メッセージ 魚住くんシリーズIII (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041017685

作品紹介・あらすじ

感情が欠落気味ながらも、少しずつ成長している美青年・魚住。彼は病院のクリスマス会で、さちのという少女に出会う。どこか陰を背負うその少女が気になる魚住だが・・・・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 内容を知っていても落涙を堪えることはむずかしい。たった一ヶ月の交流が10年の付き合いに勝ることが少なくないとわたしたちは知っているし、魚住とさちのが不器用なやり取りを交わすその姿に、細胞が流れる音を聴いたはずだ。帯に銘打たれた“シリーズ最大の衝撃”ということばには何の間違いもないが、この衝撃とやらを、読者は何度味わったことだろう。与えたかったさちの、拒絶された久留米、恐怖に負けそうになった魚住、しかと届くことばを放ったマリ、彼らを生かす料理を作り続けるサリーム。紙の上で彼らが生きていることが、衝撃だった。

  • 魚住君シリーズ第三弾。
    今回は人の死について触れていて、涙もろい私はついつい泣きながら読んでしまった。
    切なくなってしまった。魚住君も涙を流せてよかった。
    泣くって大事だよなと読みながら思った。
    そして今回の最後。
    あー久留米!なにしちゃってくれているの。
    続きが余計気になっちゃうじゃないの!
    と思いつつ続きが3月に発売予定らしいのでそれを楽しみに待とうと思います。

  • 二巻目よりはよかった。ハガキのくだりはグッときた。魚住くん不幸体質すぎる。

  • 悲しくて切なくて、でもその分暖かく愛おしい光に気付けた、そんな一冊だった。

    悲しい場面や暖かい場面で何度も涙が込み上げてきたのだけど、さちのに心を開いた魚住の、人間らしい一面を見た時が1番グッときた。

    サリームやマリ達との日常もとっても好きだ。
    4人の団欒の場面はずっとみていたいし、サリームの変わり種餃子食べたい!
    大学の研究チームでのやりとりの場面も良い。
    どうか魚住がこのまま笑顔で過ごせますように、と願ってやまない。
    最後の章もとても良かったなぁ。

  • 初めてこれを読んだときから10年近く経ってしまって、内容もすっかり忘れてしまっていたけれど。最近なぜかずっと読みたいと思っていてやっと読めた。

    こんなに痛くて辛くて愛しいお話だったんだ、と泣きに泣いた。

    ここからは私の話も書かせてください。

    これを初めて読んだ時はたぶん感動とかで泣いていたと思うけど、今ほど痛みは感じていなかっただろうなーと思った。

    というのも、数年前(=初めてこの本を読んだ数年後)に私も相次いで大切な人を突然亡くして心を病んだので、今の自分が魚住の経験の一部をなぞっているようでとにかく辛かった。
    だから魚住が久留米を怖いと避けたときも、直感的に彼の気持ちが分かる、と思った。
    自分も暗闇の中にいる時、あの子が、あの人がいなくなったら、家族が死んだらどうしよう、次こそもうだめだとばかり思って毎日怯えて暮らしていたから。

    正直途中で読むのを止めようかすごく悩んだ。今も精神的にあまり安定していないので、これをきっかけにどうにかなったらやばいなあと思ったけど、魚住にはちゃんと抱きしめてくれる人がそばにいて、生きている人の温かさを教えてくれたんだと感じられたから読んで本当に良かった。本当に。

    もともとの性的指向はあっても、説明は上手くできなくても、魚住と久留米の間には愛だけがあって、これさえあれば人は生きていけると思える終わり方だった。

  • キーワード:
    愛情、生、悲しみ

  • 魚住くんシリーズがBLの枠を超えた作品と呼ばれる意味がわかった今作。
    せっかく心を通わせることができた少女が目の前で亡くなってしまう衝撃…。
    この作品の登場人物は良い人ばかりなので、みんなに幸せになってもらいたいのにどうしてこうも切ないんだろう。
    魚住と久留米の関係が大きく動き出しそうなので今後の展開が楽しみです。

  • 大好きな魚住くんシリーズの中でも最も泣ける胸に響くストーリーでした!読み終わってからタイトルの意味が胸に刺さります!

  • あらすじや評価を見ずに読み始めて、途中嫌な予感を抱きつつ読み進め…あまりの展開に思わず息を飲んだ。
    先が気になるのに怖くてページを捲れなくなったのは初めて。
    心を通わせ始めた少女を目の前で失った魚住くんが、ひとり取り残される恐怖に怯え自らを傷つけてしまうまでの描写が恐ろしくて悲しくて。

    でも、魚住くんのまわりには久留米をはじめ、やさしくて強いひとたちがたくさんいてくれて本当によかった。

  • 装丁のイメージからして、ほわんとした穏やかな物語を想像して読み始めたらなんと!重いこと!!胸が締め付けられるような苦しみと悲しさ。でもきっとそんな出来事を乗り越えて人間らしさを取り戻していくんだろうね。それにしても、先気になります。

  • 20192/6(水曜日)

  • 2018/06/13 11:57:48

  • 去年の10月にも読んでいるのだが、なぜかレビューを書いていない。泣いたのに。
    そして今回もまたこらえきれず泣いてしまった。1年越しの再読で泣くってなかなかないのではと思う。

    おそらく前回は早く続きを読みたくてレビューどころじゃなかったのかな!と思うので改めてレビュー。

    途中薄々嫌な予感はしたけれど、なかなか残酷で、とにかく痛々しくて、でも非常に現実味を帯びた描写。

    魚住に久留米がいて本当に良かった、と心から思える話だった。
    そしていわゆるBL作品なのだが、読んでいると男同士とか関係なく、この2人の恋愛が羨ましく思えた。あまり小説を読んで思ったことはないのだが、なんというか、こんな恋愛をしたいなぁと思う。そんな相手、いないけれどね……

    あと2冊……実は最終巻を読めていない(もったいなくて)ため、ハッピーエンドでこのまま終わって欲しいものだ

  • 買ったのはけっこう前だけど楽しみでとっておいた!
    冬っぽい表紙だし今かな!と思って読んだ!
    なんか、知ってたけど、BLってタグでいいのか悩むほどけっこうテーマが重い・・

    でもジャンルはBLだと思う

    イチャイチャパート以外も重いけど、おもしろい
    けど、
    やっぱりイチャイチャパートがいい

    最後ー!
    もうー!!もう!
    キスだけでこんだけ描けるってすごいな
    えろいな

    続き(キスの)が読みたいww

  • 生きているだけで特別とか、奇跡とか、安っぽい言葉かもしれないけど、これを読んだあとには大切な人といれることに感謝したくなる。

  • 今回、こんなヘビーだとは思わなかった。
    さちのちゃんが死ぬなんて…。
    濱田にハメられて病院でクリスマスの天使役した魚住がそこで知り合った、さちのちゃん。
    大人っぽい女の子で魚住と気が合ってたのに…。
    さちのちゃんも、エイズキャリアで辛い思いしてきたけど、魚住と出会ってからは本当に楽しそうだったのにな。
    魚住もさちのちゃん気に入ったあまり、お母さんになって、とまで言ったのに。
    ケータイも買ってあげて、ディズニーランドも連れてった。
    本当に良い関係だったのにな。
    トラックの居眠り運転手のせいで、さちのちゃん死んでしまうなんて…。
    しかも、道路渡る途中で魚住が見てる前で。
    魚住は、久留米を拒絶しちゃうくらいショック受けてさ、見てらんなかった。
    さちのちゃんが死んだの見て、久留米ももし死んだら?自分より先に死んだらどうしよう?ってあまりの恐怖にリスカして自殺未遂。
    マリが嫌な予感感じてなかったらほんと危ないとこだった。

    マリも自殺未遂したことあったんだな。久留米が言ってた一度決めたら言わないってこのことだな。
    15のときにバタフライナイフで心臓を。
    そんな過去がありゃ強くもなるな。

    マリの残された者はどうなるのって言葉のおかげで魚住は久留米を拒絶することをやめれたし、ちゃんと仲直り出来た。
    そして、魚住、泣けるようになった。さちのちゃんのこと本当に残念だとは思うけど、魚住がちゃんと泣けるようになってよかった。
    久留米の腕の中は安心するし、張り詰めてたものが破裂したんだね。
    しかも、泣きながら久留米にとうとう好きなことを言った!好きな人は久留米だって!
    で、最後の最後でサービスシーン。
    とうとう久留米が魚住にキス。しかも、かなり濃厚なやつ。
    理性の崩壊の瞬間(笑)
    まさか最後にこんなのが待ってるとは思わなかったわ。
    これで一気に進展しそう!
    次が楽しみ過ぎる、久留米はあんなキスしてどうするんだろ?
    魚住もどう反応するんだろう?
    早く読もう。

  • 魚住くんシリーズ第3弾。 シリーズ最大の衝撃というだけはある。 やっと心を取り戻し始めた魚住くん。 そんな彼の前に、過去の魚住くんを思わせるような少女が現れる。 「僕のお母さんになってくれませんか?」 独特の感性で繋がる2人だが、少女は魚住くんの目の前で事故死してしまう。 今まで幾度となく出会ってきたであろう死。 しかし、心を取り戻し始めた魚住くんにとっては大きな大きな「死」となった。 展開が早くて読む手が止まらなかった。 魚住くんの何も感じないところがよかったのに…と思っていたけど、色々な感情を得たからこその辛さがある、とわかった。 BLという一言でくくれる作品ではない。 大切な人を失うというのはどういうことなのか、それを考えさせてくれる作品。

  • シリーズ最大の衝撃、と帯にあって、てっきり帯にあったセリフのことだと思ってたら思わぬ方向から衝撃を受けた。
    まさかあんな事態が待ってるとは…

    魚住が天使の格好をしたりさちのちゃんと久留米たちと遊園地に行ったりするほのぼのさから一転、急にどん底に突き落とされる感覚がもう、魚住の心理描写にもくっきりと出ていて心が痛かった。
    あんなに事故シーンを読むのが辛かったことはない…
    事故を見るとスローモーションみたいにゆっくりに見える、と聞くが、それが文章で丁寧に表現されていて生々しかった。


    それだけでも衝撃なのに、まさかの自殺未遂。
    リストカットなどの描写がたいそう苦手なので、あそこまできっちり描写されるとすごく辛かった。
    血とかダメな人は読むのに勇気がいるシーン。なのに、そこに魚住の痛い、という感覚がないのが魚住がいかに病んでいるかを表していていたたまれなかった。
    読むのが辛いけど、こういうことを丁寧に描いてくれる本はとても好きなので嬉しい。
    しかし久留米も泣くんだなと思ってしまった…ごめん久留米…

  • 魚住が決定的に人間性を取り戻す切っ掛けとなった出来事が、“さちの”ちゃんの死であったのは、どうにも辛すぎる。そんな事がなくても、穏やかに久留米と人生を育んでいけたら良かったのにな、とも思う。魚住自身は意識していないかもしれないけど、魚住を取り巻く友人達は滅多にない最強の布陣だと思う。

  • 魚住くんシリーズⅢ

    久留米が一線を越えちゃった話(笑)

    魚住くんがひとりの女の子と知り合って、心のバランスを失う話。
    誰かを大切に思う事ができるというのは、無くなったときに恐いものかもしれないけど、その怖さのために距離をとってはもったいないのよね。

    想う相手がいればのはなし。

  • 2巻3巻何時間かで一気読み。
    昨日は1巻一気読み。

    ここまでハマった本、久しぶり。

    とにかく泣ける巻だった。
    だけど最後はほんわかする。
    いやーーいい!!!

    4巻まで出てるのね!早く買わなきゃ!
    明日!朝イチで買おう。

    5巻まで出るみたい。
    明日読み終わっちゃった時の喪失感はんぱないんだろうなあ
    読みたいような読みたくないような

  • 魚住の自己完結して他人に助けを求めない姿勢が苦しい。悲しい事件が多い話でしたが、関係が先に進みそうな予感を残して終わっているので、次巻からの展開に期待。

  • 読了後に表紙を見ると切ない……

  • 失いたくないなら、自分が先に消えればいい。そういう魚住くんの危うさとか…。始めて幸福を知ったから失う痛みが分かる。
    読み継がれているのが分かる気がする。

  • 心待ちにしてた作品、第三弾。
    終始、涙腺崩壊の場面があり、ティッシュが手放せなかった…
    徐々に魚住が人並みの感覚を持ち始め、久留米も少しずつ変わっていくのが分かり、嬉しく、もどかしかった。
    かわいいな、魚住くん。

  • 待ちに待ったシリーズ3冊目。
    読みだしたら止まらず、半日で読み切りました。

    読んでいて泣きそうになった。
    魚住が、久留米のことをどれだけ大切に思っているのかが伝わってきて、とても愛おしく思えた。
    最後にはドキドキするシーンもあったし、次も楽しみで仕方ない!!

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著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

榎田ユウリの作品

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