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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784041014288
作品紹介・あらすじ
冴えない容姿と“特殊”な声を持つラジオのパーソナリティの恭太郎はある雨の日、行きつけのバーでびしょ濡れの美女に出逢う。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる恭太郎だったが――。
感想・レビュー・書評
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ラジオパーソナリティを務める桐畑恭太郎。仕事終わりに、行きつけのバー「if」へ。常連たちと楽しんでいると、びしょ濡れの美女が入店し、その出会いがきっかけで、主人公と常連たちは、彼女が企てる殺害計画に巻き込まれることに・・・
といったあらすじ。
突然胸を撃ち抜かれたかのような、衝撃が終盤に訪れました。
そして、それまでの物語が、一瞬で全く別の
意味をもったものに変わりました。
序盤はよく分からないけど何か壮大なことが起きそうな展開に胸を躍らせ、徐々に今までの点と点が繋がっていき、最後にハラハラドキドキ。ここで終わりと思いきや思いがけない結末。物語の合間合間に挟まれるクスッと笑ってしまう場面。
一冊の物語の中で、様々な感情を抱き、心揺さぶられました。
主人公、「if」の常連の優しさ、強さに心惹かれました。私も彼や彼女たちのような、人でありたいなぁと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラジオで恭太郎が流す曲が懐かしいな~なんて思いながら、
あまり深く考えずにすらすら読んでいきました。
が、終盤の方で思いがけず泣きそうになるくらい引き込まれていきました。
特に印象に残ったのは、「勘が良い」というのは場合によっては
「苦しい」ことなんだなと思いました。
気づきたくなくても気づいてしまう辛さと、気づいてしまった後の葛藤。
鈍感に過ごすことも幸せなのかもしれない…なんて思いました。
最後はとても心が温かくなる終わり方でした。 -
ラジオ好きの自分には、とても面白い本。
実際のラジオの喋り手の方達が、ネタ作りに労力が必要で、ある程度結果が思い通りにならない方が面白い…と言うような事を言っていたのを思い出した。登場人物のマイナスな経験をプラスにする数々の物語を回収する本作は素敵でした。 -
バーに集まる個性豊かな常連たち。みんなそれぞれには悲しい過去があって・・・。
入店してきた女性が発した言葉「コースター」から物語が始まります。「コースター」を「殺した」と言ったのではないかと考えた常連たちが、その少女にまつわる事件を解決しようと協力するが、巻き込まれていきます。
可笑しくも悲しい、そして優しい物語。サクサクと読めて、じんわり感動できました。 -
今夜も僕は、世界をつくる。少しの嘘と、願を込めて。
ラジオのパーソナリティの桐畑恭太郎。
冴えない容姿と特殊な声の持ち主。
美しい声に容姿が伴わない事に劣等感を抱いている。
恭太郎は、ある雨の日にいきつけのバー『if』で不審な音を耳し、
びしょ濡れの美女が店に迷い込んで来た。
ひょんな事から彼女の企てた殺害計画に参加する事になる
恭太郎と常連のお客様達だが…。
最初は、何故恵をからかって騙した位の事で
皆が理由も聞かず言われるままに従ってるんだろう…。
途中、恵の話を聞き殺害計画と知っても協力するんだろう…。
そもそも、恵に良い感情を抱けなかったからか、
恵の話自体が何だか怪しいのに…。
恭太郎の軽はずみな行動や言動も嫌だった。
軽いし、何だかコメディみたい
なんて感じのもどかしさを抱えながら読んでいました。
なかなか読み進まなかった。
ラストには、とても驚かされました。
すべて伏線だったのですね。
陽気そうに見えた『if』のママや常連客達の抱えてたもの
大量のエナメルが巻かれた赤鉛筆の訳
透明カメレオンの意味
その理由を知らされた時、泣かされました。
切なくなりました。
存在しないものでも、信じれはそこに存在するんだね。 -
泣いた
帯にあるような「感動」なんかじゃない
優しい嘘と驚きはあったけど。
目に見えたり、表出されることがすべてじゃない。自分だけでもない。
みんな大なり小なり抱えて生きてる。 -
道尾秀介が書く物語だし楽しみだな!、と期待して読み始めたんだが・・・。
この作品、好きじゃないな。
ラジオのパーソナリティと彼の行きつけのバーの常連客たち、そこへ一人の女が転がり込んできて・・・。
この女の性格が、どうにも好きになれない。自分勝手で厚かましくて、現実に知り合いで居たら「オレの半径5mに入ってくるな!」って言いたくなるタイプ。もっとも、こういうのが好みの人も居るだろうから、そのへんは個人の好みの問題だと思うけど・・・。
まぁ、この女のせいで読んでても楽しくないんだよなぁ。
軽くコメディ的な要素もある小説なんだけど、この女に対する嫌悪感と、主人公・桐畑恭太郎を応援する気持ちがグチャグチャになってしまって、話に身をゆだねることも出来なかった。
五章から構成される本書、スピード感にもやや欠ける。コメディのような描写もあるのに、スピード感が無いから気持ちよく笑えないし、酔えないんだよなぁ。
ところどころ挿入されている、ラジオ番組での「しゃべり」の内容。これは良い味を出してる。ラストで、この「しゃべり」の内容がコロッと転回されるのもちょっとしたサプライズで好感だった。
「早く読み終えて次の本でも読もう!」と、惰性で読みすすんできたところ、ラスト20ページは、さすがに道尾秀介、技を仕掛けてた。
うん、あの悪戯は伏線だったのか!とか、台詞の一つ一つに伏線が隠されていたり・・・。泣ける要素もあって、一気にヒューマンドラマのノリになった。
この辺は好みなんだけどなぁ、女の性格が最後まで変わらなかったのはなぁ、嫌なんだよなぁ・・・などと、読了後、ちょっとモヤモヤ感。
☆3個
「BOOK」データベース~
ラジオのパーソナリティの恭太郎は、冴えない容姿と“特殊”な声の持ち主。今夜も、いきつけのバー「if」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける。恭太郎が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女が店に迷い込んできた。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる彼らだが―。陽気な物語に隠された、優しい嘘。驚きと感動のラストが心ふるわす―。
確かに優しい嘘なんだけど、女の性格がやっぱり好きになれないな。なんとなくコメディタッチの描写で、ラスト20ページでヒューマンドラマに仕上がってるけど、どっちつかずの印象になってしまってる。
全編、後半のノリなら☆5個なんだけど・・・。 -
その声を聞くと誰もが振り返るほどの"美声"の持ち主である桐畑恭太郎は深夜ラジオのパーソナリティをしている。
恭太郎が放送終了後に毎日足を運ぶ店は輝美ママが営む(?)「if」
そこに集う、百花、石ノ崎、レイカ、重松。
ある日、三梶恵(ミカジケイ)と名乗る女性が現れ、「if」の面々は彼女に振り回されていく。
前半はなかなか読むスピードがあがらず…
切ないラストに、一気に引き込まれた。
道尾さんの本はこれが11冊目。
道尾さんの本のタイトルは、読んでみて初めて「なるほど~!」と思う。
今回もしかり! -
声だけは魅力的なラジオパーソナリティの桐畑恭太郎。行きつけのバーで居合わせたリスナーの女性のために一興演じたことから彼女の手助けをすることとなる。彼女は何か秘密を抱えているようで…
冒頭はあまりピンとこない内容だったが後半にかけて面白かった。最後に主人公が語る彼の事情にも驚かされた。 -
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ラジオのお仕事をする美声の持ち主の主人公と主人公行きつけのバーに集まる人々のお話。
小さいときには透明なカメレオンが見えたのにいつの間にか見えなくなったというところが印象に残った。
生きるために忘れることや鈍感でいることは大事な能力だと思うけどそうすると透明カメレオンは見えないままなのかな。
読後も自問自答が続くお話だった。 -
声がすごく良すぎて容姿とギャップがあるラジオパーソナリティとして働く主人公。
話が嘘も含まれていて、しかしちょっと優しい嘘だったりする。
どんな展開になるのか読めなかったが、まぁ終わりはよかった印象。 -
弱くていい。
自分が弱いこととか、不完全なこととか、僕は誇りに思っている。っていうシーンがあるんだけど、
そんな考えとてもよき。 -
軽快な文章で読みやすい。
最終盤は泣ける -
ラジオパーソナリティの恭太郎、独特の声と容姿が一致しない。
著者プロフィール
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