- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041018347
感想・レビュー・書評
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尼崎事件や北九州監禁事件を彷彿とさせるような、おぞましいホラー。その女を家に入れてはいけない、入れたが最後、寄生され、中から食い荒らされ、家族は崩壊してしまう。。
同情を誘って家に入り込み、鈴をふるような美声で相手を賞賛し信頼を得、誰もが抱える悩みや秘密を吐露させ、十分な睡眠時間を与えずに体力や判断能力を奪い、恐怖心と依存心につけ込んで、家族同士憎み合い監視し合うようにし向けて次々家を崩壊させるヤドカリ女 葉月。
赤の他人にかき乱されて、次第に狂っていく家族が怖い。。。望月峯太郎さんが漫画化したら、よりホラーサスペンスとして活きるんじゃないでしょうか。。。 -
実際の事件をモデルにした作品だけあって怖い。
知らぬまにじわりじわりと日常が乗っ取られていく感じがリアル。 -
気になっていた作家・櫛木理宇 さんの作品「寄居虫女」
ブクログさんからのプレゼントに当選して拝読。
嬉しいプレゼント、わくわくしながら本を開きました。
寄居虫女は、家に住み着くというストーリーですが、実のところ、誰にもある心の闇に住み着くと捉えました。
人の持つ、醜い嫉妬心や弱さ。
その部分だけが大きくなると、周りがわからなくなり、不思議な存在である人間までも受け入れてしまう。
読んでいるうちに、非現実ではあるけれど、現実のような感覚になっていきました。
途中から一気読み。
気になるとラストまで読まずにいられなくなり、シャカシャカと読みました。
事件の真相がわかると、親子愛、兄弟愛、の大切さ、そこを育てる家庭の場がいかに大切であるかを感じ、胸が痛くなりました。
醜い心は誰もが持っている。
けれど、それを口にしたことで、なにかがゆがむのかもしれない。 -
平凡な家庭、皆川家にやってきた白塗りの女、山口葉月。彼女はターゲットに決めた家に入り込みその家族を支配し食い荒らしてどこかへ去っていくヤドカリ女。
その女を、家に入れてはいけない。
あまりにも理不尽で残酷で、途中で読むのやめたくなった。でも困ったことに面白いのだ。面白いからやめたいのにやめられないという地獄を味わった。櫛木理宇作品をそんなにたくさん読んだわけじゃないけど、登場人物が理不尽に痛めつけられて読んでるこっちまで心がずたずたになるからしんどい。しんどすぎる。でも面白いから読んじゃうんだよな…
尼崎連続変死事件や北九州監禁連続殺人事件を下敷きに書かれていると思われるこの本。実際こんなおぞましい事件が起こっているっていうことが一番怖い…。
とりあえず…睡眠は大事!!!!! -
「少女葬」「赤と白」と読みこの「寄居虫女」を読了。そして今は「避雷針の夏」を読んでいる。櫛木さんの連続は重さを感じずにはいられない。白灰色、雪、不穏、不気味など共通項がまた陰。楽しく陽気なことは起こらない。ひたすら陰。
タイトルの女、山口葉月。白いゴスロリ風の服装、白くて長い手袋、日傘をさして上品な佇まい。そして年齢不詳な程の厚化粧。それは虐待された痣を隠すため。人の心の隙にそっと入り込んでいく。そしてその家族を破滅させる、それがこの女。
狙われた家庭の三姉妹のキャラがたつ。そして最後は…誰?サスペンスミステリ。 -
装丁がかわいいけども本当に起きた凄惨な事件を参考にした小説。
洗脳していく過程が恐怖。寄居虫女を追う人と交互に描かれるため恐怖が緩和されながら読めた。
角川ホラー文庫 『侵蝕 壊される家族の記録』の改題前の本。
櫛木理宇さんの本は、心理学を学べて面白い。