チャイナ蜜柑の秘密 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年1月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784041014578

作品紹介・あらすじ

出版社の経営者であり、切手収集家としても有名なカーク。彼が外からエラリーと連れ立って帰ると、一人の男が全てが逆さになった密室状態の待合室で死んでいた。謎だらけの事件をエラリーが鮮やかに解決する

感想・レビュー・書評

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  • 楽しかった。「逆向き」がキーワードの殺人事件。ぐいぐい引っ張ってのあの真相には唖然。誰も辿り着けないでしょうね。飯城さんの解説と森脇かおりさんのイラストがありがたい。エラリーの真夜中の駆け引きシーンとジューナの奮闘ぶりが心に残った。

    • 111108さん
      akikobbさんコメント嬉しいです♪
      本書は登場人物達の人間模様も読み応えありましたね。そしてあのシーンではついに「エラリーかっこいい〜」...
      akikobbさんコメント嬉しいです♪
      本書は登場人物達の人間模様も読み応えありましたね。そしてあのシーンではついに「エラリーかっこいい〜」と思いました!それにジューナの出番多くてエラリーとの絡みもかわいくて楽しかった。…あの謎解き、確かに「知らんわ」でした笑
      2025/12/02
    • akikobbさん
      わっ、ついに111108さんから「エラリーかっこいい」が出ました〜!(小躍り)
      わっ、ついに111108さんから「エラリーかっこいい」が出ました〜!(小躍り)
      2025/12/02
    • 111108さん
      小躍り www
      小躍り www
      2025/12/02
  • エラリー・クイーンの国名シリーズ。やっぱり面白いな。
    akikobbさんオススメありがとう!
    キャラクターの魅力はakikobbさんのレビューへ!

    ===
    推理作家エラリー・クイーンは、友人で出版社社長ドナルド・カークに呼ばれた。ドナルドはチャンセラー・ホテル22階に住居と事務所を借り切っていて、切手と宝石の収集家としても有名だ。
    ある日、ドナルドの事務所を訪ねてきた正体不明の男がいる。エラリー・クイーンがドナルド・カークと共に事務所に行くと、その男が殺されているではないか。しかも男の死体の着衣は全て裏返され、服には二本の槍が固定されていて、その控室にある動かせるものは逆向きに細工されていたのだ。

    関係者
    この「登場人物一覧」が遊び心がある。「病人と希望を抱えている」みたいな・笑
    ●ドナルド・カーク:タンジェリン出版社社長だが実は経営はピンチで悩める男。宝石と切手の収集家。チャンセラー・ホテルに住居と、出版社の事務所を持っている。
    ●マーセラ・カーク:ドナルドの妹
    ●ヒュー・カーク博士:ドナルドとマーセラの父。身体が動かせなくなり、周りの人々に癇癪爆発させる困った老人。
    ●グレン・マクゴワン:ドナルドの親友で、マーセラの婚約者。彼も切手収集家。
    ●フェリックス・バーン:ドナルドの共同経営者。かなり態度がでかくて無礼。金はないが、作家を見つける目がある?
    ●ジェームス・オズボーン:ドナルド・カークの秘書。彼も切手に詳しい
    ●ミス・ディヴァシー:ヒュー・カーク博士の看護師。我儘老人に当たり散らされる(-_-;)
    ●ハッペル:カーク家の執事。なんか乱暴者の過去がありそう?
    ●シェーン夫人:チャンセラー・ホテル二十二階の受付係
    ●ナイ:ホテルの支配人
    ●ブラマー:ホテルの探偵。以前、リチャード・クイーンが分署の警部でだったころに彼は巡査だったらしい。
    ●アイリーン・ルイース:本名は「リューズ」で女詐欺師。ドナルドと関係してる?
    ●ジョー・テンプル:父が外交官のため中国で育った。作家志望でドナルドと会った。ドナルドはジョーを好きになってアイリーンと離れようとしている。色気のアイリーンと知性のジョー、女二人の戦い勃発か!?
    ●リチャード・クイーン警視:エラリーの父
    ●トマス・ヴェリー:巨体の部長刑事。プロレスラーの渾名で呼ばれたりしてる。なんか見掛け、声、動きなどが想像しやすい 笑
    ●プラウティ医師:検死官
    ●ジューナ:クイーン家に引き取られている召使でマスコット的少年
    ●エラリー・クイーン:推理小説家、素人探偵。父の担当事件に協力することに。

    「服や備品が逆さま」という殺人現場のインパクトの強さ。
    表紙のエラリーは耽美的ですが、本文では朝寝坊だし、起きてもベッドでゴロゴロ書類読んでるし、なんか「僕は女性は苦手(-_-;)」とか言ってるし。あれ、私が読んだ30歳ぐらいのエラリーは美女を褒めまくってたよ・笑

    後書きでは「トリック」の図解があります。文章だけでは、あまりピンとこなかったのですが、イラストで分かりました。(未読の方は、後書きは先に読まないようにしましょう!)

    蜜柑に関するもの
    ・出版社名が「タンジェリン出版社」
    ・タンジェリンは「中国のオレンジ」
    ・被害者は控室に用意されたタンジェリンを食べた
    ・大変珍しい中国の切手がオレンジ色

    中国に関するもの
    ・ジョー・テンプルは中国帰り
    ・大変珍しい、誤植された中国切手が巨額で取引される

    逆さま
    ・西洋からみた中国は風習などが逆さま
    ・詐欺師アイリーンの本名は「リューズ」で、綴りをひっくり返した「ルイーズ」を偽名にしている

    • akikobbさん
      ひゃ〜!嬉しいっす!やっぱり何か再読して一冊で満足するには、個人的な好みとしてはチャイナかな…と改めて思いました。
      人物一覧、力入ってますね...
      ひゃ〜!嬉しいっす!やっぱり何か再読して一冊で満足するには、個人的な好みとしてはチャイナかな…と改めて思いました。
      人物一覧、力入ってますね!ヴェリー、わかりやすいですよね笑
      2025/10/01
  • 死体発見と共に、その死人は衣服が前後逆に着せられており、室内も何もかもが逆向きのあべこべ部屋。
    過去に同じような、家具が全て逆さまになった話を読んだ気がするなぁ〜と調べたら貴族探偵だった。

    そのあべこべは、当然何かしらがバレるのを防ぐための咄嗟の偽装であるが、その偽装理由が宗教に馴染みのない人間にはそうゆうものなんだなと思うしかなかった。
    チャイナ蜜柑は、作中の冒頭の話からタンジェリンと呼ばれて登場する。EQの捜査が始まり、タンジェリンはすなわちチャイナ蜜柑…
    切手収集家のドナルド・カーク氏らの、中国切手の収集話と関連があるかもしれないので、手がかりのひとつとして。



    真相ネタバレ含む↓↓



    そして真相にて、なぜチャイナ蜜柑という題なのか。確かに、色を形容する意味でも妥当なのかもしれない。認識しやすさ的にはチャイナオレンジや中国蜜柑の方がしっくりくるが、チャイナ蜜柑の方がお洒落ではある。

    密室にしたがためにアリバイは成立したが、逆に身動きがとれなくなるという辺りが面白い。

  • 割りと大きい場面展開がない物語。動機も「これかな?」というものがちらりちらり散りばめられていているが最終的には「やっぱり人間てこういうものなんだなぁ」と思わせるような人間臭い理由が・・・。ただ、文化がわからなかったため状況についての理解できなかった。海外文学の残念なところ。というか、無知なんだと思いさらされる瞬間。

  • 国名シリーズ第八作。
    ミステリーとしての世の評価はまあまあのようなのですが、キャラクター重視の私としては、ここまで読んできたこのシリーズの中でピカイチで好きでした。「誰が活躍するか」という観点でこれまでの七作の変遷を振り返ると、
    ・ほぼパパ・リチャード警視が活躍する第一作『ローマ帽子』
    ・逆にエラリー中心でパパの影の薄い第二作『フランス白粉』や第五作『エジプト十字架』
    ・ジューナ少年がナイスアシストをする第三作『オランダ靴』
    ・地方検事・検事補たちとの共同捜査が描かれる第四作『ギリシャ棺』
    ・ヴェリー部長刑事とエラリーの凸凹タッグが印象的な第六作『アメリカ銃』
    ・クローズドサークルものでパパとエラリーの二人きりで事件に取り組む第七作『シャム双子』
    というように、作者が読者を飽きさせないための工夫のひとつとして変化をつけてきているのがわかる。そのおかげでそれぞれの作品に個性が出てとてもいいのですが、私は「これすごくおもしろかったけど、誰それの出番が少ないから寂しかった」という感想を抱きがちでした。
    そこへきてこの第八作では、“私がいてほしいと思う”レギュラー陣が漏れなく登場し、満遍なく活躍してくれます。非レギュラーである事件関係者も個性豊かで、たまに発生する「なんとか夫妻が何組かいてある程度読み進むまで区別がつかない」という状態にも陥らなかったし、「エラリー旧友」枠あり、「美女」枠あり(しかもお色気系、知的系など複数パターン取り揃え)。このバランスの良さ!八作目で満を持しての黄金比顕現か!というほど、誰が何してるシーンも退屈することなく読めて最高でした。
    そして私の最推しであるエラリーは主人公ですから、これらの人物それぞれと満遍なく共演するわけで、「生意気(対パパ)」「偉そう(対ヴェリー)」「保護者気取り(対ジューナ)」「難しい言い回し合戦(対プラウティ検死官)」「気さく(対旧友)」「口説き(対美女)」「口説かれ(対美女)」といろんなエラリーが見られます。ソロのシーンも、長い脚を投げ出しての沈思黙考、寝ぐせのついた頭で本を読み漁る、警察官でないのをいいことに友人のために詐欺師と密約、警察官でもないくせに警察権力を勝手に行使、窃盗、不法侵入など、いつもどおりの無茶苦茶さも含めて見どころたくさん。「こういうエラリーが見たい!」という欲望をどれだけ叶えてくれているかという点でも、個人的には他の作品を圧倒的に凌ぐクオリティだったと花丸をあげたい。

    ・・・というわけで、トリックがどうロジックがどうプロットがどうという点で加点も減点もできようが、お気に入りの人物たちがわちゃわちゃやってるのを楽しみたい私としては、「ホントこの作者ツボをよくわかってるわ~」と感心してしまう見事さなんですが、意外とそういう感想を書いているレビューに全く巡り合わない・・・。私だけ・・・?

    一応自分のための備忘もかねて、本筋についてもネタばれない程度にメモ。
    ・すべてが“逆さま”の殺人現場→キャッチーで良い。
    ・被害者の身元がなかなかわからない→これも魅力的な謎だった。ただ事件関係者たちも全員、殺された人が誰なのか知らないので悲嘆に暮れている人がおらず(嘘をついているのなら演技だということになるが)、すぐにパーティー開いたりしているのがちょっと異様。
    ・謎解き披露→ちょっと強引さがありカタルシスは弱かった。でもちゃんと“意外な人物”が犯人で、この点については毎回この作者は外さないからすごい。本作の場合、先に犯人を名指ししてからトリックを説明したほうが面白かったのでは。
    ・「謎解きばかりでドラマがない」と批判されるクイーン作品にしては、それぞれの人生模様が描かれているほうで、そこも良かった。
    ・チャイナ蜜柑(タンジェリン)とは、温州蜜柑の仲間みたいなものらしい。妙に美味しそうに描かれる。

  • ずっとずーーーーーっと昔に読んだのを思い出した。
    犯人はこいつしかいないだろう…と思いつつ。たしか犯人の意図は…とか。覚えていたからか、すべてを反転するってちょっと強引なような気もする。でもやっぱり好きだわぁ☆
    最後の解説に挿絵等があり、味があって良かった!
    内容には全く関係ないけど、新しい漫画チックな表紙の本なのでそれは不満(T ^ T)

  • ホテルの一室で惨殺された男。着ていた服は裏返し、家具は全て壁側に向いているなど、部屋の中は何もかもが「逆」だった……という何とも奇抜な設定で一気に物語に引き込まれる。クイーンの国名シリーズはまず何より舞台設定や掴みが面白い。
    事件が起きたホテルはエラリーの友人ドナルドの住まいでもあり、たまたま訪れたエラリーが死体の第一発見者となる。家族や関係者の中に死んだ男のことを知る者はなく、部屋がこのような状態になった理由も見当が付かない。エラリーは、この「逆」という状況に囚われ続けることに。
    警視はというと、毎回のごとく粛々と関係者への徹底した尋問を行なっていく。ドナルドの父で偏屈なカーク博士をはじめ一癖も二癖もある関係者たちに手を焼く警視。一方のエラリーは、「逆」という概念や事件関係者が持っていた切手などから、事件の背景に中国の存在が関係していることを睨む。最終的にはその切手が鍵となり事件は解明される。部屋の間取りから、「この方法が取れるなら、誰にも気付かれず殺人を遂行できるのはこの人しかいない」というのはかなり絞り込まれる。トリックの部分は、想像力豊かでないとなかなかイメージが難しい。(私には厳しかった)ただ、一つの木を隠すために森をつくってしまうアイデアは面白い。
    奇抜な殺害現場、(被害者を置き去りにした)濃密な人間ドラマ、死んだ男の正体が最後までわからないなど惹きつけられる要素が満載。
    身勝手な理由で殺された被害者と、図らずもその動機となってしまったディヴァーシー嬢があまりにも可哀想。

    特に面白かった場面
    ・エラリーとアイリーンのサシの勝負
    ・警視が息子に言い放つ「だんまり屋の貝め」
    ・息子に先んじて情報を手に入れて得意になる警視、その様子を見て「普段僕はこんなことをしてるのか」と気付く息子
    ・「キュビスムの絵に出てきそうな女」という表現

  • 何で被害者の何にもかもを正反対にしたのか納得できた。
    何で犯人の身元をバレないようにしたのかも納得できた!
    でも部屋のものまで移動させるのは手が込みすぎじゃないか?

    タンジェリン(チャイナ蜜柑)を食べたかどうかはそんなに深い意味はなかったんだね、残念!

    犯人の意外性はまぁまぁあった。
    ただただディヴァーシー嬢が可哀想。。
    犯人、非モテ過ぎるとこうなるのかな…。

    トリックは文で読んだだけだと全然分からなかったから、解説部分の挿絵は有り難かった。

  •  KADOKAWA版のイラストのジューナ君が、とにもかくにも可愛すぎます……♡
     この本を目にした人の8割がそう思うはずです。なんて前置きはさておき★

    『チャイナ蜜柑の秘密』(原著1934)では、出版社の経営者で著名な切手蒐集家でもあるカークと、われらがエラリーが、待合室で逆さ吊り(?)になった男の死体を発見します。

     死体の衣服は後ろ前に着せられていて、棚の位置やテーブルの上の物も動かされ、すべてが逆向きになっている。そこにわざわざ置かれたチャイナ蜜柑……★ アベコベ密室殺人の真相を、青年エラリーの知恵でズバッと解決する作品です。

     率直に感想を言うと不謹慎になってしまうけど、鮮やかなエラリーの謎解き……を上回って、奇妙な現場に魅せられたという記憶が強いです★ 映像で見たら「うっ」と来たかもしれませんが。活字だとあの童謡を連想させる状況に、不思議な魅力を感じてしまったのです……☆

     しかし、人殺しだけでも危険だし手間もかかるのに、これほど面倒な細工をする犯人は、ちっとも合理的ではないですね。対するエラリーは「おいおい」と言いたくなるほど、ひどく合理的です。殺された男の人生になんて一向に思いを馳せない。作中で、被害者が誰かなんてどーでもいいと、はっきりセリフにしてます★
     作者クイーンにしても、謎の設定と推理にしか興味がなさそうですね。死体は記号であり、数学や物理の問題を解くような……。

     とにかく「人間味を消した人間劇」というわけで、なんというか、おかしいのだ。
     当人はふざけるつもりなど毛頭なく、大真面目に無益なこと(トリック)に労力を割いて、そこまでして人を殺すというのが悲しくもあるけれど「おかしい」と感じてしまう……。
    「チャイナ蜜柑」は殺人喜劇の最たるものと言えそうだし、国名シリーズ全体がそんな調子で書かれているのかもしれません。誰かに冗談を言われる以上に、ウケる作品だと思います★

  • クイーン警視とエラリーの活躍のバランスが良くて面白かった。
    さすがに家具まで含めて全て逆向きにするのは手間がかかりすぎで逆にリスクが高いのではないかと思ったけど、殺害現場ではなく犯人がいた事務室の方を密室にすることでアリバイを作ったというのはなるほどと思った。

  • 初のエラリー・クイーン作品。浅学なのでエラリーは女性で作者の名前だと思ってたら、男性で探偵名でもあり合同ペンネームだったという衝撃。めちゃくちゃびっくりした。事件現場の何もかもが逆になっているとんでもない状況に振り回されつつも、タイトル通り中国関係のワードや習慣、実験まで使って真相を追い求めていく。トリックは凄い発想でびっくりした。動機がその気持ちは分かるけどもっといい案あったやん…てなった。目の前に大金がぶら下がってると人間こうなってしまうのかもね。海外ミステリにしては読みやすく凄く面白かった!

  • 最近身体をはってばかりだったので忘れかけてたけど、そういやこの人小説家なんだっけ…?と思わされた一冊

  • トリックのシンプルさと犯人を示す鮮やかな消去法推理は読んでいて楽しかった。なぜ室内のあらゆる物が逆向きになっているのか、殺された男は何者なのか、これまでの国名シリーズに負けず劣らず不可解な謎で満足度が高い。
     
    あと、創元推理文庫にシャム双子の謎以降がまだ無いので、角川文庫の国名シリーズで続きを読んでいるが、角川版のエラリーはクイーン警視にタメ口なのに対して、創元推理版のエラリーは敬語であった。「え、タメ口やん!」とちょっと驚いた。

  • アメリカの作家「エラリー・クイーン」の長篇ミステリ作品『チャイナ蜜柑の秘密(原題:The Chinese Orange Mystery)』を読みました。
    『アメリカ銃の秘密』に続き、「エラリー・クイーン」の作品です。

    -----story-------------
    「クイーン」の最大傑作と激賞した国名シリーズ第8弾

    出版社の経営者であり、切手収集家としても有名な「カーク」。
    彼が外から「エラリー」と連れ立って帰ると、一人の男が全てが逆さになった密室状態の待合室で死んでいた。
    謎だらけの事件を「エラリー」が鮮やかに解決する
    -----------------------

    1934年(昭和9年)に刊行された「エラリー・クイーン」のミステリ長篇で国名シリーズの第8作… 『ニューヨーク・タイムズ』が「クイーン」の最大傑作と評価している作品です。


    「チャイナ・オレンジ」など稀少な切手の収集家として知られる出版社社長「ドナルド・カーク」が住居兼事務所として使うNYのチャンセラー・ホテル22階の待合室で、火掻き棒で頭蓋骨を粉砕された男の死体が見つかった… 外出先から、友人の「クイーン」を伴い、晩餐会に出席するため、事務室に寄った時の出来事だった、、、

    殺された男の正体は誰もわからない… ただ、死人の衣服が前後逆に着せられており、部屋の中も何もかも逆向きだった……。

    「カーク」の友人である「エラリー」は、犠牲者が、すべてが西洋とは「さかさま」な東洋に関連していると主張するが……。


    着衣が全て後前になっており、待合室の書棚や絵画、テーブルの抽斗、時計から絨毯に至るまでありとあらゆるものが逆さまになった部屋… そして、誰も心当たりがないという被害者は誰か… という謎を解く展開、、、

    魅力的で興味深い殺人現場… 想像もできないシチュエーションですねー 展開が全く想像できずワクワクしながら読み進めました。

    辿り着いた真実は、あるひとつの隠したいことのために全てのものを逆さまに… ということが判明するのですが、、、

    シャツのカラーの使い方やネクタイの着用等々、当時の文化やファッションに詳しくないと想像すらできないですねー そして、ドアに閂をかけるトリック(密室殺人ではないですが、密室トリックっぽいトリックがあるのも面白かったんですけどね… )が複雑過ぎて文章で解説されても理解不能でしたね… 解説に図解があったので、それを見て、ようやくイメージが沸いた感じ。
    チャイナ蜜柑の秘密(原題:The Chinese Orange Mystery)

    本作品も読者への挑戦… がありましたが、こりゃ、全くわかんないですよねー でも、読み物としては愉しめました。

    ちなみに本作品、邦題が複数あるようで… 『チャイナ蜜柑の秘密』の他に『中国切手殺人事件』、『チャイナ橙の謎』、『チャイナ・オレンジの秘密』というタイトルで出版されているようです。


    以下、主な登場人物です。

    「ヒュー・カーク博士」
     七十歳を越えた学者。チャンセラー・ホテルに書斎と住居を持つ。

    「ミス・ディヴァシー」
     博士の世話をしている付き添いの看護婦。

    「ドナルド・カーク」
     博士の息子、出版社社長。
     宝石・切手の収集家として有名。
     チャンセラー・ホテルに会社事務所と住居を持つ。父や妹と同居。

    「マーセラ・カーク」
     博士の娘。ドナルドの妹

    「ジェームス・オズボーン」
     ドナルド・カークの秘書

    「ハッペル」
     カーク家の執事

    「フェリックス・バーン」
     ドナルドの共同経営者

    「グレン・マクゴワン」
     ドナルドの親友

    「シェーン夫人」
     チャンセラー・ホテル二十二階の受付係

    「ナイ」
     ホテルの支配人

    「ブラマー」
     ホテルの探偵

    「アイリーン・リューズ」
     宝石専門の女詐欺師

    「ジョー・テンプル」
     中国で育ったアメリカ女性、作家志望

    「プラウティ医師」
     検死官。

    「ジューナ」
     クイーン家の召使

    「トマス・ヴェリー」
     ニューヨーク警察の部長刑事。

    「リチャード・クイーン」
     警視。ヴェリー部長の上司。

    「エラリー・クイーン」
     犯罪研究家

    「被害者」
     正体不明の人物

  • 国名シリーズの中で一番好きな作品かも。
    かつて読んだハヤカワでのタイトルは『チャイナオレンジの秘密』だったよね。「オレンジ」の方が作品に合ってると思うんだけどなぁ。
    全然関係無いけど、読後なぜか『本陣殺人事件』が読みたくなって書店に走ってしまった。

  •  はるか昔に創元推理文庫版『チャイナ橙の謎』を読む。
     3年前の9月に旅先の仙台駅の書店で新訳『チャイナ蜜柑の秘密』を買う。表1カバーイラストのジューナが可愛い。先日『フランス白粉の秘密』を読破した勢いでひもとく。
     『チャイナ橙〜』を読んだ時は、ネクタイとカラーにまつわる文化の違い、こんなの日本人には解りっこないと思ったものだ。
     部屋の調度品や衣服を逆向きにした理由も真犯人も重々知った上で再読する。それでいて、自分の記憶は確かなのだろうかと思わせてくれる点はさすがだ。
     窃盗に不法侵入、法の網をやすやすとかいくぐるエラリー。
     408頁のマンガによる図解は有難かった。
     最後まで名前も明かされない上、道具扱いされる被害者がいと哀れ。

  • 異文化なので、解くのに必要な知識が私には、というか多くの人にはないと思う。ただ私はミステリを解こうとして読んでいるわけではないので面白かった。珍しく(?)クイーン警視の思いつきもあって嬉しかったし笑
    とはいえトリックそのものはちょっと考えつくには面倒だなぁ…… 一方で「逆向き」の謎自体はある程度ミステリを読んでいれば誰でも思いつくと思う。その点で、国名シリーズの中では傑作とは称されないだろうなという印象。でもやっぱりクイーンは面白いよ!!

  • トリックは図説がなければ一度読んでもよくわからなくったが、なるほどそれがわかれば自ずと犯人もわかる。鮮やかな推理だった。

  • 個人的な話なのだが、大昔に一度読んでいて、物語の出だしのところで誰が犯人だったから思い出してしまった。これは実に興ざめもいいとこで、エラリー・クイーン氏には何の責任もない話なんだが。それはともかく、メイントリックはあまりピンとこない。異文化理解の問題かも知れないけどね。謎解きの段階でエラリーが常識として持ち出す、ある知識を知っている日本人はあまり多くないように思うが。

  • 面白かった。被害者が身に着けている衣服から部屋の書棚や絨毯に至るまで、全てが逆向きになっているのが印象的。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラリー・クイーンの作品

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