子の無い人生

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.23
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本棚登録 : 349
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015568

作品紹介・あらすじ

酒井順子、はたと気づく。
独身で子供がいない私は、誰に看取られる?
『負け犬の遠吠え』から12年、未産女性の今とこれから。

30代は既婚女性と未婚女性の間に大きな壁がありました。
結婚していなければ単なる「負け犬」と思っていた酒井順子は、40代になり悟ります。
人生を左右するのは「結婚しているか、いないか」ではない、「子供がいるか、いないか」なんだと。
期せずして子の無い人生を歩む著者が、ママ社会、世間の目、自身の老後から沖縄の墓事情まで、子がいないことで生じるあれこれを真正面から斬る!

感想・レビュー・書評

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  • いやもう拍手喝采!まさに我が意を得たり、ですね。賛否両論あるようですが、気楽な既婚子ナシ族のみなさまには特におすすめしたい。別に悩んでもいないし傷ついてもいないけど、それってなんだかなあ・・・な子ナシあるあるが満載で、思わず吹き出しちゃうわ、そのすっとぼけた表現力や鋭い分析に感心するやらで、あっという間に読んでしまいます。それにしても、一歩間違えれば重苦しいテーマなのに、よくぞここまで軽やかに、飄々と書き綴って下さいました。後ろめたさを持ちつつも、子ナシの状況は一種の清々しさが伴う、とまで言い切る筆者に、よくぞ書いてくれたとお礼を言いたい。

  • エッセイですが社会問題に触れている部分が大きいかと、ジャンルは「社会」。

    確かに親を3人見送ってみたら、子供は看取り(後始末)要因だなというのはつくづく感じます。
    子なき自分は死ぬのはいいけど誰が諸手続きや片付けなどしてくれるのか、放置して置く訳には行かぬ遺体の始末は誰の手に委ねられるのか…何一つ自分でどうにもできないのはもどかしい。
    お金で解決と言ってもお金のない人はどうするのか、金で頼んだ人間が自分亡き後本当にきちんとしてくれる信用に足る人間なのか…結局、悩みは根本的には解決しようがありませんね。

    でも一つ言えるのは、ここにも書かれているように「老後のために」「自分の成長のために」子供を「創った」と豪語して憚らない人が私の回りにもいますが、そういう風な人間じゃなくて自分は良かったということです。

    サカジュンさんは、子供を持たなかった人生を何だか申し訳なく思っておられるようです。世の中は大人になれば子があるのが当たり前、子を持たぬ・持てなかった人でも欲しかった・持ちたかったという人の方が多いのかもしれません。

    でも今の世は、子を持つということについて、きちんと考えたことのない人が出来たからといって子を産み、きちんと育てられず虐待したり放置したりしているというのがたくさんあるように自分は感じます(確かに虐待してしまった全ての大人が浅はかだったり愛情が欠落しているわけではないですが)

    子がない暮らしをしていると「気楽でいいよね」的なことを良く言われます。心から腹が立ちます。時々見下されている感じも如実に受けます。
    どれ程悩み尽くしてコナシ人生を選んだのか、そう言う人にはわかるものかと思います。ま、語れるものでもないので仕方ないですが。

    コナシ人生を生きている自分ですので興味を持って手に取りましたが、サカジュンさんの本書のスタンスには共感できないところもかなり多かった。よくこのテーマに切り込んだな、と感嘆しますが、ずーっとモヤモヤしっぱなしでした。
    今後の著作にも注目して行きます。

    • vilureefさん
      こんにちは。

      この本は読んでいませんが、コメントに大いに共感して出てまいりました(笑)

      山口智子の「産まない人生」宣言も記憶に新...
      こんにちは。

      この本は読んでいませんが、コメントに大いに共感して出てまいりました(笑)

      山口智子の「産まない人生」宣言も記憶に新しいですが、「産まない」、「子の無い」といった選択肢だけが取り上げられて一方的に語られるこの社会に違和感を覚えます。

      私は考えた末に「子のある人生」を選択しましたが、これもごく個人的な問題で他人にとやかく言われることではないと思っています。
      逆もしかりです。

      子を持つ持たないの選択が話題にすらならない世の中はいつくるのでしょうか・・・。
      2016/07/07
    • ruko-uさん
      vilureefさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      本当にvilureefさんがおっしゃるように「産まない」「子の無い」...
      vilureefさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      本当にvilureefさんがおっしゃるように「産まない」「子の無い」方だけが語られることが当たり前の社会なのですよね。

      子供のある方でも、産んではみたもののやはり子供が好きになれなかったとか、子供を持つべきではなかったと悩まれている方も知っています。それもまた人には言いがたい辛さがあるようです。日常会話が誰とでも子供の話にしかならなくて辛いといったような、コナシ族には知りえない状況もあるようです。

      大抵子がある人は、またそれはそれでひとくくりにされて語られることも多く…結局女は子を持っても持たずともその問題に終生悩まずには生きられないものなのでしょうかね…

      子を持ってよかった、子を持たなくて良かったとどちらにしても、各々の人生を肯定して生きていけるのが一番ですよね…
      2016/07/09
  • 著者のナナメから目線によって、改めて、日本の女性たちが「子どもを産んで当たり前」プレッシャーにさらされているか、肌で感じられた。 有名人が40を過ぎて不妊治療に取り組んでいる様子を報告したり、テレビでもママタレ枠の壮絶な奪い合いがあったり。「こういう家族が理想だよね」押しつけがスゴいもんなー。一般人もSNSでこれでもかと見せつけてくるし。今や当たり前になっていることに、なんかヘンだなと気がつかせてくれた。

  • 既婚子ナシは負け犬に入る?
    今回は子なし族に(ネーミングが面白い)焦点をあててます。
    子どもは看取り要員として必要とか生涯独身女性は実家のお墓に入れない…など著者自身の切実?な思いいで書いたエッセイ。

  • 送れなかったもう一方の人生をどう捉えるか、という議論にも思える。もしあっちの学校に行っていたら、もしあっちの会社に行っていたら、もしあの人と結婚していたら、もし子どもがいたら(いなかったら)。それを考えたところで、何も生まれない。自分だったらどう考えるだろう。今の生活だからこそ得ていること、それを最大限生かす方法を真剣に考えるかもしれない。
    世間の風当たりや子無しハラスメントや周囲の目はとても気になるが、それらを凌駕するほどのテーマ、志、ミッション、熱中できる何か、情熱を向ける対象を持ちたいと思う。

  • うーーーーん。
    唸りながら読んだ。
    付箋貼りながら読んでたら、付箋だらけになってしまった。

    もともとオレは酒井順子の本は好きでよく読んでるんだけど、これは今まで一番ヘヴィーだったなー。

    『負け犬の遠吠え』よりも更に、奥深いところをついていて、ポリティカル・コレクトネスの問題もあり、非常に表現しにくいところを、明晰に、表現している。

    男がこれを書いたらアウトだろうけど、酒井順子だから、書ける。

    でも、女は子供を産むためにはタイムリミットがあるから、そこで色んな緊張が生じるけど、男は産む性じゃないから、子なしでもヘーキみたいなことが書いてあるけど、それは間違ってる。

    男だって、結婚してなかったり、子なしだったりしたら、周りから、不快なことを、いろいろ言われるよ。
    はっきり言ってそれは完全なセクハラなんだけど、男に対するセクハラは、より見えにくいから、たいへんなんだよ。
    男に関する記述以外は、ぜんぶ納得だけど。

    そうなんだろーなー、とか、あるよなー、とか思いながら読んでた。
    現在の時代状況を正確に表現してる。
    野田聖子ちゃんの記述とか。オレも彼女が書いた本を読んだし。
    それに安倍昭恵にインタヴューしたこととか。政治の世界なんて、野蛮な風習もいっぱい残ってるから、彼女はほんとうにたいへんだったと思う。

    酒井順子が途上国の貧しい子達に里親制度で献金をしていて、その子たちに合うために現地へ行ってみたら、インフラストラクチャもぜんぜん整ってなくて、貧しいんだけど、ある意味、日本人より幸せそうに見えて、考え込むカンジが、こちらにもよく伝わってきた。

    この人の洞察は、深いなあ。

  • こういうこと語り合える人は本当にいないんだよね。だから、この本に出会えて良かった。同じような気持ちを抱える子ナシが世の中にたくさんいるんだろう。そして、子ナシハラスメントを受けている。何が正解かなんてわからない人生。それでも、結局はこの社会の状況を受けてふわふわっと生きているんだなぁ。これが自分の意思じゃないと気付いたら悲しいけど、その場その場で考えてきたつもり、と自分を納得させよう。

  • 2016.6.15読了
    「子供は看取り要員」のために産んだわけでもないし考えてもいなかったけど、私は親を看取り、子は私を看取るのかと思うと、やっぱり一人では死ねないのだなと考える。子供を授かってもこうはなるまい!と思っていたことも、普通にやっちゃってるのかもしれない。耳が痛い話もあり、考えさせられることもあり。(図書館)

  • 子がいても「看取り要員」にすらならない家族もいるので、子あり人生は安泰かというとそうでもない。
    まぁそれでも、子がいるいないに関わらず、「一人でも安心して死ねる社会」ってのは理想ですね。
    センシティブな話題なのに、ユーモアを交えた軽妙な文章で書かれていて、ところどころクスッと笑わせられたり。普段から深くよく考えておられる人なんだなぁと。

  • 子供の世話にならずに老いたり死んだりするのは大変なんだなーと思った。子供がいないなら自分の老後と死後のプランをしっかり立てないと。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。立教大学社会学部観光学科卒業後、広告会社勤務を経て執筆専業となる。2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。『男尊女子』『子の無い人生』『女子と鉄道』『源氏姉妹』『枕草子REMIX』『an・anの嘘』『オリーブの罠』など、現代世相の分析から古典エッセイまで著書多数。

「2018年 『百年の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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