団地と移民 課題最先端「空間」の闘い

著者 :
  • KADOKAWA
3.52
  • (9)
  • (18)
  • (28)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 321
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013885

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 都内の団地に住んでいる人間として、たいへん興味深い内容だった。1950年代以降の団地の流れもおおまかに理解できる。

    ページが進むにつれ、団地に住む移民問題に焦点があたり、差別や不平等の話がメインとなってくる。個人的には団地の文化的側面を多角的に知りたかったので、少し物足りなかったが、それでもおもしろい内容だった。

    団地の建て替えが住人の高齢化により社会問題となっている今、とても意義のある内容だと思う。

  • なんか所々ちょっと話がブチっと切れる感じがしちゃうところあったけど、それ以外は興味深く読んだ。特に自分で住みながら共生を探ってる青年の話が面白かった。


  • 高齢化問題と移民問題、その2つを包含する団地のルポルタージュ。

    実際問題、こういうところの現状は、中に入ってみないと分からない

  • 老朽化した団地に住むのは高齢者と外国人である実態について述べている。
    今後移民の受け入れ先として団地が機能すると主張する。
    団地が選ばれる理由は、保証人が不要のURだからなのか。

  • ●今団地に住んでいる人の多くは「上がり」にたどり着けなかった人、そこが「上がり」だった人、そして外国人だ。
    ●埼玉県川口市の芝園団地は1978年に完成したUR団地、2500世帯の半数が外国人住民だ。
    ●移民の街フランス、団地を案内してもらえないかと聞くと、ほぼ全員が怖いと尻込みした。
    ●パリにも中華系住民からなる巨大な「チャイナ団地」が存在する。団地脇には売春婦たちも存在する。中国本土の資本主義化により国営企業などをリストラされた女性たちが、伝音よって渡仏。まず家政婦などを務めた後、売春の世界に身を投じるケースが多いらしい。
    ●広島市営本町高層アパートは9000人が暮らす大規模集合住宅。昔は原爆スラムと言われるブラック会であった。外国籍住民の比率は約20%。帰国者や聞かした住民も多いことから半分が外国人と言う見立ても間違いとは言えない。
    ●愛知県豊田市の保見団地。ボランティアでごみステーションの掃除をしている男性。「ごみステーションが汚れていると、日本人はすぐにブラジル人のせいにするでしょ?ブラジル人が汚していなくてもブラジル人のせいにされる。だからどんな時でもきれいにしておかないと」
    1999年、保見団地抗争が起きた。

  • ルポルタージュ。

  • 自分も団地出身なので懐かしく読めた。昔の団地は確かにオープンでにぎやかな場所だった。知り合い家族がたくさんいて、こどもは人の家で遊んでいたものだった。今では団地は孤独死と外国人差別の象徴的な場所となってしまったようだが、団地コミュニティの復活を促す活動も行われている。年を取ったらまた団地に暮らしてそういう活動をしてみたいと思った。

著者プロフィール

1964年生まれ。産湯は伊東温泉(静岡県)。週刊誌記者を経てノンフィクションライターに。『ネットと愛国』(講談社+α文庫)で講談社ノンフィクション賞、「ルポ 外国人『隷属』労働者」(月刊「G2」記事)で大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞。『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『ヘイトスピーチ』(文春新書)、『学校では教えてくれない差別と排除の話』(皓星社) 、『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)、 『団地と移民』(KADOKAWA)、『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日文庫)他、著書多数。
取材の合間にひとっ風呂、が基本動作。お気に入りは炭酸泉。

「2021年 『戦争とバスタオル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安田浩一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×