翼をください 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.11
  • (195)
  • (250)
  • (98)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 2916
感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014769

作品紹介・あらすじ

新聞記者の翔子は、資料室で1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真を見つけた。翔子はプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザスへと飛ぶが……。

感想・レビュー・書評

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  • 会社の先輩が
    「まきちゃん、これ読んでみる?返さなくていいから(^-^)」
    と、上下巻2冊持ってきて下さった。

    有難い(T-T)
    持つべきものは読書好きの先輩だ。

    この先輩からは、もう何冊も本をお借りしているのだが、本のセンスが良いのだ。

    私はバッタバッタ人が死んでいく殺人事件を好むのだが、この先輩は違う。
    とても美しい物語を好むのだ。

    この本も、絶対に自分が読まないだろうなぁと思うジャンルの本だった。
    太平洋戦争付近の時代は、時代的にも苦手だし、戦争がチラつくと、その物語をシャットアウトしたくなる自分がいる。

    せっかくお借りした本なので、苦手でも読み進めてみた。
    まずはアメリカの女性パイロットの話。
    そして、同じ時代の新聞社のカメラマンの話へ続いていく。

    ノンフィクションなのか!?と思うほどの圧倒的なリアリティ。


    今日は車の点検で、1時間ほどの待ち時間がある為、下巻もバッグに忍ばせてきた。
    今上巻が終わったので、さて下巻を、、、
    と思ったら、別の原田マハ先生の作品だった(笑)

    そう、先日naonaonao16gさんの感想を読んで、思わずポチった「生きるぼくら」を持ってきてしまった(-。-;

    アホや、私(-。-;
    こっちを先に読むか、、、
    うーん悩める(笑)

    • bmakiさん
      naonaonao16gさん

      すっかり遅くなってしまってすみません。
      ちょっと会社で嫌なことがありまして。。。
      読書どころではなく...
      naonaonao16gさん

      すっかり遅くなってしまってすみません。
      ちょっと会社で嫌なことがありまして。。。
      読書どころではなくなってしまいました。

      やっと読み終わり感想載せました。
      naonaoさんとは全く別の感想を持つことになりましたが、読書後にまたnaonaoさんの感想を読んでも、やっぱりnaonaoさんの感想って面白いなぁって思いました(^^)

      素敵な本を紹介して下さり、ありがとうございました(^^)
      2022/06/04
    • naonaonao16gさん
      bmakiさん

      こんにちはー!
      お仕事大変だったんですね…お疲れ様です…
      レビューって心身落ち着いてないとなかなか書けないですよね…

      い...
      bmakiさん

      こんにちはー!
      お仕事大変だったんですね…お疲れ様です…
      レビューって心身落ち着いてないとなかなか書けないですよね…

      いや~
      ちょっとほんとに擦れてんなぁと思いますが、自分のあのような感想をそんな風に言ってくれる方がいらっしゃるのは嬉しい限りで、飾らずにこのまま生きていっていいんだなと、自己肯定感が上がりましたよ!笑
      2022/06/04
    • bmakiさん
      naonaonao16gさん

      こころ穏やかでない時は、なかなか読書していても心ここに在らずで。。。
      頭に文章が入ってきません(>_<...
      naonaonao16gさん

      こころ穏やかでない時は、なかなか読書していても心ここに在らずで。。。
      頭に文章が入ってきません(>_<)

      飾らずに、そのままの感想を書けるのって、本当に素敵ですよ(^-^)
      私なんて、人の目ばかり気にしてますから。
      だから余計にnaonaoさんの感想って魅力的に映るんだろうなぁって思います(^_^*)
      これからもnaonaoさんのレビュー楽しみにしています!!
      2022/06/05
  • 澄みわたるようなマハさんの文章、大空への憧れ、情熱がひしひしと伝わってくる。エイミーの言葉「世界は一つ」、山田たちの世界一周にかける想い。開戦の暗雲漂う世界だから登場人物たちの志が輝きを放っている。
    しかし、コンピュータもなくレーダーも開発途上の時代のことだ。今とは飛行機の危険性は比較にならない。飛行機という高度な科学力の結晶をほぼアナログで制御しているのだからすごい。パイロットたちの熱い思いと技量には胸を打たれてしまう。下巻からどう山田たちとイーグルウイングの運命が交錯するのか。そして世界一周の行方は。
    これからの展開にワクワクがとまらない。

  • 記録用。

  • 浜田マハさんの史実をもとにした小説は、めちゃくちゃ面白いです。
    読み終えたら、どこまでが本当の話なのか、調べたくなります。
    グイグイ引き込まれて、途中で辞めらません!
    ぜひぜひ読んでみてください

  • 伝説の女性飛行士アメリア・イアハートの物語と、1939年(昭和14年)に4大陸・2大洋の世界一周飛行を成し遂げたニッポン号の物語を絶妙に組み合わせ、胸が熱くなるファンタジックなストーリーにした作品。

    アメリアをはじめニッポン号の搭乗メンバーは作品オリジナルの名前で出ているが、ルーズヴェルトや山本五十六など歴史上の人物が登場することによって、当時の世情や空気感がよく伝わってくる。

    ちなみに毎日新聞の作中名として出てくる暁星新聞というネーミングは、ニッポン号が世界一周飛行後に「暁星」と名前を変えて活躍し続けた事に由来していると思われる。膨大な資料を元に書かれたが故の粋なネーミングだ。

    アメリアとニッポン号。どちらも偉大な足跡を残したが、共通する「one world」の意志は、ウクライナ戦争やイスラエル紛争が起きている今こそ大事にしたい。

  • 4.0
    前半は面白かったですが、だんだんと重い感じになってきました。
    下巻でどう展開していくのか??

  • エイミーのように純粋に空を飛んで「世界はひとつ」を確認したい人、山田順平のようにカメラで世界で起こっている事を知らせたい人。そんなまっすぐな人たちを巻き込んでいく、国や軍の陰謀に悲しくなります。まっすぐに夢を叶えてほしいと思いながら下巻へ進みます。

  • 先日読んだ原田さんのエッセイの一つに、「三菱重工が開発中のMRJの試験飛行に発想を得て「翼をください」を書いた。」という記述があり、どうしても読みたくなってこの本を手に取った。(MRJの開発も「翼をください」の作品が書かれたのも15年ほど前のことだ。私もMRJの開発には興味を持って見ていた。)

    第二次世界大戦を迎える前の日本とアメリカ。当時のそれぞれの国内の市井の様子、雰囲気、人間性、政治状況といったものが肌身で感じられる描写。

    原田さんの史実に基づいた創作は美術関係が中心だけれど、本作は飛行機と飛行距離・世界一周への挑戦が主題となっている。いつもそう思うのだけれど、原田さんのこのような作品は自分が門外漢な分野の歴史的な事実を勉強するには持ってこいだ。私は日本の国産機「ニッポン号」が世界一周飛行をしたことすら知らなかった。まあ、どこまでが事実でどこまでが創作なのか?バカな私はわからなくなってしまうのだけれど。

    「上巻」の半ばまで読み進めると、本当にアメリカンな雰囲気や日本の昭和初期のエネルギッシュな(まだ軍国主義は一般市民にはそれほど浸透していない)社会を背景に、登場人物たちの生き生きとした活躍にのめり込んでいく。

    そして戦争へと向かっていく現実の社会に抗うように、世界一周へと挑んでいく登場人物たちの意気込みや悲哀が感じられる。

    このあと数年で日本は悲惨な戦争へと突き進んでいくと思うと少し悲しくなるのだが。

    この後どうなるんだ?と思っているうちに「上巻」が終わってしまう。心憎い演出。

    そして「下巻」を読み終えて、

    この作品のストーリー自体はとてもシンプルで、ハートウォーミング。私でも予測可能な展開だったと思うのだけれど、第二次世界大戦の足音が迫ってきている情勢の織り交ぜ方が「さすが」と言わざるを得なかった。

    そして「翼をください」のストーリー全体に流れている原田さんの想いがとても嬉しかった。それは「世界は一つ」という信念のようなもの。この想いがこの作品全体を書き上げる原動力になっていたのだと思う。

    2023年2月。大変残念な事なのだけれど、三菱重工からMRJ開発事業からの撤退が公式に発表された。

    原田さんが「世界は一つ」という思いを込めてこの作品を描かれてから15年が経っている。この15年の時の流れの中で日本はその経済力、人口構成、世界での発言力といったものを衰退させてきた。一方で現実の世界は中国等強権主義国家の台頭と他国への侵略、ポピュリズムと自国第一主義、貧富の差の拡大、パンデミック、戦争、といった事象が溢れかえってきている。残念ながら、徐々に「世界は一つ」という想いから大きく外れつつある。

    本作は出版されて15年経っている。世界は変わってきているのだけれど、そういった今読んでも、逆に半端ない読後感を得る事ができました。今、原田さんはどういうお気持ちなのだろうか?

  • エイミーが写りこんでいた『ニッポン号』は誰がどこで撮ったもの?誰が塗りつぶしたの?
    サラッとしているけれど、リアルさがある文章がとても好き。
    アインシュタインと第二次世界大戦の深読みをしてしまいます。

  • エイミーの活躍する話かと思いきや、さにあらず。太平洋戦争前夜の微妙な雰囲気を醸し出して上巻が終わる。このあと物語はどのベクトルに進んでいくのか。上下巻に分けたのは非常にうまい演出。すかさず下巻を読みたくなるように仕向けられました。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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