ダスト (下) (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015476

作品紹介・あらすじ

サイロ18は、シャットダウンされた。わずかな生存者と逃げ延びたジュリエットだが、大勢の命が失われた。その頃、サイロ1ではドナルドとシャーロットが、世界征服の野望の前に立ちはだかろうとしていた−−。

感想・レビュー・書評

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  • サイロ三部作の完結編。失ったものは多すぎるが、わずかながら希望が感じられるいいラストだったと思う。

    下巻はサイロ17サイドの展開が少し雑に感じて残念だった。脱出組に加わらなかった人たちのフォローとかもう少し欲しかったな。逆に信者たちのエピソードはいらないと思った。
    サイロ1サイドはシャーロット中心になり、ほとんど思い入れのないキャラなので戸惑った。その点、さほど出番は多くないけどダーシーは良かったな。

    すべての謎が明らかになってスッキリするかと思いきや、さらに謎が深まったこともある。
    サイロ40の人たちはガス管を閉じたりとうまく立ち回っていたようなのに、なぜ防護服を改良して外に出ようとしなかったのか?ジュリエット達は廃墟に残された資材であそこまで出来たのに。
    サイロ17は毒ガスの代わりにナノマシンが散布されたおかげでソロたちは病気せず、最上階の死体は腐らなかったという。でもソロが昔サーバールームで撃ち殺した死体は??他にもサイロじゅうに骨が転がっていたはず。ナノマシン濃度の問題?

    解説が3部作をトライアスロンに例えたり、SHIFTでややダレるとかぶっちゃけてて面白かった。

  • 「WOOL」「SHIFT」「DUST」三部作全6冊ついに完結!

    「DUST」は、前作「SHIFT」とうって変わって全編怒涛の展開!
    局面がどんどん変化して、ハラハラ感も昇りっぱなし。

    「DUST」で描かれるテーマの一つは、相互理解。
    それぞれの環境や経験から学習できている下地がせず、疑心暗鬼から生まれるまどろっこしさは、文明・文化の違う個人・集団・世界との相互理解の難しさを物語る。

    (以下少しネタバレにつき、注意)
    また、この物語の「神」「宗教」というものに対する考えが、印象的。
    「神」とは、自分の信じたい世界であり、誰か(この作品の場合、最初の三人の計画者と人工知能)の作為により自由に生み出す(幻想を抱かせる)ことができると暗示しているのか(ノアの箱舟<サイト>がただ1隻のみ生き残ること、その漂着先も決められていたとすれば……)。
    最後の1隻で生存した人々にとっては、自分たちだけが最初から「生き残り」である。
    他に滅びた<サイト>のことは知らず、漂着先に用意された楽園も「神の思し召し」となる。

    そんな「作為」に抗って自ら道を進む主人公たちの行為は、計画されていない未来。
    その先にあるのは「再生」なのか「破滅」なのか……なんてことも、頭に浮かんだ。

    けっこう“積み残し”もあるが、「えー!」「どうなっちゃうの?」と、止まらない物語でした。

  • ウールシリーズをやっと読み終えた。この下巻ではスピード感と緊迫感が復活して、終わりに向かう加速度を感じる。
    まあ、こういう終わり方しかないのかな。
    愚かな支配者を乗り越えていく開拓者を見た。

  • アメリカの作家「ヒュー・ハウイー」の長篇SF作品『ダスト(原題:Dust)』を読みました。

    2年前に読んだ『ウール』、先月に読んだ『シフト』続篇となる作品です。

    -----story-------------
    バランス感覚、背筋のピンと伸びた清々しい登場人物たち、ページをめくらせる抜群のエピソード、やっぱりどうしたって面白いのだ。
    ――「池澤春菜」(本書解説より)

    〈上〉
    滅亡後の世界、サイロ三部作の圧倒的完結編!

    一度出たら生きて帰れないといわれる外界から帰還し、サイロ18の市長となった「ジュリエット」。
    発見した別のサイロに取り残された人々を救うため、トンネルの掘削を始めるが、市民の反発は強く、司祭は掘削機を悪魔と言い放った。
    一方サイロ1では、「ドナルド」がそれぞれのサイロの命運を思い一人苦しんでいた。
    危機を「ドナルド」の仕業と思い込む「ジュリエット」。
    そしてトンネルが貫通した時、再びサイロ18に危機が訪れる――。

    〈下〉
    人類の生存と解放のための闘い。
    サイロ三部作、圧巻の完結編!
    孤独な闘いののちに浮かび上がってきた、地図の存在。
    希望か破滅か――。
    シリーズ三部作・圧巻のクライマックス!

    サイロ18は、シャットダウンされた。
    わずかな生存者と逃げ延びた「ジュリエット」だが、大勢の命が失われた。
    その頃、サイロ1では兄を捕われ、絶望的に孤独な闘いを強いられた「シャーロット」は他のサイロとの通信を試みていた。
    人類を滅亡寸前に追い込んだ男から身を守るために。
    一方、サイロ17を救出しようという試みは失敗し、「ジュリエット」は閉じ込められていた。
    通信する生存者二人が接触した時、ひとつの地図の存在が明らかになる。
    希望か、破滅か。
    「シャーロット」は世界を滅ぼした男の正体を明かすが。
    サイロ三部作、圧巻のクライマックス!
    -----------------------

    サイロシリーズ三部作の第三部にあたる作品… 三部合計で約1,900ページの大作も、いよいよクライマックスです。

     ■第一部 掘る
     ■第二部 外へ
     ■第三部 故郷
     ■著者あとがき
     ■謝辞
     ■解説 池澤春菜

    第一部『ウール』で見えてきた謎、第二部『シフト』で明かされた原因を経て、気になっていた

    「ドナルド」は生き残っているサイロを、人類を救うことができるのか?

    「ジュリエット」と恋人「ルーカス・カイル」の運命はどうなる?

    サイロ17号に残された「ソロ(ジミー)」たちはどうなる?

    等々の全ての謎が解決… 全てがハッピーなエンディングではありませんでしたが、明るい未来が予感できる幕切れは好みだったし、最後まで興味を持って愉しく読めましたね。


    サイロ17号とサイロ18号の物語と、サイロ1号の物語が、関連しながら交互に進展、、、

    サイロ18号では住民の反対にあいながら「ジュリエット」が、サイロ17号に残された「ソロ(ジミー)」たちを救うために、地下を掘削してサイロを繋げるトンネルを作ろうとする… さらにサイロの外の環境の調査を始め、サイロに近いエリアが空気も土壌も汚染されており、サイロから離れたエリアの方が汚染されていないことに気付く、

    その頃、サイロ1号では「ドナルド」と妹「シャーロット」が、サイロを救うための行動を始めており、「ドナルド」は「サーマン」に成りすまして権力を掌握するが… 殺害して強制冷凍したはずの「サーマン」が蘇えり、「ドナルド」は囚われの身になってしまい、「シャーロット」は独りで闘うことになる。

    サイロ18号とサイロ17号を繋げるトンネルは無事に掘削を終えるが… その直後、「サーマン」の指示により、サイロ18号はシャットダウンされてしまう、、、

    有毒ガスがサイロ18号に放出されたことを知った「ジュリエット」は、トンネルを使って一部の住民をサイロ17号に避難させるが… サイロ18号では、避難して追い詰められた住民による物資や食料の略奪が始まり、「ソロ(ジミー)」や子どもたちは危険に晒されてしまう。

    「ジュリエット」は、このままサイロ内に留まっていれば、破滅は免れないこと… サイロから離れれば、屋外は安全であることに気付く、、、

    「ジュリエット」は、仲間とともにサイロを離れることを決断し、集会を開き、住民に真実を語り、一緒にサイロを離れるように説得する。

    サイロ1号では、夜警の「ダーシー」の協力を得て「ドナルド」を救出… 「ドナルド」と「シャーロット」はサイロの外への脱出を図ろうとする、、、

    しかし、余命が短いことを知っていた「ドナルド」は、恋愛感情が芽生え始めていた「ダーシー」と「シャーロット」の二人を脱出させ、自身はサイロ1号に残り、サイロを破壊することを決意… 「ダーシー」と「シャーロット」は、二人で脱出を試みるが、ギリギリのところで警備に気付かれ、「ダーシー」は身を挺して「シャーロット」を脱出させる。

    サイロ18号を脱出した「ジュリエット」や「ソロ(ジミー)」たち… サイロ1号を脱出した「シャーロット」、、、

    彼等は同じ方向を目指し、そして、ある場所で出会う… 予想を裏切らない、どんでん返しのない終わり方でしたが、これはこれで良かったですね。

    独特の世界観が愉しめる印象的な作品… 面白く読めました。



    以下、主な登場人物です。

    「ジュリエット・ニコルズ」
     サイロ18の市長。機械部出身

    「ピーター・ニコルズ」
     ジュリエットの父親。産科医

    「ルーカス・カイル」
     IT部長。ジュリエットの恋人

    「シャーリー」
     ジュリエットの旧友

    「コートニー」
     ジュリエットの旧友

    「ピーター・ビリングス」
     保安官

    「ウェンデル師」
     司祭

    「ソロ(ジミー)」
     サイロ17号の住人

    「エリース」
     サイロ17号の生き残り

    「ドナルド・キーン」
     サイロ責任者。元下院議員

    「シャーロット・キーン」
     ドナルドの妹。空軍出身

    「トム・ヒギンズ」
     計画委員会会長

    「ポール・サーマン」
     世界秩序五十作戦の立案者。元上院議員

    「アナ・サーマン」
     ポール・サーマンの娘。故人

    「ブレヴァード」
     警備主任

    「ダーシー」
     ブレヴァードの部下。夜警

  • 再読。ナノマシンの詳細が書かれていないせいで全体の説得力が弱まっているのが惜しい。宗教団体の下りは削った方がストーリーがスッキリしたと思う。ドナルドの選択が何ともやるせない。長い閉塞感の果てに訪れる、色彩溢れるラストが良い。彼らはこの先どう生きていくのだろうか。

  • 現実味のある人間の愚かさと、地球の生命力、そして希望。壮大な創造物の中をあっという間に旅しました。

  • 市立図書館にて。

  • 「DUST」(ヒュー・ハウイー:雨海弘美 訳)を読んだ。前作「SHIFT」を読み終わってからずいぶん間が空いてしまったので、あの(けっして愉快とは言えない)世界に戻っていくのにはありったけの気力を掻き集める必要があったのだが、読み始めたら止まらない。しかし長い長い三部作でした。

  • 3
    サイロ三部作の最終章。前回までにサイロの背景が明らかになってきて、その後のジュリエットやドナルド達を描いている。
    ナノ戦争後に、生存者を支配したかったサーマン達。世界を意のままに形作ろうなんておこがましい。サイロを脱出して、ナノマシン、毒の影響がない世界に出たジュリエット達が力強く生きていく。ダストでは若干だれてる感もあったがなかなか面白い小説。

  • この世界観にケリをつけるためにはこの終わり方しかないのかもしれないけれども、一作目にあたる『ウール』にあったドキドキ感は失われている。

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著者プロフィール

1975年生まれ。ヨットの船長を8年間勤めた後、結婚を機に陸に上がって小説執筆を開始。”Molly Fyde”シリーズで好評を博し、本作”Wool”シリーズではオムニバス版がアマゾンのSF小説部門でベストセラー1位を記録する快挙となった。フロリダ在住。

「2017年 『サンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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