://mimi9sayaka.blog14.fc2.com/blog-entry-150.html
    アツシ君、眼球のできる癌(網膜芽腫)の為、5歳で眼球摘出、9歳のときにもう一方の眼球も摘出しなければならない状況に。
    欧米では新薬が認可され、日本で未承認なので、承認を待つ間冷凍(凍眠:コールドスリープ)して待っている、

    「モルフェウスの領域」
    http://mimi9sayaka.blog14.fc2.com/blog-entry-475.html
    コールドスリープ


    そして、本作。
    コールドスリープから目覚め成長。高校生!
    医療系はほとんど関係なし。
    でも、田口先生が偉くなっていたり、藤原さんは退職していたり。
    こういう事象を織り交ぜてくるから、一応、目を通しておかないと…という気になってしまう。

    この後、目覚めた涼子さんはどうなるのか、気にはなります。

    ★を2つしかつけてない割りに、これだけ語ってしまうということは…、もっと★をつけるべきか??

    「医学のたまご」
    http://mimi9sayaka.blog14.fc2.com/blog-entry-101.html
    アツシが飛び級で大学生。 そして曽根崎先生の息子の先輩となる。

  • 私は作者と相性が悪い。おそらく、きっと。

  • 『あの』アツシくんが主人公なのであります!
    それだけで「もう読むの止めよっかなぁ」と思っていた桜宮市のお話に手を出した次第であります。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    主人公が複雑な事情を抱えた多感なお年頃ってことを差っ引いたとしても、
    学校と「光の塔」でのタッチの違いには…!
    オバちゃん、咄嗟に切り替えられんのよ。しくしく。
    まぁ ある意味それがラストへの伏線でもあったのかなぁ?と思えなくもないけど。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    う~ん 全体的に「入り込めなかった」ってのが正直なとこかな。
    元々アンニュイだったりミステリアスだったり、の前作からのひとたちはともかく、
    女子高生たちのリアリティの無さとかちょっとキツかった。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    個人的な好みとして、ほんとは2個にしようかと思ったけど
    アツシくんの入学諸々と
    田口せんせい+ショコさんの出世とのご祝儀で★は3個。
     ■ ■ ■ ■ ■ 
    あ ボクシングシーンは良かった!
    光の剣も良かったしさ、
    海堂さんスポーツもの書かないかな。
    だったら読みたいな。

  • 『モルフェウスの領域』続編。

    主人公の佐々木アツシくんは、桜ノ宮サーガ4度目の登場。

    初登場は、設定2006年の『ナイチンゲールの沈黙』で5歳だった。
    2度目の登場は、設定2022年の『医学のたまご』で高校生。
    この年齢矛盾を解決するために生まれたのが、前作(3度目登場・ほぼ冬眠中)。
    今回は、コールドスリープから目覚めたアツシの生活が描かれています。

    何かの前兆なのか、そんなに起伏のある話ではないですが、教授になった田口先生や看護師長になった翔子ちゃんなど、脇役が出てくるたび、色々なことを類推して、桜ノ宮サーガ好きにはたまりません。

    欲を言えば、幼いアツシが好きだったシトロン星人こと、加納警視正(2022年にはもう警察庁を退官してるだろうな~)にも出番をください。。。

  • 「バチスタ」から10年後くらいのモルフェイスの領域の続編である
    この作品。コールドスリープから目覚めた佐々木アツシ、
    頭はコールドスリープ中に睡眠学習で天才、体の成長は
    多少は実年齢より少しは成長が足りていないが普通。しかし肝心な
    心はまだまだ子供。このちぐはぐな頭脳、体、心が学園生活や
    私生活などで周りの人とかかわることでうまく調和していく・・・。
    個性あふれる登場人物がたくさん出てきますが、やっぱりあの
    名物コンビが出てきました。まぁもともとつながりのある方々ですしね。
    結局目覚めの部分はどうなったんだろう。・・・次回作があるのかな。

  • ブクログ様より献本いただきました。

    『モルフェウスの領域』の続編であり、『医学のたまご』の前になる話ですね。なので主人公は佐々木アツシであり、彼の一人称作品です。
    前作で凍眠から覚め、右目に続いて失いそうだった左目の治療を終えた後、精神の成長を促すためにも中学二年に編入させられます。編入時は十八歳であるにもかかわらず、凍眠によって築きえなかった人間関係を修得するために。
    睡眠学習によって頭の中身は大学生以上。それでも凍眠の事実を公表することなく生活するために学校のテストも態度も偽装するかのごとく生活する主人公ですが、やはりそれだけでは終わらないのです。
    入れ替わるようにして凍眠に入った前任システム管理者の残した問題は、そのまま主人公が決断せねばならない問題に。
    凍眠したスリーパーが目覚めた時、以前の自分に戻るのか、それまでの記憶を抹消をして別人として生きていくのか。凍眠した事実は公表するべきか。
    知識はあっても経験がなければ、それは頭でっかちの机上の空論になりかねません。主人公はそれを実感しながら少しずつ成長していきますが、同級生も見守る周囲の人々にも疑心暗鬼だったり好敵手だったり。この辺の関係が海堂さんならではだなと思います。一筋縄でいかない人々ばかり出てくる感じです。
    常に厳しく乗り越えることを求められる中でどこか逃げ道や抜け道が用意されているのですが、それに気づくのも本人次第。正解だろうと間違っていようと自分で考えて選択することを要求される海堂さんの世界は、少し厳しくて、それでいて気づいた者には優しい、そんなちょっとツンデレ感のある世界だと思います。

  • ※ブクログ様から、献本を頂きました※

    【感想】

    前作となる『モルフェウスの領域』は、

    人間の死の解明や、近年の医療問題を、
    ミステリーを絡めて、娯楽作品化した、
    一連の、桜宮サーガの中においては…、

    生命の根源を、主眼としている点で、
    『ジーンワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』と
    『ナイチンゲールの沈黙』とをつなげ、
    さらに、『医学のたまご』へと導く、
    SF要素も加味した異色の作品でしたが…、

    その続編となる本作品で、
    更なる深みへの展開を期待して読むと、
    肩透かしを受けるかもしれませんね…。

    本作品は、
    コールドスリープ、から目覚めた、
    佐々木アツシくんを主人公にした、
    等身大の、ふつぅの、学園モノ小説でした。

    とは言え…、
    小学生~高校生までの、情緒多感な時期を、
    まるまる(5年間)隔離されていた少年が、
    目覚めた後、大人として社会復帰するには、
    その時間を、リアルに体験する必要がある、

    そのためにふつぅの学園生活を描くことは、
    次回作以降、
    新たな未来の桜宮サーガを紡いでいくには、
    必要かつ大切な、
    ‘つなぎ’の作品なのかもしれませんね…。

    作中で、他人よりも、
    ゆっくりと年を取ることにもなるアツシと、
    対して、他人よりも、
    早く年を取り、寿命を終える佳菜の存在は、
    作品のアクセントとしても、とてもよぃ、
    カウンターパートになっていたと思います。

    個人的には、
    決して嫌ぃなジャンルではありませんが…、
    海堂さんの作品の、コアな読者の皆さんが、
    一連の、桜宮サーガから期待するモノ?は、
    本作品の中には、なぃかもしれませんね…。

    評価は、わかれそぅですが…、
    ボクは、ふつぅといぅことで…。

  • 優しく、悲しい余韻の残る物語だった。アツシくんがこんなにたくましくなるなんて。モルフェウスの頃に比べて、読みやすい感じがした。状況に慣れたのかな。
    それにしても閉所恐怖症の私には凍眠は無理だなぁ。

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