無印良品の、人の育て方 “いいサラリーマン"は、会社を滅ぼす

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015209

感想・レビュー・書評

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  • 環境で人材を育てるという考え方から、
    ジョブ・ローテーションや海外研修を行ってるのは印象的だった。
    ただ仕事を標準化として、すべてのレギュレーションを作成し、誰でもその仕事ができるのを強調してるから、社員の自主性やクリエイティブ性を低くしてるのではないかと思った
    (業界的に合ってるかもしれないが)

  • 無印良品の商品には不思議と惹かれるものがある。関連する本も多く、整った暮らしとセットで見かけるので、憧れもある。無印の秘密は何か。社員たちは無印良品ブランドを愛している。だから辞めない訳ではない。成長させる仕組みと、腐らせたり飽きさせたりしない仕組みがある。「仕組み」で動いていることがわかる。人に仕事をつけるのではないというように、誰でもできるマニュアルを作り、プラスアルファの人間性を磨くためのヒントがこの本に書かれていた。異動が多く、若い時からさまざまな経験をさせることが刺激となり、個々の能力が発揮される集団。リーダーはどうあるべきか。当たり前のことを当たり前にやる。率先してやる。謙虚にやる。仕事だけでなく、家庭などの人間関係においても取り入れたら良いと思える行動指針が示されていた。

  • 仕事で後輩ができ、研修の担当になったことで手に取ってみた本。
    文房具はじめ無印良品にはお世話になっているので、私にとっては読む抵抗の少ない本でした。

    人を育てる、ということ。マニュアル(標準書)とかの活用をしていることは全体を通して、わかりました。
    異動が多いとか、結構突然に逆境に立たされるとか、自分で問題解決をさせていく理由とか。無印良品という企業のコンセプトとビジョンを理解していてかつ好きだという人が集まるからそこ、できるのだと。そしてそういう人が集まるからこそ、企業が社員を信用した研修が運営ができるのだろうなと思いました。

    人とのコミュニケーションの点でも、参考になることは多く。さっそく自分の仕事に(後輩の研修以外にも)活用できるかと思いつつ……作中にもあったけれど、そうすぐに活用できるなんてことは無いんですね。トライ&エラーでやっていこうと思いました。

    そして私が無印良品の消費者として感じたことは、「案外泥臭いんだなぁ」ということ。良い意味で!
    シンプルなコンセプトとデザインなので、何から何まで美しい綺麗なイメージでした。きっとそうやって社員も育てているのだと。
    しかしこの本を読むと、「おぉ…」と感じることも多くありました。私のことばでは、それを「泥臭い」と表現しました。
    ですが、ゆえに美しくシンプルだと同時に感じるのです。徹底的に考え抜いて作った研修内容やマニュアル。しかし短いスパンで現場の声を拾いあげ修正を繰り返していく。美しいな、と思うのです。
    明日から、無印良品で「働く人」にちょっと注目してしまう、そんな本でもありました。

  • 無印良品の、人の育て方 “いいサラリーマン"は、会社を滅ぼす2014/7/11 著:松井 忠三

    「働きがいをどうつくるか」は、「どう人を育てていくのか」という話にもつながり、これが本書のテーマとなる。人事制度や人の育て方について、無印良品流のノウハウが公開されている。

    本書の構成は以下の6章から成る。
    ①無印良品は、なぜ離職率がこれほど低いのか
    ②絶え間のない、しなやかな異動で人は育つ
    ③若手社員を折れない社員に育てる仕組み
    ④自分でなんとかする力を強化する一つの方法
    ⑤チームワークはつくるのではない。育てる。
    ⑥モチベーションを引き出すコミュニケーション術

    人間育成をするために必要なのが「修羅場体験」とある。
    本書に取り上げられている「修羅場」はまさしく「修羅場」新卒3年目の人に店舗の長を任せたり、何もない海外に一人で単身赴任させたりと「修羅場」なのである。

    そして、フォローはあるのかないのか。当事者がしっかりと考え、助けをしっかりと掴み、もしくは助けはないものの自力で解決し、一皮向け、成長し続けるというサイクルが行われている。

    どれもがうまくいくわけない。一握りの成功者だけだろうと思ったが無印良品の極端なまでに低い離職率がそれが全社的に行われて浸透していることを意味している。

    採用の段階でもしっかりと、無印の信念を理解した人が入っているので、入社後にそれまでの自分がいだいていたものとのギャップが少ないというのはその要因であるかもしれないが、それ以外にも多くの秘密がこの会社にはある。

    会長により公開されたノウハウもそのまま自社に入れ込むことはできない。その模倣性が難しいところに同社の強みは存在している。

  • マネジメントやリーダーシップについて書かれたビジネス書と思い購入したが、内容は無印良品で実践されている人材育成の仕組みについて主に書かれている。
    上司としての姿勢を学ぶつもりで手にしたので目的とは違ったが、部下を育成する仕組み作りには活用できるエッセンスが多いと思った。

  • ★現場=店が教育の中心になっているから強い。

    ★教育制度を作る人やマネージャーに参考になる。

    ★社員の声が載っているのがよい。

  • 会社の仕組みを変えれば働きがいも出てくる。

  • 私の勤め先も保守的な大企業で、属人化から標準化へ昇華できずに人事ローテーションがなかなかうまくいっていない。(大きな異動はできない)

    ◼︎概要
    会社にとって資産である人材の育成には「逆境、修羅場体験」が不可欠。流行り物に真実はない。

    それを社員が納得するような体制作り(現場が困らないような、マニュアル化といった異動しやすい土台。上司の個人的感情を人事評価につながらないように防ぐ仕組み…など)の紹介や背景にある「人を育てる」ことへの考え、思想が綴られている。

  • 無印良品(良品計画)会長である松井忠三氏の、マニュアルに捕われない人材の育成哲学です。

    無印良品は、全店舗共通のマニュアルを作っていることが知られています。
    一般的にマニュアル化は、マニュアル人間をつくりだすだけ、と敬遠されることもあります。
    ところが、本書を読む限り、無印良品はマニュアル化を強みにして、むしろ自発的な社員の育成に成功しています。

    それが可能なのは、どうやら、マニュアルを「上から指示されてでやらせれる仕事」のようなトップダウンのものではなく、「自分達で自発的につくりだすもの」といったボトムアップのものとしているからのようです。

    もちろん、そのためには、無印良品の精神を社員一人一人に刷り込ませる必要があるわけです。
    本書で書かれている内容が、そっくりそのまま無印良品社員の育成に使われている、わけではないのでしょうが、少なくとも松井会長の哲学が表されています。

  • タイトルが軽いビジネス書っぽかったので、立ち読みで読んでしまったが内容の濃く良書だと感じた。
    「人を大切にする」ということを口で言っているだけかどうかは、従業員満足度あるいは離職率に現れると感じる。口だけ企業が学ぶべき点が多いと思う。

    〈働き続ける理由〉
    1、ブランドが好きで入社した人が多い
    2、内部採用で育てた人を正社員にしている
    3、働きがいを感じる職場作り
    →全て、3が鍵を握っている。

    〈店長になるための研修が入社後1年半から始まる。マネジメントサポとブックを利用する。「人は自分に取って何らかの意義やメリットを感じられないことに関しては、積極的に力を注ぎません。・・・〉
    マニュアルに、人間の原理から書かれているところが大きい。単に業務手順書にならないことがどれほど重要か。そして、すぐに責任を持たせることがどれほど人を育て、組織のためとなるかがわからない人が多い。

    〈マクドナルド理論〉
    最初に何でもいいからアイディアを出すと次々にアイディアが出る。だけど、その最初のアイディアを出した人はたいてい評価されず、その後塗り替えた人が偉そうな顔をしているケースが散見する。
    稚拙でも最初の一歩は認めるべきだ.

    〈リーダーに必要な基本的要素〉
    ・メンバーを束ねられる
    ・物事の本質が見えている
    ・生涯を乗り越えられる
    ・仕事を納期までに着地、完成させられる
    理想的なリーダー像はない。なぜなら、人によって、組織によって理想像は変わってくるから。
    納得。

著者プロフィール

株式会社良品計画前会長。株式会社松井オフィス社長。1949年、静岡県生まれ。73年、東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、西友ストアー(現・西友)入社。92年良品計画へ。総務人事部長、無印良品事業部長を経て、初の減益となった2001年に社長に就任。赤字状態の組織を風土から改革し、業績のV字回復・右肩上がりの成長に向け尽力。07年には過去最高売上高(当時)となる1620億円を達成した。08年に会長に就任。10年に株式会社T&T(現・松井オフィス)を設立したのち、15年に会長を退任。

「2021年 『無印良品の教え 「仕組み」を武器にする経営』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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