数えずの井戸 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (738ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015964

作品紹介・あらすじ

数えるから、足りなくなる――。暗く冷たい井戸の端で、「菊」は何を見たのか。それは、はなかくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す、傑作怪談!

感想・レビュー・書評

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  • 長い。くどい。登場人物全員がなぜああもくどくどと考える?いっこうに話が進まない。
    道を歩くだけでなぜにああも考えることがある?初登場人物がでるたびに、場面が変わるたびに、くどくど考える人たち。人物の性格の設定や説明でその文がいるのでしょうが、くどすぎる。
    物語は、嗤う伊右衛門とあまり大差ない登場人物たちが同じような配置で同じようなことを思い、同じようなことが起こったような気がする。

  • 読むんじゃなかった。
    言ってもしょうがないことを、くどくど言う。
    考えてもしょうがないことを、くよくよ考える。
    こちらまで、物語に取り込まれて、神経を病みそうだ。
    読み始めた以上、最後まで読みたいと思うが、ぐじけそぅだ。
    とりあえず、最後まで読んだけど。
    かなり辛かった。
    小説は、読む時期がある。
    この本は、今じゃなかった。

  • 私もいつも足りない気がする。
    褒められたりない気がするし、確認したりない気がする。
    衣替えの季節に、こんなにたくさん服を持っているのに、服が足りない気がする。
    世の中はつまらない。
    そして私は、愚図で鈍間だ。

    章ごとに主人公が変わる形式のこの小説で、
    全員が自分に当てはまる気がした。
    足りない足りない、あてはめ足りない。

    菊さんのように、
    あぁ空がきれいだなと思って空を見上げられたらいいなと思った。

  • 再読了だと思いますが、初回のようなおもしろさ。出会ってはならぬ人が出会ってはならぬ場所であい見えてしまった結果という、哀しい悲しい物語。結末は最初からわかっているのだけれども。
    了巷説百物語を読み始めて読みたくなって再読したのでした。

  • 番町皿屋敷とも呼ばれる、青山家の家宝を巡る愛憎劇。
    皿の表と裏、底知れぬ昏き井戸、満たされずに欠けている人々。
    真相は井戸の底。

  • 何時ものように物語が中々進まないし同じようなことを延々と書いてる。
    でも退屈にもならずページを捲る手が止まらない。
    特に終盤から急に物語が動き出して結末も何とも物悲しい。
    全て京極作品の特徴で好きなものには(僕だが)中毒になる。
    僕の生涯最高作品は『嗤う伊右衛門』だがそれに比べると些か物足りなさを感じるがそれでも読み応えは抜群。
    とても700ページもあるのかと思うほど一気に読めてしまう作品。

  • 京極さんもお久しぶり。最近読書熱が高いので、久しぶりにレンガも読める気がして借りた。
    大好きな「嗤う伊右衛門」と同じ怪談シリーズ。伊右衛門のように、一章ごとに視点が変わるんだけど、登場人物がすごく多くて、半分くらいまでこれはうまく繋がるのか…?と読み進めたけどさすがに綺麗にまとまった。
    登場人物が多いけど、その人たち全てを「数」と絡めてるところ、それぞれの諦観や執着しているところが全然違うのにどこかしら共感できて面白かった。厚さの割にサラリと読める。

  • 数えるから、足りなくなる――。暗く冷たい井戸の端で、「菊」は何を見たのか。それは、はなかくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す!

    不器用さゆえか奉公先を幾度も追われた末、旗本青山家に雇われた美しい娘、菊。何かが欠けているような焦燥感に追われ続ける青山家当主、播磨。冷たく暗い井戸の縁で、彼らは凄惨な事件に巻き込まれる。以来、菊の亡霊は夜な夜な井戸より涌き出でて、一枚二枚と皿を数える。皿は必ず―欠けている。足りぬから。欠けているから。永遠に満たされぬから。無間地獄にとらわれた菊の哀しき真実を静謐な筆致で語り直す

  • 悪くない。が、全二作と比べると尖った人物が多すぎて、全体的に煩い。

  •  まさに「耽読」というのが最適な一冊( ´ ▽ ` )ノ
     強迫神経症とか鬱病とか発達障害とか、心に問題を抱えたキャラクターたちの心理描写がじつにみごと( ´ ▽ ` )ノ
     読んでるうち、自分も彼らと一緒に闇の奥へと飲み込まれていきそうになる( ´ ▽ ` )ノ
     映画版の「シャイニング」みたいだね( ´ ▽ ` )ノ

     このシリーズ、どれもそうだけど、よくもまあ元の怪談をここまで窯変できるもんだと呆然( ´ ▽ ` )ノ
     よくいわれるとおり、サマーこそ現代の戯作者だね( ´ ▽ ` )ノ

     つぎはどんな怪談を語り直すんだろう?( ´ ▽ ` )ノ
     牡丹燈籠? 猫又? 雪女? 玉藻前?( ´ ▽ ` )ノ
     楽しみだね( ´ ▽ ` )ノ

    2018/08/08

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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