幻双城事件 仮面の王子と移動密室 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 126
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041016299

感想・レビュー・書評

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  • 最近の館は動くな〜。しかも、これ見よがしに動くな〜(笑)。
    館物愛好家としては、見取り図を見れば「さて今回はどこが動くのかしらん」と推理するのが楽しみではありますが、今作はまさかの「登場人物達に、城に仕掛けられたトリックが示されている」という前提条件が与えられています。
    ふむふむ…ソコが動くと示しておいて、実はココが動くんじゃないの?!と穿った見方しかできないミステリスキーは考えるわけですね、もちろん( ^ω^ )←

    そう邪推しながら読み進めて行くと、何だコレ以上の発展は無しか…と見せかけておいて、ところがどっこい!←なオチが待っていました。ああ〜そう裏切ってくるのね〜(笑)。これって、もしかしなくてもアンフェアなタイトルよねえ(笑)。
    館愛好家にとっては非常に挑発的なトリックです。そうか、こういうアプローチもあるのか!とちょっと感動しました。これは、数多の種類の館に触れたことのある人にしか書けない館な気がするなあ。

    そして今回も、天才博士は最後の最後で美味しいところ独り占めです。煩雑な説明は黒彦くんに任せておいて、自分は優雅にオオトリをかっさらう(笑)。いつもどーり!

    今回はちょっと事件発生までの導入がまだるっこしかった気がするけど、最後の最後で黒彦くんたち生存者が見た景色が素敵なネタバラシだなあと思ったのでノープロブレムなのです( ^ω^ )←


    美術品の収集家として名高い実業家が建てた奇妙な城、幻双城。
    その城に収蔵された美術品の制作者の子供達が、二代目城主に招待された。時間になっても姿を表さないホストに不信感を募らせる客達。そして、広間の柱時計が鐘を鳴らし終わった途端、悲劇の火蓋は切って落とされた!
    動く城、次々と発見される死体、姿無き殺人者…閉じ込められた黒彦とハテナは、凶行を止めることができるのか?

  • 黒彦くんと自称ロボットのハテナの人が死ぬミステリシリーズ最新刊。今回は密閉された城でのお話。黒ちゃんとハテナちゃんが帰ってきましたよ!今回は犬神兄ちゃんもでてきててヤッター!ダークさはちょっと控えめだったけど、ハテナは相変わらずかわいくて楽しめました。ライトノベルミステリ読みにはおすすめです。

  • シリーズ4作目。孤島のお城での殺人事件。大仕掛けの存在が明示された上での右往左往。少しばたばたと進んだ印象。このシリーズ、ミステリの常識を逆手に取ったような突飛なオチを期待してしまうんですけれど、今回は驚きは少なかったかな。とはいえ普通に面白いです(褒め言葉です)。黒彦の成長とハテナとの仲の進展がうれしい。犬神博士の性格は相変わらず掴めないですね。

  • シリーズ第4作。今回は芸術家の二世達が集められた城…建物の図解は最後にもう一枚欲しかったが、まあこのシリーズだしな…。犯人の動機が悲しい。黒彦モテでハテナとの事が心配だったけど、今回進展した!しかし、もうちょっと黒彦が活躍できるといいんですが…。軽実くんも応援しております

  • 黒彦と犬神兄妹のシリーズ4作目。


    孤立する城内部と大掛かりな仕掛け。
    ちょっとパズル解きのような面白さはありましたが、
    トリックとしては割とあっさりめでした。
    最後の最後に分かる事実だけはちょっと意表を突かれましたが。
    シリーズ通して「香具土深良」が落とす影のようなものも薄まって、
    全体的に浅い感じでした。


    今回、主人公たちの間に若干甘い空気が流れます。
    誰と誰かはここでは書きませんが、
    個人的には要らないと感じました。
    コメディタッチの会話が面白いのは良いですが、
    ラブコメにはして欲しくないので・・・。
    いや、次回作以降の為の伏線として必要なのか・・・?


    犯人の境遇は同情に値するけど、
    犯行に至る動機と過程が唐突過ぎました。
    幾ら何でも人間そこまで短絡的じゃないと思う。
    他にもすることできることがあった筈と、どうしても思ってしまう。
    それとも、短絡的思考もその境遇故ということでしょうか。
    深読みし過ぎか・・・。
    兎も角、最後の急転直下以降、残念感だけが残りました。

  • 舞台設定はとても良いです。でもちょっとキャラが無駄に多すぎたかな? 前半から中盤まで芸術家たちの作品紹介になっているが、トリックにそれらが活かされることがほぼ無く、必要あったのか疑問に思う描写が目立った。それこそ読者を騙すための手法だと言うのなら文句は言えないが、やはり少々強引というか風呂敷の畳み方が雑に思える。

  • ミステリです!SFではありません
    本来だったら高校生デビューみたいに
    新しい世界を築こうとしただけなのに
    汚い思惑を抱いたやつのせいで凄惨な
    事件になったんだよね・・・残念

  • 登場人物が多くて、若干人物把握がややこしいのと
    事件が起こるまでが長いことをのぞくと
    ミステリー好きにはたまらない記号(ギミック・アイテム)が溢れていて、
    ライトノベルとミステリーの中間くらいのつもりで読むと
    なんだかんだで楽しい作品。

    タイトルの名の通り、動く館が舞台なんだけど
    動きすぎて構造を把握するのに四苦八苦。

    なかなかよく出来ている作品だと思います。

  • 事件が起こるまでがちょっと長すぎるかなぁ。建物の仕掛けも仰々しい割には単純だし。ちょっとひねりが足りないかなぁと思いました。

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著者プロフィール

1977年、奈良県生まれ。大阪国際大学経営情報学部卒。2002年「やがて世界は詩に至る」で出版デビュー。「THE CHAT」「THE QUIZ」などで異色ホラーミステリー作家として注目を浴びる。著書は他に「時間島」「タイムカプセル」「庵谷高校の死神 閉ざされた校舎と見知らぬクラスメイト」(ここまですべてアルファポリス)、「天空高事件」「幻双城事件」(角川文庫)、「へたれ探偵 観察日記」シリーズ(幻冬舎文庫)などがある。

「2017年 『君が何度死んでも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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