- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041015636
作品紹介・あらすじ
日本から姿を消した人気作家・三宅。彼が遠い北の異国で亡くなったという知らせを受けた娘の志穂は、遺骨を受け取るため旅立つ。最果ての地で志穂を待ち受けていたものとは。異色のサスペンス・ロマン。
感想・レビュー・書評
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いつの時代だろう?言論統制をする首相に国外追放になって北欧にたどり着いた小説家の三宅邦人と日本に残された娘の三宅志保と孫の真由の周りで起こる事件を巡って北欧の小さな村の人達との交流や三宅を追い求める政府機関の人々との攻防は一気に読めた。
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再び戦前の帝国主義国家のようになってしまった日本を追放された作家と、その娘の生き方を描く。赤川次郎作品らしい明るく強くめげないヒロインと、正義を貫く市井の人たちの描き方がとても良い。ミステリではないが、伏線の活かし方も素晴らしかった。
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今の時勢にあまりにピッタシでひょっとしたら作者の赤川さんは予知能力があるの?なぁんて思いました。
いや、、、
恐怖政治のもと、言論は弾圧され、権力は腐敗していく中で、それに抵抗していく一握りの人間達が、実に鮮やかに描かれていました。
「こんな時代に、絶対させてはならない」と思う作品です。
赤川さんの作品としては珍しい政治色アリアリの本。
社会派小説って結構かた苦しくて読みづらいところもあるのですが、そこはそれ赤川さんのソフトなタッチに包まれながら一気に読む事ができました。
作者は、かなり今の世の中の動きに警戒をして、注意を促しているように思えてなりません。
本当に、作中のような時代は「エンガチョ」です。
読み終わった後の一言は「絶対、独裁国家に日本をしてはいけないよね」と言うものです。