- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041013885
感想・レビュー・書評
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都内の団地に住んでいる人間として、たいへん興味深い内容だった。1950年代以降の団地の流れもおおまかに理解できる。
ページが進むにつれ、団地に住む移民問題に焦点があたり、差別や不平等の話がメインとなってくる。個人的には団地の文化的側面を多角的に知りたかったので、少し物足りなかったが、それでもおもしろい内容だった。
団地の建て替えが住人の高齢化により社会問題となっている今、とても意義のある内容だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高齢化問題と移民問題、その2つを包含する団地のルポルタージュ。
実際問題、こういうところの現状は、中に入ってみないと分からない -
老朽化した団地に住むのは高齢者と外国人である実態について述べている。
今後移民の受け入れ先として団地が機能すると主張する。
団地が選ばれる理由は、保証人が不要のURだからなのか。 -
●今団地に住んでいる人の多くは「上がり」にたどり着けなかった人、そこが「上がり」だった人、そして外国人だ。
●埼玉県川口市の芝園団地は1978年に完成したUR団地、2500世帯の半数が外国人住民だ。
●移民の街フランス、団地を案内してもらえないかと聞くと、ほぼ全員が怖いと尻込みした。
●パリにも中華系住民からなる巨大な「チャイナ団地」が存在する。団地脇には売春婦たちも存在する。中国本土の資本主義化により国営企業などをリストラされた女性たちが、伝音よって渡仏。まず家政婦などを務めた後、売春の世界に身を投じるケースが多いらしい。
●広島市営本町高層アパートは9000人が暮らす大規模集合住宅。昔は原爆スラムと言われるブラック会であった。外国籍住民の比率は約20%。帰国者や聞かした住民も多いことから半分が外国人と言う見立ても間違いとは言えない。
●愛知県豊田市の保見団地。ボランティアでごみステーションの掃除をしている男性。「ごみステーションが汚れていると、日本人はすぐにブラジル人のせいにするでしょ?ブラジル人が汚していなくてもブラジル人のせいにされる。だからどんな時でもきれいにしておかないと」
1999年、保見団地抗争が起きた。 -
ルポルタージュ。
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自分も団地出身なので懐かしく読めた。昔の団地は確かにオープンでにぎやかな場所だった。知り合い家族がたくさんいて、こどもは人の家で遊んでいたものだった。今では団地は孤独死と外国人差別の象徴的な場所となってしまったようだが、団地コミュニティの復活を促す活動も行われている。年を取ったらまた団地に暮らしてそういう活動をしてみたいと思った。