いつか他人になる日 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 81
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014899

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  • 「いつか他人になる日」
    三億円。


    560作を超え、累計発行部数3億部も超え、未だに新作を書き続ける赤川次郎氏。全ての作品を読みきることは不可能(三毛猫ホームズシリーズだけは、押さえたいところだったが、これも道半ば笑)だが、ちょこちょこきになる題名やあらすじのものは読んでます。


    本作は、5年前悪名名高いN電工から3億円を無事に盗んだ早坂を始めとする5人の共犯者が、お金を分け合うところから始まります。見知らぬ他人同士になるという誓いの下、各々の生活に戻って5年後、未だに早坂達は捕まっていない。しかし、ある日、早坂の会社の前でバイク事故が起きた。その被害者は、早坂と一緒に3億円を盗み出した仲間の1人だった。関係を絶ったはずが、早坂の周りでは少しずつ変化が起き始める。


    もうばれないだろうと緊張の糸が切れかけていた早坂を襲う偶然のバイク事故から募り出す不安、その不安が的中したのか早坂は、次々とかつての仲間に遭遇し始めます。とにかく仲間の周りの関係者もキャラクター付けされており、早坂以外の4人のエピソードも豊富です。こんだけありゃ、500ページも超えますね。


    次から次へと坂道を転がるようにイベントが起き、展開がスピーディ過ぎる笑。赤川次郎作品だと、よくあるこの転がり具合ですが、これだけ登場人物が多い中でこのスピードは、作品の中でも随一じゃないですかね?笑


    赤川次郎作品のもう一つの特徴と勝手に思っているのは、人間関係とりわけ恋愛関係を絡めてくるところ。やたら惚れられる男子が出てくるのも、やたらすぐに恋に落ちる女子が出てくるのもよく出てくる。惚れ薬でも女子に飲ませてるんじゃないかと疑う。


    今回は、特に凄い。20組のペアが出てきて、片思い、不倫、二股、両思いなど種類も豊富。内、片思いは3組あり、二股と不倫が8組。夫婦でも、死別している夫婦3組と老夫婦を除くと、不倫をしてないペアはゼロと芸能人も真っ青な修羅場なのです。また、やたら惚れられるのは、早坂であり、女社長やら未亡人やら女子高生やらなんでもござれ。どうなってんのレベル。


    肝心の果たして早坂達は捕まるのか?は、読んでのお楽しみですが、恋愛関係がもつれにもつれ、イベントも畳み掛けるように起きて、このイベント必要?とか、これこんな終わりで良いの?とか色んな疑問が湧いてきます。


    いままで読んだ赤川次郎作品の中では、ダントツにごちゃごちゃしてます。え、え、え、と繰り返して言っちゃう笑

  • 5人で3億円を強盗。他人どうしになったが、再び色々な事件で出会う。強盗事件から色々な事が展開していく。はらはらドキドキ、後半は一気に読めた。

  • 面白かった!と言う感想が読み終わった後、一番目に出ました。
    主人公が泥棒で、しかもそれが「いい奴」ですっごくカッコいい、、、そんな設定は伊坂幸太郎作品のステキな泥棒、黒澤を思わせるものがありました。
    いつの間にか、主人公の早坂に感情移入。
    お金は5人で盗んだけれど、この5人。
    みんないい人で、そのお金をなんとか自分のものにしようと企む周りの悪い奴らと、いうのも、どこか間が抜けていたり、切なかったりと、それぞれの事情があって、トコトン憎めないキャラたち。
    いっぱい人が死ぬのですが、読了感はなかなか爽やかなものだったのは、こうしたキャラたちの「精一杯の優しさ」なんだと思いました。
    ところどころのご都合主義もあるのですが、底はそれ、小説ということで、エンタメとして大目にみて。

    赤川次郎って、痛快な本も書くし、
    人情も描けるし、
    これからも目が離せない作家の1人ですね!!!

  • 3億円を盗んで5人で分け、その後他人になるはずだったが。

  • ある5人で強盗した3億円を分け今後、赤の他人としてそれぞれ幸せを手にするはずだった…
    被害者が生まれない犯罪なんてはない!ことや、何処かで人と人の繋がりが有ること等、終盤になる程先が気になる作品。
    ドラマ化すると面白いかも。その際5人が、どういった形で選出されたのかを知りたい。

  • 秘書の落合さん、魅力的!

  • 3億円を盗み出した男女5人。その後は、他人を押し通してきたが、5年後に仲間のひとりが不慮の死に逢う。止まっていた時間が動き出して、仲間たちが出会うことに。

    有り余るお金は、やっばりひとを不幸にするんですね。どんなに表面的に繕っても、自分の器以上に大きなものは、はみ出してしまい、隠しきれないものになる。

    相変わらず、赤川次郎さんは読みやすいです。そして、長編も楽しい。

  • 5年前の強盗事件後、何も関わりを持たずにいた5人の犯人達が、ある事件をきっかけに繋がりを持ってしまうという、設定からしておもしろそうな作品。
    読んでいるというよりかは映像が流れていくようにテンポよく、他のミステリーとは違う爽快さがありました。

    徐々に5人の人物がいろいろな場面から繋がっていくのがおもしろかったのですが、終盤になるにつれて、よく出来すぎて不自然さを感じてしまったことが残念でした。
    それでも、最後まで飽きさせない展開やスピード感、更にはあんなに沢山の登場人物がでてくるにも関わらず読みにくさがない各キャラの完成度が作品をより素敵なものにしていると思います。

  • “共犯者”に関わった人々が三億円という大金に振り回され、やがて“他人になった”はずの五人が線で繋がる。
    驚くような結末や伏線の張られた展開はなく、物語は淡々と進むのだが、一日であっという間に読み終えてしまった。

    誰も傷付けずに盗んだお金で、幸せになれるわけでもない。
    偶然ではなく、必然的なミステリー。

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