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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041015650
作品紹介・あらすじ
七月のある日「郵便」を発見したぼくの胸がきゅんとするやりとり――(「郵便少年」森見登美彦)など、夏をテーマに大島真寿美、瀧羽麻子、藤谷治、森見登美彦、椰月美智子が競作。きらきらの刹那を切り取る
感想・レビュー・書評
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夏のさわやかな空気を感じられるアンソロジー。お目当ての森見さんの作品は、入浴剤付き文庫に収録されていたもので、『ペンギン・ハイウェイ』の番外編。読めていなかったので、この本で読むことができて嬉しい!相変わらず、アオヤマくんは可愛い。
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今年の夏に読もうと決めていたのに、
のんびりしていたらもう秋。慌てて読みました。
#郵便少年 森見登美彦
郵便屋さんに憧れるアオヤマくんと、ヒサコさんのかわいい交流。
#フィルムの外 大島真寿美
映画のロケ現場になった、お向かいの家。
ひと夏を一緒に過ごしたぼくと由奈。
#三泊四日のサマーツアー 椰月美智子
沖縄でサマーキャンプに参加した中学二年生男子の成長物語。
#真夏の動物園 瀧羽麻子
美大を出たものの夢かなわず、非常勤で美術教師をしている隆文。
修学旅行の引率で母校のある京都へ。
#ささくれ紀行 藤谷治
浪人二年目の予備校生が、「青春18きっぷ」であてのない旅に出る。
もうね、全部よかったです。
特に好きなのは#フィルムの外、#真夏の動物園。
夢いっぱいだった頃を過ごした街を訪ねたくなりました。
春夏秋冬、季節にはそれぞれの顔があるけれど、
”ひとなつ”って、なんか特別な感じです。
キラキラしてて、どんな冒険もできそうなわくわく感。
でも少し物寂しくなったりして…。
そういえば、夏休み明けって、友達が妙に大人っぽく見えましたよね。-
こんばんは(^-^)/
夏に読もうと思ったのに…あるあるだよね(*≧艸≦)
それでもきちんと読むうさちゃんは偉いね!
「真夏...こんばんは(^-^)/
夏に読もうと思ったのに…あるあるだよね(*≧艸≦)
それでもきちんと読むうさちゃんは偉いね!
「真夏の動物園」が気になるなぁ。
夏休み明けの私はただただ鬱々しい子だったね(笑)2016/10/10 -
けいちゃん、こんばんは~^^
うふふ。褒めてもらえてうれしいよ。
でもね、「その季節にちなんだ本を読みたい。」
これって、けいちゃ...けいちゃん、こんばんは~^^
うふふ。褒めてもらえてうれしいよ。
でもね、「その季節にちなんだ本を読みたい。」
これって、けいちゃんのおかげなんだよ。
けいちゃんと知り合うまで、季節を意識して本を読んだことがなくて。
それこそ、暮れの大掃除に夏のなんとかって本を読んだりね。(笑)
やっぱりいいよね~。イメージも描きやすくて、より感動できる気がするもの。
すごく感謝してるよ。ありがとう!
えっ?けいちゃん鬱々としてたんだ~(笑)
でも、みんなそうだったと思うよ。
そんな簡単にお勉強モードに切りかえられないもの。
私もね、西日本から北日本への転校で、夏休みが短くなったことがあって、
「損した!」って、ずっとブツブツ言ってたよ(笑)。2016/10/11
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アンソロジー、特に「夏」がテーマのものは中でも大好物なのだが、本書は予想以上によかった。個人的にはハズレなしどころか5篇どれも大当たり。柑橘系の果物にかぶりついたような爽やかさを感じる一方、甘さというよりは酸味というか苦味がなかなかに舌に残るな…という読後感でした。むしろそれがよいのですが。変に甘ったるいノスタルジーに走ることなく、若さゆえの逡巡をそのまんま、みっともないまま描写しているところに非常に好感が持てました。
・森見登美彦「郵便少年」実は森見さんの作風って苦手だったのだが、ちょっと理屈っぽいアオヤマくんのキャラクターがかわいらしい。郵便がテーマなのもまたよい。一見偏屈な老女との交流のエピソードも、心温まるものだった。「ペンギン・ハイウェイ」と関連する短編だど読後知りました、森見作品と今後ちゃんと向き合ってみようか。
・大島真寿美「フィルムの外」映画の撮影用に借りた家で過ごした、少年と少女のひと夏。その瞬間瞬間の、時間の切り取り方が抜群にうまい!大島さんらしい浮遊感のある描写で、瑞々しい世界観が印象的だった。
・椰月美智子「三泊四日のサマーツアー」一番繰り返し読んだかも。男子中学生を対象にした、沖縄の島でのミステリーツアー。やさぐれ気味に参加した哲太が、同じくツアー参加の少年達と友情を育んでいく過程に引き込まれる。沖縄の自然の描写もすごくいい。
・瀧羽麻子「真夏の動物園」中学校の修学旅行、なりゆきで京都の街を歩くこととなった教師と生徒。30代の男と10代の女子、それぞれ日々に倦んでいる二人の本音が交差する場面が印象的。瀧羽さんが描く京都の観光シーンはやっぱりわくわくするな~。
・藤谷治「ささくれ紀行」まだ国鉄だった頃、二浪し、バイトも辞め、くすぶっている「僕」は青春18きっぷであてのない旅を始める。この「僕」の迷走っぷりが妙にリアルで、全くもって楽しそうではないけれど、無様にもがく姿に共感してしまう。松尾芭蕉の「おくのほそ道」を絡めてきたところが面白い。
登場する男子も女子も皆揃って不器用だけど、様々な思いを抱えながらも一皮むけただろうか。そんな夏をいくつも通り過ぎてきた身としては、あの頃の自分を重ねてしみじみとしてしまいました。若い世代は勿論、大人にもお薦め。 -
真夏の動物園/瀧羽麻子:女子中学の美術の非常勤講師をしている三十代半ばの主人公隆文。修学旅行の引率を引き受けることになり、大学時代に過ごした京都を訪れる。滞在中に遭遇した女子生徒と京都の街を観光することになり、15年ぶりに母校の大学に行くのだが…。
実際の京都の通り名や観光スポットが出てきて、行きたくなった。タイトルから京都市動物園が舞台なのかとも思ったけど、そうではなくて。作中に登場する岡崎にあるというギャラリーを兼ねた喫茶店が実在するのであれば行ってみたい。 -
夏のひとときの五つの物語。ちょっと長めの短編集で、このくらいの長さの方が、お話に奥行きがあって良かった。ちょっと切なくて、でも最後には前を向いて行ける感じ。そしてどれもみずみずしい情景だというのもそうですが、読んでてどれも自分の若い頃、青春の頃のなんとも言えない懐かしさが湧いてきました。自分の昔のひと夏を大事にしたくなりました。
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読みやすい夏がテーマの短編。三泊四日のサマーツアーの話が面白かったです。自分が子どもだったら参加してみたいかもと思いました。
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表紙買い&森見さん目当てで購入。
特に気に入ったのは『真夏の動物園』。次点で『ささくれ紀行』です。 -
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トキメキ系の本なのでしょうか。
夏真っ盛りの中、読みたいものです。
以前はコメント有り難う御座います。トキメキ系の本なのでしょうか。
夏真っ盛りの中、読みたいものです。
以前はコメント有り難う御座います。2014/07/16 -
「トキメキ系の本なのでしょうか。」
そうみたいですね!
今週末に発売なので、どんな内容か本屋で手に取ってチェックしたいと思ってます。「トキメキ系の本なのでしょうか。」
そうみたいですね!
今週末に発売なので、どんな内容か本屋で手に取ってチェックしたいと思ってます。2014/07/22
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森見登美彦氏の本はすべて読破したと思っていたのだが,改めて調べてみると,「郵便少年」なる未読の本があることが分かった。しかしこの本は特殊な形式で出版されたようで,現在新品は入手不可,メルカリとかでもたまに出品はあるようだが,現時点では売り切れという状況で手に入れようがない。と思っていたら,このアンソロジーの一編として収録されていることが分かった。これでようやく普通に入手可能になったわけだと思ったが,今どきまだ電子書籍化されていないという体たらくである。紙書籍には物理的に輸送が発生するというタイムラグの他に版元でも在庫切れという自体が発生する恐れがあるのが困りものだ。しかもその場合,重版されずに絶版ということもあり得る。取り敢えず今回紙の書籍は確保したので是非早めに電子書籍化してほしいものだ。
本書には5人の作家による5つの作品が収録されている。いずれも主に10代の若者が夏休みに体験した出来事が元になったストーリーだ。森見氏の「郵便少年」は30ページほどの作品で,明記はされていないが,「ペンギン・ハイウェイ」の少年が3年生の時のお話と思われる。特にストーリー的なリンクはない。舞台に歯医者が登場するところは共通しているが。ちっとも子供らしくない例の少年が,ふと郵便の仕事に興味を持ち,私設郵便局の真似事のようなことを始める。行きつけの歯医者が入っているビルのオーナーの老婦人と仲良くなるが,老婦人は自分は宇宙人だと言ってはばからないちょっと変わり者。でもちょっと変わった少年の話をよく聞いてくれる。老婦人は少年に郵便バッグを作ってくれて,古い学生帽もくれた。少年はクラスメイトのハセガワくんから宇宙語で書いたという,火星宛の手紙を託される。少年は郵便局の使命としてどうやって火星に手紙を届けるか思案するが...。
大島真寿美氏の「フィルムの外」。高2の由奈の家の向かいの空き家にある日沢山の人が訪れて,そこで映画の撮影を始めるという。それに合わせて,映画監督とプロデューサーの夫婦が息子を連れてその家に撮影期間限定で住み始める。その小学生の少年と由奈は程なく仲良くなり,忙しすぎて全く息子を構えない両親に代わって夏休み中ほぼずっと一緒にいた。映画製作が終わるとともに2人は別れも言わずに離れてしまう。少年はおとなになって初めてその映画を観る機会があり,フィルムに写っている家の光景からその枠から外れたところにいるはずの自分と由奈の姿を思い出すのである。
椰月美智子氏の「三泊四日のサマーツアー」。母親が勝手に申し込んでしまった沖縄のミステリーツアーの参加することになった中学生の哲太。現地の沖縄のとある島で,同学年の5人の男子(うち3人はいけ好かない3人組)と合流し束の間の共同生活を始める。初めは嫌々だった哲太だが自然の中で遊んでいるうちに2人と打ち解け,心から楽しみ始める。
滝羽麻子氏の「真夏の動物園」。これだけ登場人物である語り手は30代前半のおじさん。京都の美大を卒業後,地元の女子中の美術の非常勤講師となった隆文が京都への修学旅行の引率をする羽目になる。生徒の自由行動日に暇を持て余し真夏の京都をウロウロする隆文は。偶然入ったカフェで,一人だけで席に座っている生徒に気付く。なんとなく京都に詳しい隆文が穴場を案内してやる流れになって...。
藤谷治氏の「ささくれ紀行」。これはなんだか全編どんよりしていた。大学受験に二度失敗し,その後も予備校に通うも偏差値が上昇する気配も見えず,将来の見通しに暗雲立ち込めた状態の少年。時は「青春18きっぷ」が登場した次の年(1984年頃),閉塞感を打ち破るつもりで青春18きっぷを買って宛のない旅に出ることにした。各駅停車で15時間掛けて広島に到着。明るく観光する気分でもなく小倉まで行って折り返す。何となく奈良へ行ってちょっと救われたような気分になり,その後,ふと改札をすり抜けて豊橋から新幹線に無賃乗車するも三島で見つかってお説教を受ける。そこで不思議な同年代の少女に声をかけられる。彼女も青春18きっぷを使って新幹線に無賃乗車してたらしい。そして渋谷に行くのだと言う。
サブタイトルは「真夏に読みたい五つの物語」だが,涼しげで爽やかな作品というばかりではなく最後のやつなどは寝苦しい熱帯夜みたいな印象だが,色々なタイプの物語を楽しめたので良しとしよう。 -
子供の頃しか持ちえなかい夏の眩しい青い思い出と、自分しか持ちえない不思議な世界。そんなあの頃の甘酸っぱさに触れられる一冊。
アンソロジーの作品





