透明カメレオン

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014288

感想・レビュー・書評

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  • 物語のための物語。感動的な展開が先にありきからスタートしたであろう物語構成。この構図では人は感動させられないんだなあーと痛感。ある程度のプロットは必要なんだと思うけど、物語が流れてないし、仮に微力の流れが出来ていると仮定しても、その流れは本当に人工的で不自然で歪だ。道尾秀介ってよく名前聞くけど、評価されているのかな?いくつか小説読んだけど、ほとんどがイマイチだった気がするなあ…。勿論、超主観です。

  • この作者の本は初めて読んだ。
    こんなことを言うと両方のファンに怒られそうだけど、伊坂幸太郎の作品に似ているかもしれない。伏線と回収、ブラックジョーク、適度な軽さと重さ。この辺りは近いかもしれない。

    本作の感想だが、主人公の、情けないけど純粋な部分に好感が持てた。話の展開などはメチャクチャな感じがするがこれは「肩肘張らずに書いてみました。」という作者の主張のような気がした。

  •  この作者にしてはまとも。もちろんお決まりのひっくり返しはあるけれど、想定内ではあり意外性は低い。たまにはこういう正攻法ものも書いてみたものか。物語は場末のバーに寄せ集まったいわくありげなメンバーが協力して、ひょんなことから巻き込まれた人助け?に取り組むというもの。リーダー格の恭太郎をはじめみながお人よしすぎるので、緊迫していながらほのぼのとした雰囲気がただよう。ストーリー的には他愛ないし、結末もうまく行きすぎなのが物足りないか。なんせこの作者だからなんかたくらみがあるのではと疑心暗鬼になってしまうのであっけないというか。深夜放送などというノスタルジックな舞台装置をもってきたのはうまいところだが、主人公の嘘ばかりのしゃべくりがちょっと引っかかる。虚実反転というのがメインテーマなのはわかるけど。

  • 嘘が新しい今をつくる。本気で願えば透明なカメレオンだって見えるようになる。恭太郎の「1UPライフ」最後に真実がわかった時は泣けた。
    ★ヒロインの恵さん、ごめんなさい。あまり好きなタイプではありません。

  • 恭太郎はスナックの仲間に愛されていた。それがどうしてなのか理解できた。ネガティブな過去はいつまでも引きずっていないでポジティブに書き換えることも時には必要だ。明るく生きて行こう。

  • なんとしたことだろう。完全に油断していた。
    どこか気を抜いていた。「なんとなく」という軽い気持ちで読んでいい本ではなかったのだ。

    物語終盤、私がそれまでにこの小説に抱いていたイメージがガラリと変わることになる。そのせいか、涙が溢れてきた。小説で泣いたのは記憶する限り今回が初めて。自分でも驚いた。
    それまでは所々に挟まれるユーモアに笑わされてり、声だけ素敵な冴えないおじさんに苛立ちを覚えたりしていたけど、そういうものがどこかに消えて無くなった。込められている想いがとにかく純粋なことに気づいたからか。過去にどんなトラウマを抱えていようと、それは今の自分たちには全く関係ない。だって過去と現在は別物だから。今を生きる私たちは真っ直ぐ目の前だけを見据えて生きて行こう。こんな単純明快で希望に満ちた言葉が他にある?それを作者は真正面から読者に突きつけてきた。

    『透明カメレオン』なるほど、そういことか。
    道尾秀介のタイトルのつけ方には相変わらず興味を惹かれる。

    改めて思う。小説家は職人だ。こんなにも人の心を揺さぶる物語を「創造」している。いいなぁ、かっこいいなぁ。

  • 16/02/27
    早々に挫折しました、、
    道尾さんの本は怖い話系ならおもしろいと思うけど、こういうわちゃわちゃ系は苦手かも、、

  • 「優しい嘘」がキーワードの最後、気持ちがほっこりする作品。
    うそをつくことが悪いことでは決してなくて、それで相手を幸せにするのであればいいのかと思う。
    他人と過去は変えられない、と言うけれど、受け取り方を少し変えることによって現在・未来を少しずつ変えていくことができる。
    ハッピーエンドかどうかはわからないし、つらい部分もあるけれど最後に少し温かい気持ちになれた。

  • 読後、嘘ばっかり!とうんざり。痛快な騙され方ではなく、なんか同情を押し売りしてるわけでもないけど、なんかおさまり悪い…
    最後の告白でそれまでのはちゃめちゃなエピソードとはうってかわって、どよーんと空気が変わってしまった。
    恭太郎の嘘エピソードでみんなが救われて今も修復中ということで、なんだか痛々しいラスト。

  • 個人的な趣味だけど何か興味がわいてこなかったので途中でやめた。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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