姫は、三十一 (7) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.61
  • (7)
  • (8)
  • (10)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 81
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015919

作品紹介・あらすじ

静湖姫は、独り身のままもうすぐ三十二歳。そんな折、ある藩の江戸屋敷で藩士百人近くの死体が見付かる。調査に乗り出した静湖が辿り着いた意外な真相とは? そして静湖の運命の人とは!? 衝撃の完結巻!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最終巻にして、開闢以来の凶事という最大の謎に対する。解きようがないと思われた謎を解くカギは、人の業というものだった。その謎を解き、最後の敵との対決。
    この巻でテーマとなった、人の業の愚かさを訴えることで、問題を乗り越える。

    1人になった姫を囲む仲間に癒されるシーンにほっこりし、懐かしの忍者の登場ににんまりし、物語の最後にまた懐かしき二人の名が登場し、うれしさも募る。そして、その二人に負けず、ようやく運命の人に出会えた姫。読者の予想を裏切り、まさかの相手との恋が始まる展開。第一巻に戻って、もう一度読み返したくなる。作者の豊かなエンターテインメント世界に酔わされる、圧巻の最終巻。

  •  江戸時代コメディミステリ(?)「姫は、三十一」シリーズの最終巻。メインプロットの「藩士102人大量殺人」の真相はいくらなんでも無理があり、これという盛り上がりもなく、なんとなくネタ切れでやる気をなくしたような感。シリーズ全体のテーマである平戸藩の密貿易計画の動向や主人公の恋の行方も、まるで打ち切り漫画のような取ってつけた結末で拍子抜けさせられた。

  • 2017.03.14.読了

    静湖姫シリーズ最後の7作目
    これで終わりかと思うと、
    寂しいです。

    でも静湖姫 幸せそうなので
    よしとしましょう。

  • ついに完結!!!
    最後まで失速することなく面白かった…!
    今回最終巻だから丸々一冊を渡り鳥貿易の真相解明に使うのかと思ったら、いつも通り静湖姫に依頼される事件と共に並行して進んでった。

    今回の事件は、大名屋敷、某藩にて97人が惨殺されるというもの。後でまた見つかって102人になるが。
    真相は、藩が真っ二つに割れて死闘を繰り広げたという内乱だったという。
    まさか、食い物の恨み、千年の恨み、痴情の縺れ、が一気に重なるなんてな。
    些細なことが積もれば戦にもなるんだな。
    雑煮の好み(味噌か醤油か)、北部派と南部派、日向江という美しい女を巡る男の攻防、重なったのが悪かったな。
    しかし、静湖姫凄いな。
    岩野も死体の検分や静湖姫の疑問へのその場での指摘はなかなかだけど、事件の全体図を描く能力はやはり静湖姫が優れている。
    でも、岩野良いなー!静湖姫にぴったりお似合い!
    影のように寄り添って、必要な助言を的確にするのが凄く合ってると思う。
    そして、静山も岡田と静湖姫は合わないと思ってたのか(笑)
    自分の思惑通り、静湖姫は岩野とくっついたね。
    静湖姫良かった…!ちゃんと相手が見つかって。
    みんな前回で結構離れていっちゃったからどうなるかと思ってたけど、岩野がいたね。
    それに、一方的な片想いという感じではないもんな。
    岩野も微笑んでくれてたから脈有り。
    岩野の過去には驚いたけど、静湖姫とくっつくなら安泰だな。
    まさか実家が開国を急いて捕縛されたなんてな。
    色々あったんだな岩野にも…。
    そういう事情あって一人身な岩野も静湖姫と一緒になれるなら本当に良いことだわ。

    チャーリー・チャンの正体がまさか複数人からなるグループの偽名だったなんて、予想外過ぎた。
    しかも、剛三郎・薩摩屋・南蛮屋・道右衛門・長谷川屋・秋月だった。
    静湖姫に惚れてた男達が勢揃い。
    いくら静山、雁二郎、岡田、岩野がいてもキツイよな。と思ってたけど、静湖姫と多歌子の毒舌による説得で話し合いで手打ちになったから良かった。
    それにしても多歌子の舌鋒はすごい(笑)

    その後、繁蔵の店に行くまでと店で男達と会った静湖姫の対応がまた凄い。
    普通に接して会話してた。女は強いなぁ。

    最後に、彦馬と織江からかっこうによって文が届いて、2人が達者にしているのが分かった。
    くノ一シリーズも時間あるときに読んでみよう。

    静湖姫と岩野のその後が気になるから短編集か何かで見れたら良いなぁ。

  • 32歳になるのでここで終わりってことなのだろうけど。
    いままでのどの人だろうと思ってたので最後はちょっとずるいなあと。

  • 藩士百人の死体の謎は、荒唐無稽と言わざるを得ないが、幽霊船の正体の方はなかなか面白かった。最後の和歌は「もう来ないと思っていたよ恋ごころ 三十一文字で月に願いを」だったが、出来栄えがひどい和歌がなつかしい。静湖の「運命のひと」は護衛役・岩野慎五郎?

  • 2014年9月刊。7巻め。完結編での静湖姫が解決する事件は、設定に無理がある。運命の人も唐突感があり、がっかり。32才になるので完結というところが、面白かったです。

  • 岩野⁇? おまえ誰だー⁈ 的な。
    最初にチラッと出てたのかも知れないけど
    見開きの人物紹介に出てない人を持ってこられるのは
    後出しジャンケンのような感じがして釈然としないぞ。
    最終的にはやっぱオトナの男は頼れるぜってところに落ち着いたのかな。
    なんだかんだで岩野もいい奴だし男前だからいいけどさ。

    累々と屍体が転がってたという猟奇的な展開も
    オチは只々物哀しいという辺りが
    このシリーズらしくてよかったなぁと。
    チャーリー・チャンの正体に関しては
    筋肉野郎と薩摩屋は関わってるとは薄々思ってたけど
    まさかひとりじゃないとは思わなかったので吃驚。
    つか秋月までとは…。
    静湖と多歌子の口撃で丸く収まっちゃうのもまた
    彼女の人柄なのかなぁと。
    昔川原泉先生のマンガの中で
    『国を支配するのが女だったら戦争も口喧嘩で済むのにね』
    という感じの台詞があったのを思い出してにんまりしてしまった。

    年が明けて姫が三十二になっちゃったから
    このシリーズも終わっちゃうのかな。
    『姫は、三十二』も読みたい気もするけど
    妻は、くノ一の蛇の巻みたいになっちゃったらと思うと
    これで終わっていいかなぁとも思ったり。

  • 「姫は、三十一」シリーズ、これで完結?静湖姫、いつのまにやら恋に落ちて、なんだかあっけなくえっ?もうそんな感じ??っと置いて行かれた感が・・・。今回の謎は、某藩で100人余りの人が殺害された謎。先祖代々積もり積もったものがあるとは言え、お雑煮の味でそんなに多くの人が刀を抜くかな??幽霊船でも、チャーリーチャン達あっさり観念し過ぎな印象。次の日から今まで通り普通に静湖と話してるし。最後、幽霊船事件を静湖が解決して終わりにしてほしかったな。あっ。静湖が解決したんだけど、こんな感じではなく。「戦いはやめてぇ〜!」「では、手打ちにしよう。」で、めでたしめでたしって・・・いくらなんでも。

  • なかなか良い終わり方だと思う。けど、続きもっと読みたい。続編出ないかなぁー。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

風野真知雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×