ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件

制作 : 駒月 雅子 
  • KADOKAWA/角川書店
3.28
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本棚登録 : 123
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015599

作品紹介・あらすじ

引退後、サセックス・ダウンズで養蜂を営むホームズは、養蜂場で助手の少年が死亡しているのを見つける。手記、日本での過去、イギリスでの現在……3つの事件からホームズの知られざる過去と苦悩を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 日本が舞台のホームズパスティーシュなんて…そんなの…見るしかないじゃないの…←

    老化予防に効果があるとされるロイヤルゼリーの研究と摂取に余念がないホームズも、御年93歳(!)。
    マインドパレスから情報を引き出す能力は衰え、歩行も杖を使って歩くのがやっと。盟友ワトソンや兄マイクロフト、レストレードやハドソン夫人は既に鬼籍に入り、言葉を交わすのは彼の面倒を見る家政婦とその息子のみ…。

    うーん、何かすごく哀愁漂う余生ですね…すごくシャーロック・ホームズ「らしい」余生の描写が寂しくも感心頻りだったのですが、一番読んでて切なかったのは、かつての明晰な頭脳の衰えを自覚して焦る彼の姿でした。
    最近読んだ他のパスティーシュが現役当時でバリバリ活躍してた頃の作品だったから、余計に感じたのかなー(T_T)

    「ワトソン君とはジョン、シャーロックと呼び合う仲だった」っていう告白に関してはちょっと唐突だった気がする。BBC版を意識したのかなとゲスな勘繰りをしてしまいました←

    日本のエピソードの必要性はあったのか…?とも思ったけど、ロイヤルゼリーの研究に余念がない、遠い異国の地に行くことを辞さない彼の「老い」への抵抗を語るエピソードとしては最適なのかな(今思った←)。
    それにしても、日本の描写がかなり違和感なかったのにはビックリ!この辺は映画で観るのが楽しみだな〜( ^ω^ )

    でも、アルモニカのくだりのホームズの淡い思慕に関しては、とってつけた感があるような気がしました。

    老ホームズと彼に憧れる利発な少年との交流パートがすごく好きなんですが、帯や内容紹介で少年を襲う悲劇がネタバレしちゃってるのはどうなのかなーと思いました。
    この部分が本筋ではないし、「その後」のホームズの心の変化にフォーカスしてるのは分かりますが、ミステリスキーとしては「何でそこネタバレしちゃうのん(°_°)」と思ってしまったのでありました。


    上でもちょっと書いちゃいましたが、内容まとめ〜( ^ω^ )Φ
    探偵職を引退後、サセックスの農場で養蜂の研究をしながら、家政婦とその息子と共に静かな余生を過ごしていたホームズ。
    戦後間もない日本を訪れた時の思い出。
    手記に綴られた「グラス・アルモニカ事件」の記録。
    そして、探偵の過去の活躍譚に胸躍らせる少年を襲った悲劇…。
    三つの物語が交錯しながら紡がれる、ホームズ最後の事件。

  • ホームズらしいコールドリーディングは嬉しかったが、作品自体としてはミステリーではなかったかな。タイトルで期待してしまった。

    とはいえ、物語の目指すところは明確だったかと思う。
    客観性に富んだホームズが老いて、主観的な問題を抱えていく様を描いていた。
    ホームズの理解の外にも沢山の事象が存在していることが様々と見せつけられている。
    私としては良い問題提起をした作品と思うのだけれども、ホームズが好きな人はどう思うのだろう。
    聞いてみたい。

  • ホームズのパロディ本。世界観は悪くないんだけど、事件がどれも面白くなくてホームズらしくないのが残念かな。

  • どうにも接点がわからないまま、淡々と進む。劇的な事件がないならば、ユーモアの要素がないと読み続けるのが苦しくなる。映画化されていたとは知らなかった。

  • 341

    2016年では121冊

  • 三つの時間軸が入り交じってるうえ、朧気な記憶の中をホームズ老人と共に徨ってるような感覚にさせられる文章だけれど、作品全体に流れる哀愁を含んだ透明な空気感が心地良い作品でした。

    グラス・アルモニカの音色に包まれた夕暮の花園。
    どこか喪失感の漂う戦後の日本。
    嵐が過ぎ去り、潮風に煽られながら人生の孤独が身に沁みる、サセックスの田舎の海辺。

    印象的な情景描写の中で、記憶や愛情、生と死といったものに翻弄されるホームズを通して、人間という複雑な生き物の人生の無常さが心に迫ってきます。

    canonicalなパスティーシュとはまた違った味わいのホームズもの。

  • ホームズ&ワトソンの子孫が活躍したり、ヒットドラマのようにホームズとワトソンが現代にいたら…というシャーロック・パスティーシュは数あれど、二度の大戦を生き抜いて老後をすごすホームズという設定には驚かされました。

    3つのストーリーが入り混じっていて、私には少し読みにくかったです。全体を通して、「老い」について書かれてあって、シャーロック・ホームズといえど、歳には抗えないというばかりでした。
    なぜ、戦後の日本を舞台にしてウメザキとの交流を描いたのかはわかりませんが、ロジャー少年との交流も含め、ホームズらしくないといえばそうだし、ホームズであっても歳をとって丸くなったとか人間味が出てきたとも言える。

    サブタイトルが、「名探偵最後の事件」とあるのですが、これはロジャー少年のことではなく、引退を決意した1902年の事を指すのだろうな、と思いました。
    だけど引退を決意するに至るくだりが何ともよくわかりませんでしたが。

    そのあたりも含め、映画ではどうなっているのか楽しみです。

  • 思っていたのたとちょっと違ってましたが、これはこれで。

  • アメリカの作家ミッチ・カリン、2005年発表の小説。シャーロック・ホームズを主人公にした小説。

    原作者コナン・ドイル以外の人が書いたホームズものには全く興味なかったのですが、偶々図書館で本書を手に取ってみたら、設定がなかなか興味深かったので借りてみました。読んでみて、しかし、かなり微妙な作品、と思わざるを得ませんでしたが・・・。

    93歳のホームズが主人公。第二次大戦直後の占領下の日本を訪れての旅から帰った所から始まる物語り、という設定にまず惹かれました。
    探偵業からは50年くらい前に引退、以来田舎に隠遁して養蜂と著述のみの生活を送っているというホームズ、自身の衰えを痛感しながらも、家政婦やホームズを信奉している家政婦の息子の少年の手助けを得て日々を送っています。
    タイトルに「名探偵最後の事件」とありますが事故は起きるものの、犯罪は起きません。ミステリー要素は皆無。過去の事件や日本への旅の回想を挟みながら、ひたすら孤独な老人の哀感が綴られていくだけの物語り。
    純文学的な味わいはあるものの、私はあまり面白みを感じなくて、かなり飛ばしながら読んでしまいました。ホームズ好きに向けた変わり種、という所なのでしょうか・・・。

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