翼をください (下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014776

作品紹介・あらすじ

空を駆けることに魅了されたエイミー。日本の新聞社が社運をかけて世界一周に挑む「ニッポン号」。二つの人生が交差したとき、世界は――。数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • ハラハラドキドキと、頁をめくる読書の醍醐味を、久しぶりに堪能した。
    時は、太平洋戦争勃発直前の1937年。
    実在した人物がモデルの米人女性飛行士と、世界初の世界一周飛行を実現した『ニッポン号』の乗組員たちとのヒューマンストーリー。
    目標に向かっての堅い団結と相互の信頼感、むせかえるような青春の熱情、時には仲間とのユーモラスな交流、そんなエンターテイメントの粋が詰まっている。
    著者の作品では、『風のマジム』あるいは『生きるぼくら』などに連なる、人間讃歌の傑作。

    ヒロインの言葉。
    「同志の皆さん、私には、たったひとつだけ、必要なものがあります。・・・それは、翼です。もしも、許されるなら・・・私に、翼を」翼を、ください。

    ヒロインの打つモールス信号
    ラスト・メッセージ
      せかい・は・ひとつ

  • 太平洋戦争が始まる2年前。日本は純国産飛行機「ニッポン号」によって世界一周を成し遂げる。
    この飛行機には、7名の日本人が乗っていたが、誰も知られていない8人目のパイロットとして「エイミー・イーグルウィング」が搭乗していた。彼女は元々、アメリカで単独飛行や数々の記録を打ち立てていたパイロットだったが、世界一周飛行の挑戦している途中で行方不明となり、日本の海軍に助けられていたのだ。
    フィクションだが、実際にあった出来事を交えて描いているので、基盤がしっかりとしている。
    さらに自由さが加わって、とてもわくわくして面白い。一緒に大空へ飛び立っていくような心持ちになったり、隠れているシーンでは見つからない事を祈ったり、アクシデントが起こった時は読んでいる手に力がこもってヒヤヒヤしたりする。人物たちの感情に沿って進んでいくので、いきいきとした人物たちが魅力的だ。
    主人公は山田順平というカメラマンだが、泣き虫のため読んでいるこちらまで目に涙が浮かぶ。物語は、この山田に話を聞きに行くところから始まる。
    実際には、エイミー・イーグルウィングという人物は実在しておらず、アメリア・イアハートをモデルにしている。戦争直前の時代に、大空を自由に飛んでいた女性がいたことを初めて知った。
    とても素敵だと思った。

  • 長編の物語を読み終えたあといつも思うのは
    このセリフに出会うためにここまで読んだんだなってことだ
    このセリフを書きたくてここまで書いていたのかなとか勝手に想像してしまいます

    「誰かになあ、聞いてもらいたかったんだ。
    昔むかしの冒険物語をね。エイミーのこと、ニッポンのこと、むごい戦争があったこと。・・・ずうっとまえに、誰かをすごく好きになったこと。その気持ちが、今日までちっとも変わらなかったこと。何かも、全部あんたに聞いてもらった。待ったかいがあったよ」

  • 8人目の乗組員・・・・・(涙)。

    ホント、世界はひとつのなのだ。

    大空からみれば、地上のどこにも無粋な線なんか引かれてないのだ。

  • うん、ワクワクしない話じゃないんだけどね~。むしろ戦後の彼女の足跡とか知りたくなった。(たぶん実在の方は行方不明で終了なのかな?)

  • エイミーはアメリア・イアハートがモデル。
    飛ぶことに対するスタンスは今と昔でかなり違うと思う。
    けれど地上のしがらみ、差別、人間の汚さ、そんなの超えた飛行機を愛する気持ち、飛んだ時の自由さを求め飛ぶことに執着する姿は今と同じだと思う。
    そして、飛ぶことで世界をひとつにするだとか、もっと大きなのことを実現しようと、夢を見る姿も変わらない。

  • 期待値が高すぎたのか、いたって普通に感じた。
    史実とフィクションが混ざっているので、何が本当で何が作り話なのか曖昧だが、ニッポン号が初めて世界一周したのは史実だとしたら、日本てすごい。
    だけどあの時代は、いろんな思惑があったりしたんだろうけど、空を飛ぶ人たちの気持ちは、心から「One World」だったんだろうなと思う。清々しい本でした。

  • こ、これは…例えば永遠のゼロとはまた違う、史実×ロマン×使命が雄大に紡がれていて、私の語彙ではちょっと表現ができない。素晴らしい小説に出会ってしまった。また数年後、どこかへの空路で読もう。

    #翼をください #原田マハ

  • ニッポン号が実在すると知らずに読んでいた。
    この時代ならありえる、8人目か9人目の乗組員になったつもりで頭の中で一緒に飛んだ気分になった。
    ニッポン号が実在するとわかり改めて感動した。

  • 昨年図書館で借りて読んだけど、すごくステキな本だったので、自分の手元に置いておきたくて購入。
    祥子も言っていたけど、自分も世界一周旅行に出た気分になれる話。最後の別れのシーンではやっぱり涙が出た。

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著者プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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