刑事マルティン・ベック 煙に消えた男 (角川文庫)

制作 : 柳沢 由実子 
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 68
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014806

作品紹介・あらすじ

取材でハンガリーを訪れたルポライターが消息を絶った。単身ブタベストに飛び、同僚からの情報を頼りに捜査に当たる刑事マルティン・ベック。だが、やがて執拗な尾行者に悩まされるようになり--。

感想・レビュー・書評

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  • 刑事マルティン・ベック第2作。1966年に刊行されたらしい。

    あらすじ
    スウェーデンジャーナリストが、ハンガリーで行方不明になった。当時は「鉄の向こう側」と呼ばれていた国。ベックは、夏休み返上で捜査にあたる。ヴァルモス・スルカというハンガリー少佐とも出会う。

    ハンガリーが共産圏だったことも知らなかった。相変わらず捜査はスローで地味。ベックが、ハンガリーからスウェーデンに帰ってきて、マルメの警察にいたときの、警察同士の雑なやりとりが好きだ。

  • ハンガリーの首都ブタペストでスウェーデン人のジャーナリストが失踪した。夏休みに入ったばかりのマルティン・ベックは諸事情により嫌々ブタペストへ向かう。

    寒いスウェーデンから暑いブタペストへ。鉄のカーテンの向こう側、外交的な理由から身分を明かして大っぴらに捜査できないベック。

    馴染みのないブタペストでもマイペースなベックが味わい深い(笑)

  • 60年代スェーデンの警察小説。電話すると言えば公衆電話か置き電話、スマホもパソコンもない、書類を巡り、何かがあると場所には足を使って赴かないと行けない、そう言う時代、現在とは捜査の手間のかかり方が違うのは当たり前なのだが、時代を感じさせて古臭い、と言う感覚を一切抱かず一気に読破。ハンガリーに取材に出かけた雑誌記者が消えた。事件はたったこれだけである。当時の政治情勢が関わって、一人の人間が他国で行方が分からなくなった、と言うだけの事が国家間の政治問題に発展しかねない時代、と言う事で優秀な警察官であるマルティン・ベックに「秘密裏に動いて行方を探せ」と言う一見スパイの様な職務が言い渡される。が、ベックはいつも通り飄々と乗り気じゃない捜査に出向いていく。
    ベック側から読み進むと「男が消えた」と言うだけで秘密裏に大袈裟にする必要があるのか、乗らない仕事だな、休暇中に呼び出されて駆り出されてる俺は…とやる気削がれる事この上ない。ハンガリーに渡り、行方不明の記者の痕跡を追っていく中でも、血沸き肉躍る危機又危機、と言うアクションも殆どない。ただベックは警察官の勘でポイントだけを抑えていく。淡々と。パソコンがない時代なので、自分の捜査の裏付けをするのにお馴染のコルベリなど、スェーデンにいる仲間に「調べるポイント」だけを国際電話で依頼し、ベックの職業的洞察力を裏付ける証拠を固めてさっさと母国に帰って行く。
    犯罪を行っている者側から考えると、なんだか解らないが探っている奴が居て排除しなければ自分たちの身が危ないと言う危機感だけで彼を排除する、と言う身に迫った止むに止まれぬ状況下になる訳だが、ベックは捜査で歩くついでにハンガリーと言う国の観光地を回るルートを取って見たり、まるで緊迫感を感じさせない。彼は根っからの真面目で優秀な警察官でありながら、がむしゃらさとか一生懸命さと言う感情を高める事でミスをすると言う事がない男なのである。
    実に合理的なんである。捜査に支障を来さないのであれば遠回りも計算できるし、余裕と言う表現よりやっぱり「合理的」と言う言葉がしっくり来る。
    人間の集中力は45分ほどらしい。仕事をしてると解るが、一瞬きわめて集中してしまうと脱力時間がやって来る。その時間を上手い具合に「さぼっている」様に見えない様に計算出来て初めて「職業人」として一定のレベルをキープ出来ていると言えるんじゃなかろうか。ベックは飄々とそれを行っている。
    解り易いヒーロー像とは程遠いのだが、職業人として実にカッコいいのである。

  • やっぱりおもしろい。刑事たちのキャラが最高。

  • 5月30日読了。図書館。

  • DVDをレンタルする前に読了

  • 年に1冊、新訳が発売されている「マルティンベック」シリーズの第2作目。わりと地味目のお話です。
    当時のハンガリーという国の状況がわかってないと、ちょっとピンとこないかもしれません。
    新訳版の訳者あとがきには、マイ・シューヴァルのインタビューも載っていて、ファンには嬉しい裏話もあります。

  • 2016/04/20読了

  • 2016/04/20読了

  • マルティン・ベックシリーズ第二弾は、やや巻き込まれ型のスタート。異国の地で姿を消した男を探すベックだが、有力な手掛かりはなし。ブタペストの歴史や風景に魅せられながらの捜査はどこか旅情的。

    今回も地味な捜査です。細い糸を手繰り寄せ、勘を信じ、徐々に真相に辿り着く。同僚のコルベリ、そしてブタペストのスルカ少佐がいい味を出してる。後半に転調し、いろんな事実が明らかになるが、読んでるこちらに緊迫感はなく、最後までマイペースでじっくり読んでいた。この安定してる感覚が好き。

    タイトルもよく合ってる。結果的にはそういうこと。意外な結末へのプロセスがこれまた地味だけど、警察小説の魅力を再認識させられてなーんか癒されるのよね。

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プロフィール

1935年、ストックホルム生まれ。雑誌記者・編集者を経て65年から10年間ペール・ヴァールーとマルティン・ベックシリーズを10作書き上げる。ストックホルムに詳しく、マルティン・ベックシリーズの陰の主役ストックホルムの町と人々の暮らしの卓越した描写はマイの功績。現在ノルウェー語、デンマーク語、英語の翻訳者。

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