本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 1318
レビュー : 154
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041016497

作品紹介・あらすじ

本を読むときは、1行たりとも読み飛ばしてはいけない――本を選び、読み、活かすにはどうすればいいか。「自分の頭で考える力」をつけるための要諦を、稀代の読書家が具体的に説き明かす。著者初の新書書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • この本すごかった。普通「本の使い方」ってタイトルだったら、「効率よく」「簡単な」読書術が書かれてると思うでしょ?
    でもこの本は違う。なんてったってまず読むべき本が「分厚い古典」で、さらにそれを「一字一句、もらさないように」読まないといけないとのこと。

    この時点で気づくわけ、この本は、「読書好きのための本」だって。
    苦手なひとがいきなり難しそうな古典なんて、読めるわけ無いからね 笑
    実際、著者の出口さんも無類の本好き。週に1,2回は本読んでて電車を乗り過ごしてしまうらしい。

    で、そんなこと言ったら、本読むの苦手なひとはこの本を読んでも、対して役に立たないのでは、と思うでしょ?
    でも私はこの本を、本が苦手なひとにこそ読んでほしいと思ってる。

    なんでかって言うと、この本では本好きおじいちゃんの出口さんが、いかに本が素敵かについて延々と語っているから。
    確かに「本の使い方」というタイトルにあるように、読書術についても書かれてる。しかもすごく納得する内容で。

    でも、出口さんの本に対する姿勢は「本は著者との対話である」 「本を読むことは、著者の思考のプロセスを追体験することである」と真摯的。
    読書術はあくまで手段であって、目的は、どうやって本を愛するかについての本だと思うね。

    で、本がめちゃくちゃ好きなひとが、本の素晴らしさについて語ってるわけだから、当然、本が素敵なものに思えてくる。
    話の引き合いに出される本はなんと160冊以上。本好きすぎでしょ。
    これを読み終わるころには、図書館にでも行ってみようかなってなる。

    そんな、本が超大好きな出口さんが進める、本の読み方は
    「一所懸命おもしろい本を読んでいけばいい。それだけです。」

    本読むのは苦手だ、でも好きになってみたい。そんなひとにこの本はおすすめです。

  • 第1章は読書と教養の重要性について。毒のある本のほうが読み手の心に残り、人生を変えるよすがになる。第2章は時代を超えて読み継がれる古典について。古典を読み、著者が物事をどのようなプロセスで考えているか学ぶことで、思考力を鍛えられる。第3章は出口流の本の読み方。第4章は目的別のお勧め本の紹介。第5章は出口氏が過去に読んだ本の紹介。小学生時代から全集を読まれており、過去の読書量が比べ物にならないくらい多い。名著がたくさん紹介されていたので読みたくなった!

    p23
    より良い仕事、より良い生活を送るためには、教養が必要です。教養に触れ、インプットが多くなればなるほど、アウトプットの幅が広がり、発想が豊かになります。

    p25
    ストックしてある知識や情報の量が多ければ多いほど、思考や直感など脳の活動の精度は高くなります。

    p30
    私は、人間が生きる意味は「世界経営計画のサブシステム」を生きることだと考えています。すなわち、人間が生きていく以上、「この世界をどのようなものだと理解し、どこを変えたいと思い、自分はその中でどの部分を受け持つか」を常に考える必要があると思っているのです。

    p40
    毒があったほうが、読み手の心に深く残ります。心のどこかに引っ掛かって、私たちの人生を変える、よすがになります。

    p40
    香りのない花は、どんなに美しくても、印象が何も残りません。花には、独特の香りがあるからこそ、美しさが際立つのです。
    本も同じで、毒が心地よく回って、「ああ、目からウロコが落ちた」「おもしろすぎて、誰かに話したくてしかたがない」と思える本が、私にとってのいい本なのです。

    p46
    ギリシャ・ローマ時代からルネサンス期にかけて、「人を自由にする学問」とみなされていた科目があります。文法学、修辞学、論理学(言語に関わる3学)、算術、幾何、天文、音楽(数学に関わる4科)の7科目です。
    この7科目は「自由七科」、あるいは「リベラルアーツ」と呼ばれています。奴隷でない自由人として生きていくために必要な教養とされていたのです。

    p70
    けれど、ひとりひとりが「これは、本当なのか」と問いかけ、自分の頭で考えて、選び、自分の暮らしを大切にしていかなければ、良い生活を送ることも、良い仕事をすることも、叶わない。そのための判断材料として必要な教養を蓄えておくべきなのです。

    p95
    木田元さん(哲学者)がよく言われているように「きちんと書かれたテキスト(古典)を1字1句丁寧に読み込んで、著者の思考のプロセスを追体験することによってしか人間の思考力は鍛えられない」のです。

    p102
    岩波書店の『書物誕生』シリーズ(全30巻)などから始めることもできます。
    『書物誕生』は、学問の最前線で活躍する気鋭の学者が東西の代表的な古典を取り上げ、その古典が生まれた時代背景や、古典の持つ歴史的な深みと広がりについて言及するシリーズです。
    主として将来を嘱望された若手が書いている

    p105
    人間は、星の欠片でできています。人体を構成する元素は、もともとは宇宙にあったものです。だから私は、天文学(宇宙論)に興味があります。

    p138
    ビジネス書を読んで、その内容を受け売りするよりも、小説や歴史書から、人間はどんな動物でどんな知恵を持っているのか、社会はどんな構成要素で成り立っているのか、人はどんな場面でどのように行動するのかなどを学んだほうが、はるかに有益です。

    p145
    本の中で語られている主張には、必ず根拠があります。そして、その根拠は数字やファクトに還元することができるはずです。根拠(根拠やファクト)をベースに自ら検証して判断すれば、少なくとも本の主張を鵜呑みにすることはなくなります。

    p152
    本は、おもしろそうに思える本を素直読んでいけばいい。将来的に、役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれない。それはどちらでもいい、と思います。
    自分の興味がある本を、ひたすら読む。あるいは、人から薦められた本を食わず嫌いをしないで読んでみるのもいい。
    功利的に本を読んでも、だいたいはうまくいかない気がします。世の中にそんなにすぐに役に立つおいしい話はありません。好きな本を読んで、じっくりと体に毒が回ってくるのを待てばいいと思います。

  • 20150116 読了

    今年はしっかりと読書を習慣にしたい、とぼんやりと思っていた矢先に積ん読してした本書を思い出す。
    一万冊を血肉にした男、とのキャッチコピー通り読書に関する深い眼差しを持っている人物と感じた。

    一般の読書本はどことなくハウツー本のような雰囲気があって、読み終わった直後は実践しようと思うのだか、続かない。だが、本書は違う。例えば著者もさまざまな読書術を試してみたようで、速読などの方法も知っているが、その上で否定している。著者が提案するルールはいたってシンプル。「自分が面白いと思った本を読め」というもの。ただし、本を、読むことは著者との真剣勝負。そのため、本気で読むべきだという考え方には身が引き締まる。

    読書をすることにより、人間としての深みを目指すという気持ちになれた一冊。

    以下、印象に残ったキーワードなど

    ・学びには、人から、本から、旅からの三種類。そのバランスは人によって異なる。
    ・古典を読むべき。
    ・立ち読みをして、最初の5ページで決める
    ・数字、ファクト、ロジックを用いて自分の頭で考える。

    締めくくりのフレーズ
    今のあなたが、残りの人生で一番若い

  • 出口さんの読書についての本もこれで3冊目なので、すっかり洗脳されているようです、私。
    すべてすべて、出口さんのおっしゃるとおり。

    でもこういう本は読書嫌いな人は読まないでしょうね。
    そういう人にこそ、読んでほしいなと思うのですが。

  • 実は前に読んでいた。
    全く記憶にない。これじゃ血肉にならんわな

  • 読みやすい本ばかり読んではいけない。私なら読んでて当たり前の本は何だろう。

  • 著者の読書論を展開し、よくある「速読でわかるところだけつまみ食いする」のではなく、よりしっかり読み込み、まさしく本を血肉にする方法を薦めている。

    ただ、はっきり言って物足りない。
    著者の基本スタンスとしては、「テキストを丁寧に読み込んで思考プロセスをついた意見することで思考力を鍛える」「古典(原典)を読む」「1行1行に意味がある」「速読より熟読」「線を引いたり付箋を貼ったりしない」などといったものです。確かに言いたいことは分かります。
    ただ、著者は、「急いで本を読む必要はまったくありません。私は、一文一文、一字一句納得できるまで丁寧に本を読み込んでいきます。速読や斜め読みをしなくても、一般的な200ページほどの単行本なら、2〜3時間で1冊を読み終えることができます」といいますが、わたしにはできません。ではどうすればできるようになるのか、それが一番知りたいところなのですが、その具体的方法に関する記載はありません。
    また、 厚い本を何冊か読んだ後、薄い本で知識の体系化を図るという記載もあるのですが、著者の基本スタンスによれば特にメモ等もしないようなので、つまり厚い本を読んでいるときに中身を大半覚えていなければできない話もサラッと紹介している。
    ちなみにこの著者はベンチャー企業の社長なので土日も仕事で、読書は就寝前1時間と移動時間のみらしいのですが、週に本を10冊読むそうです(1冊2~3時間で10冊っていうことは、1日に3時間も移動しているんですね)。
    結局、著者(及び同レベルの極めて優秀な人間)しかできない方法を説明なしに薦められてもまったく参考にならず、「この著者ってすごいね」ってだけで終了。
    なお、 本書は、編集者が著者に取材をしたのを書き起こしたのかと思わせる記載があり、特に明言はないが、おそらくそうなのであろう。
    口述であれば重複・矛盾もわからないわけではないが、矛盾のある説明、微妙な読書量の話、とくかく踏み込みの足りない説明とちょっと残念が点が多すぎる。

    話が本当なら著者自体はすごい人なんだから、もう少し丁寧に説明があれば良書だったのにと思います。
    本書の後半4分の1を占める書評については、面白そうな本も多数あり、悪くない。

  •  稀代の読書家ライフネット生命CEO出口氏による、読書の意義、本との向き合い方、推薦書籍などを解説・紹介した新書。

     速読を推奨する書籍が多い中、速読など出来ない私にとっては著者の「速読よりも熟読」という言葉に励まされた。本との向き合い方も、著者との対談であり真剣勝負であるという考え方は新鮮だった。ただの情報の読み取りではなく、その本を書いた者と対話をするという感覚で読むことが大切なのだ。
     出口氏の推薦書籍も読んでみようと思う。ただし出口氏が良いと言うから良い、などと思わないようにしたい。他者が良いと言った書籍を読み、自分がそれに対して素直にどう思うか、それも自分を知る手段の一つなのだと思う。

  • 出口氏自身の本の読み方、向き合い方について書かれた本。
    さすが数千数万の書物を読んできただけあって、考え方の一つ一つが奥深く、本の節々から教養の高さがにじみ出ている。
    しかしながら、良くも悪くも出口氏の読み方をなぞっただけの内容に留まっており、「だから何?」と思わざるを得ない・・・

    ただ、1冊1冊の本に対する姿勢や向き合い方などはとても参考になった。
    人と会って話す時のように、襟を正して読書をするという姿勢もさることながら、「何冊読んだ」かよりも「どれだけの知識や情報が身についたか」、「大切なのは読んだ本数でなくて残存率」という事は本当に重視しないといけない。

    「納得いくまで読み込んで、分からなければ何ページか戻る。それを繰り返しながら1冊を食べきる」
    この考え方には非常に同意してしまった。

    読むスピードや本数ではなく、「理解度」や「残存率」を意識して、これからも読書して行こうと思いました。

  • 出口氏の本の読み方、めっちゃ真剣に読んでてすごいなと思った
    5ページ読んでつまらなかったら切るというのは、とりあえず読む派の自分には合わないなと思った。
    自分が本をどう読んでいるかを考えるきっかけになった

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著者プロフィール

1948年、三重県生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険株式会社創業者。京都大学法学部を卒業後、72年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師等を務める。08年にライフネット生命を開業、12年東証マザーズ上場。18年より現職。

「2019年 『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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