遺譜浅見光彦最後の事件 (下) (単行本)

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  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041017586

感想・レビュー・書評

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  • アリシアの祖母のニーナの強い要望で『フルトヴェングラーの楽譜』を持ち帰る
    アリシアと千恵子と伴にドイツに渡った光彦。
    『楽譜』は、滅茶苦茶で音楽になっていない。
    光彦はモールス信号ではと気付く…。
    『絵のタイトル』・『画家の名前』・『美術館の名前』の一覧表である。
    ヒトラーとナチスドイツは『頽廃芸術』と称し破棄・焼却を命じていた。
    その内400点程の絵画が抜き取られ、半分はドイツ国内へ、
    残り半分は日本へ運び込まれていた。

    丹波篠山で、隠匿物資を守って来た忌部…。
    後を光彦に託すと言い残し亡くなる。

    忌部が光彦をすぐ後を継ぐ人と決めた理由
    忌部と光彦の祖父陽祐との関係
    次から次へと人間関係の糸が繋がっていく…。
    戦後の日本での浅見家の役割…。
    兄、洋一郎の胸の内…。

    戦争への思いや戦後のの日本への憂い等
    作者の強い思いがとても感じられる作品でした。
    いつもにの光彦探偵が殺人事件の犯人を見付けるといった物語とは、
    全く視点の違う最後の事件簿だったと思います。
    探偵業をやめるという光彦さん…。忌部の後を継いで行くのか?
    結婚して神戸に住むのか?どう、進んでいくのか?
    ぼんやりと終ってしまった…

    あとがきにて内田氏が、いつか筆を折る決断の時が来る。
    浅見光彦というキャラクターも一蓮托生でケリをつける。
    でも、『浅見光彦の復活』を書く努力をする
    楽しみです

  • 中盤読むペースが遅くなり他の本に移行するが返却日が迫りつつあるので読み始める。

    頭が冴えたのかあっという間に引き込まれて嘘のように早く読み終わる。

  • ふむ

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    第二次世界大戦前、ドイツより日本を訪問し、全国を歓迎と熱狂の渦に巻き込んだヒトラーユーゲント。その盛大な歓迎会の最中に、ある秘密工作は粛々と仕組まれていた―。「インヴェ」という名前に導かれ、丹波篠山である男の家を訪れた浅見は、殺人事件の嫌疑をかけられることに。ナチスドイツが遺した爪痕は、意外な形で日本へと繋がっていた。気鋭のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハの祖母からのたっての頼みを受け、ドイツへと赴いた浅見光彦が目の当たりにした悲しみの真実とは?緻密に組み立てられた陰謀は、70年の時を経て現代へ甦る!官僚一家の名門・浅見家を脅かす「亡霊」の正体とは?現代ミステリー界の雄が不退転の決意で描きだした名探偵“最後の”事件!

    令和4年4月10日~12日

  • なるほどあとがきを見てこの設定の意味が分かった。特に浅見光彦ファンでもなく手にとったのだけど、内田康夫氏は本書を最後にシリーズを終わらせようとした訳でした。
    ストーリーは面白かった。ドイツヒットラーが残した遺産が日本にあった。その鍵はなんとフルトベングラーの残した音楽にならない楽譜。70年以上も昔の。
    浅見は33歳の設定ながら本書で1歳年をとり、パーティーまでやって過去のヒロイン達をあえて登場させる徹底ぶり。
    ヨーロッパ、西日本、そして登戸と使われなくなった武蔵野線が示す遺産のありか。
    そして浅見はとんでもない思い役割を背負うようになる。
    幾重にも張り巡らされたシナリオに最後は浅見の将来を思い描く後のひき方と最後にふさわしい。
    あとがきに、実は後4ストーリーほど準備されている、と書いてあるがこれはどうなったのでしょう?
    調べたら(すみません!)113冊目が本書で、「孤道」を未完で絶筆。2018年3月に逝去されています。
    そしてその「孤道」は公募で完結。凄まじい作家人生だったのですね。孤道は読みます。

  • 最後すっきりしたかった。

  • ドイツや戦中の日本軍やらが絡んできて、殺人事件よりも大きな事が光彦に関わってきて、え〜?そっち…?な感じに…。結婚相手も決定じゃないのね…。あと数冊は今までと同じような話しが読めるみたいだけど、その先はどうなるのかしら?

  • 第二次世界大戦前、ドイツより日本を訪問し、全国を歓迎と熱狂の渦に巻き込んだヒトラーユーゲント。その盛大な歓迎会の最中に、ある秘密工作は粛々と仕組まれていた―。「インヴェ」という名前に導かれ、丹波篠山である男の家を訪れた浅見は、殺人事件の嫌疑をかけられることに。ナチスドイツが遺した爪痕は、意外な形で日本へと繋がっていた。気鋭のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハの祖母からのたっての頼みを受け、ドイツへと赴いた浅見光彦が目の当たりにした悲しみの真実とは?緻密に組み立てられた陰謀は、70年の時を経て現代へ甦る!官僚一家の名門・浅見家を脅かす「亡霊」の正体とは?現代ミステリー界の雄が不退転の決意で描きだした名探偵“最後の”事件。

  • 結婚するのか!?家を出るのか!?
    探偵の復活に期待。

  • ルポライター浅見光彦の活躍するミステリー。

    舞台は海外にも飛ぶのですが、事件自体は浅見の先祖も絡みながらも、普通に解決されます。
    どこが最後の事件かというと、浅見本人が探偵をやめる、結婚を考える、というところからきています。
    しかし、復活を匂わせたりしてることから、早ければ数年で復活ですかね。
    海外のルポまで可能になったのだし。

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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