鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 7343
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018897

作品紹介・あらすじ

何者かに攫われたユナを追うヴァン。同じ頃、医術師ホッサルは移住民に広がる謎の病の治療法を探していた。ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが愛する人々、この地に生きる人々を守るため、選んだ道は――!?

感想・レビュー・書評

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  • 2015年本屋大賞、日本医療小説大賞ダブル受賞作品.‎˖٭*
    強大な帝国が支配する世界を舞台にした希望と勇気の上下巻長編医療×ファンタジー

    膨大な医学、動物学、植物学等を学ばれ、更に物語に組み込むといった著者の上橋菜穂子さんの気力、体力、努力、忍耐…にただただ感服致しました

    私にとって二作品目の著者の作品でしたが、前半戦の不安をよそに、気付いたら沢山の登場人物も難しい漢字や読み方も気にならなくなっていました

    ファンタジーは日頃読んでいる小説とは違って、頭の中で描く想像の世界は千差万別
    人によって違う風景や人物像を想像しているのだなと思うと、それもまた面白いと思います


    __全てを失った男が生きる意味を知った時、全世界の運命が変わる__

    恐ろしい病から人々を救おうとする同じ気持ちを持った二人の主人公が出会った瞬間から物語は面白く展開していき、今作に登場する飛鹿(ピュイカ)に乗ったとごとく、一気に駆け抜けて行きました¨̑̑દ=๑๑(੭•̀ᴗ•̀)੭

    二人の主人公
    最強の騎士団「独角」の最後の頭ヴァン
    そして東乎瑠の支配階層に名をとどろかせる天才的な医術師ホッサル

    移民することにより人や動物、生物、土地、環境が変化し、病の生態系も変化していく

    進化しようとする医術と、これまでのやり方を守ろうとする医術の根本的な捉え方の違い同じ病にかかりながらも治る者と治らない者元々体に侵されていたり、後から体内に侵入されてしまい、生きたいのに生かしてくれない病
    それとは逆に心は死にたいと思っているのに、体は生き続けたいと思っている様に、心と身体は同じではなかったり
    様々な生き物が共存しあいながら生きていく世界
    命の尊さ、無償の愛、政治的な絡み…
    あらゆる角度から見ても、非日常的な世界でありながら現実との結び付きを突き付けられ、思惑が渦巻きます

    コロナ禍を経験し、過去では終わらない今も尚続いている戦争
    少し前の世界的なパンデミックだった最中に読んでいたら、また違う思いで読んでいたことでしょう

    現実とリンクしながらもラストの持って行き方に、そうだ!これは架空の国の話だったんだとファンタジーであったことを思い起こされました

    「鹿の王」という本当の意味にピッタリ寄り添える、流れる様に美しくとても切ない終幕

    孤高であり信念を持って駆け抜けていく二人の男を周りの者達が愛し、追いかけ続けるという絵面がなんとも温かく微笑ましい作品でした(❃´◡`❃)

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      1Qさん、ありがとうございます(⁎˃ᴗ˂⁎)
      記憶があるうちに読みたいと思っています
      『水底の橋』のカバー絵、結構気に入っています
      1Qさん、ありがとうございます(⁎˃ᴗ˂⁎)
      記憶があるうちに読みたいと思っています
      『水底の橋』のカバー絵、結構気に入っています
      2024/05/26
    • hibuさん
      さすが、私には書けない素敵なレビューに作品のことを思い出しちゃいました!
      水底の橋もお楽しみに^_^
      さすが、私には書けない素敵なレビューに作品のことを思い出しちゃいました!
      水底の橋もお楽しみに^_^
      2024/05/29
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、お疲れ様です
      ずっと読みたかった所に、hibuさんがタイミング良くレビュー書いてくれたから読もうと決めたんですよ
      本当ですよ(...
      hibuさん、お疲れ様です
      ずっと読みたかった所に、hibuさんがタイミング良くレビュー書いてくれたから読もうと決めたんですよ
      本当ですよ(◍•ᴗ•◍)
      ありがとうございます
      2024/05/29
  • 読み終わった時に「読み終わった〜」ってなる物語でした
    うん、伝わると思う

    壮大かつ雄大でありながら非常に緻密さを感じる物語でした
    着想から書き終えるまでに10年の歳月を費やしたということでしたが(ずっと煮込み続けたのではないにしても)それも納得の大作でした
    物語の根幹となる「病」に関する考え方や、動植物の生態、辺境民族の生活様式、それぞれの民族の宗教観や死生観、政治の有り様などがきちんと積み上がって土台となりしっかりと下支えしているのでちゃんと“世界“が動いているんですよね

    自分はファンタジーで最も大切なのはそこだと思っていて、物語の表面には出てこないかもしれない“異世界の地図“がちゃんと描かれていないとちゃんと投影できないんですよね

    「ファンタジーとは地図の物語だ」
    (なんかかっこいいこと言った!)

    そして『鹿の王』は運命の不公平を描いた物語でした
    同じ人に生まれながら病にかかる人とかからない人がいる、生まれ落ちた時点で人の貴賤や貧富にどうしようもない差がある、小国に生まれたというだけで正直で慎ましい生活を追われる人がいる
    そんな運命の不公平に大切ななにかを奪われたときあるいは奪われそうになったとき
    そんなときに進むべき道のひとつが示されていた
    ような気がします

    そして運命にあがらいながらひとつの家族が生まれる物語でした

    • ひまわりめろんさん
      ドラクエは結局Ⅰが一番面白かったというじい様の意見
      ドラクエは結局Ⅰが一番面白かったというじい様の意見
      2022/09/12
    • aoi-soraさん
      ひまめろさん、こんばんは^⁠_⁠^
      改めてレビューを読ませて頂き、感動しました。
      さすが、良い事言いますね。
      「ファンタジーとは地図の...
      ひまめろさん、こんばんは^⁠_⁠^
      改めてレビューを読ませて頂き、感動しました。
      さすが、良い事言いますね。
      「ファンタジーとは地図の物語だ」!!
      うーん。唸ってしまいましたよ^⁠_⁠^
      こうゆう壮大な物語って、土台がしっかりしてないと入り込めないですよね。
      そして入り込めないと、ギブアップしがちです(*_*;

      ひまめろさんのレビュー読んで、また読みたいと思いながらも、再読する気力は今はありません(⁠个⁠_⁠个⁠)
      だってこの本、体力がいるんだよね〜。
      2022/09/15
    • ひまわりめろんさん
      アオイさん
      こんばんは!

      そうなんですよね
      良い事言いますよねw

      こういう物語を読むと本当に小説家さんて凄いなってリスペクトしますし
      読...
      アオイさん
      こんばんは!

      そうなんですよね
      良い事言いますよねw

      こういう物語を読むと本当に小説家さんて凄いなってリスペクトしますし
      読む方もなんかちゃんと読まないと!って思ったりして体力使いますよね

      そしてそんな土台のしっかりした『鹿の王』は色褪せない物語だとも思いますので慌てず騒がす再読の機が熟すまで寝かせてもいいんじゃないでしょうか
      2022/09/16
  • 深い。
    元々、硬派なファンタジー小説を書く作家さんと思いますが、これまた硬派なファンタジー小説でした。

    コロナを予見したかのような感染症の知識や生物学などフィクションとは思えない内容でとても読み応えがあります。

    これからどうなるのかという上巻から、下巻に入ると怒涛の展開。もうハラハラドキドキでした。

    ラストのヴァンを探しにいろんな民族が家族のように寄り添って出発する場面がたまらん…。
    きっとヴァンが見つかってみんな幸せに暮らしてほしいって思わせる余韻を持たせてくれたのでしょう!オススメ!

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、おはようございます
      この作品ブクログで面白いと聞いてから、読みたい読みたいとずっと思っていました
      多分一年位前から〜笑
      hib...
      hibuさん、おはようございます
      この作品ブクログで面白いと聞いてから、読みたい読みたいとずっと思っていました
      多分一年位前から〜笑
      hibuさんのレビュー読んで、再燃致しました
      (✿´꒳`)ノ°*❀
      2024/03/31
    • hibuさん
      K村さん、こんにちは!
      最初、登場人物の名前や地名が理解するのに苦労しますが、その後はどんどん面白くなります!
      読んでみてね〜^_^
      K村さん、こんにちは!
      最初、登場人物の名前や地名が理解するのに苦労しますが、その後はどんどん面白くなります!
      読んでみてね〜^_^
      2024/03/31
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、OKですദ്ദി˙◡・
      春のうちに、季節が変わる前に是非読みたい!
      hibuさん、OKですദ്ദി˙◡・
      春のうちに、季節が変わる前に是非読みたい!
      2024/03/31
  • 大きなテーマは掴みました。
    人と領土の相関を掴み損ねましたね。一生懸命頭に図を描いていたのですが。

    まさしく「還って行く者」の意味がよーくわかりましたが、一応続きがあるみたいなので、もう少しがんばってみましょう。

    医学や医術では説明がつかないこと。それは絶対にあると思います。そんな体験をたくさん聞いてきました。生命力はとてつもないと信じています。これからも信じ続けます。

  • 下巻の中盤くらいまで来てやっと独特な読み方に少し慣れてきた。

    最後は色々匂わせて終わったけどきっと森に入っていったみんな幸せになったと思うのだわ。

  • 結末に向かって物語が収束していく過程はまとまりがありとても気持ちが良いものでした。すっきりとした読後感でした。

  • 下巻、ぐんっと物語に引っ張られて一気読み。
    読み終えた後、満足感と寂しさが混じった気持ちにじんわり浸りました。

    ヴァンとホッサル、2人の主人公が出会い、語らうシーンが印象的でした。
    若き天才を魅了するヴァンにしびれます!

    上橋菜穂子作品に描かれた壮大な世界にぐわぁっと飲み込まれてしまっていたせいか、感じたことを上手く文章にできないことが悔しいです…ううう…。

    守りたいものができたとき、強くありたいと思うときに、ぐっと背中を押してくれる物語だと思います。
    ぜひ、もう一度読み返したいです。

  • 「国や組織と同じように、人の身体は幾つもの命の集合体」という視点がとても新鮮でした。自分の身体を理解していて全ての行動は自分が意思決定しているようでも、実は身体の要求に従って意思が形成されていることも多々あるのだろうと。

    人に親切にしなさい。そうすれば自分に返ってきますよ。という幼い頃の教えが腑に落ちた気がします。裏を返せば、蔑ろにしたり無礼な扱いをしたことに対しては、いずれ必ずしっぺ返しが来るのが世の常だと思いました。

    人が決めた肩書やルール無しに、無条件に人を深く愛する描写が最も印象的で、そんな人になりたいし、偏見や思い込みをせずその人自身の人間性をフェアな視点で見て接することができる器の人間になりたいと強く感じました。

    ストーリー全体については、展開に大きなサプライズが無く大方予想通りに進んだのが少し物足りなかったです。

  • 結末までヴァンのように走り抜けるように読んだ。
    人が自然に加わることで変わっていく生態系。そこで生きていくことのむずかしさ。人の傲慢、人の愛しさ。
    ヴァンが最後に選んだことが正しいのかは、私にはわからない。けれどユナとサエの存在が彼に救いの光を与えてくれる。ホッサルはこれからも、自分のやり方で道を進んでいくのだろうと思う。
    これは誰が何と言おうと希望の物語だ!
    だって、ヴァンにはユナとサエがいる。だから、ユナの一言に笑いながら大丈夫なんだ、そう思った瞬間に涙がこぼれて止まらなかった。

  • 一匹の雄鹿が敢然と群れを守る。
    それを鹿の王と言う。

    部族間の争いは古代からつきない。歴史は常に血ぬられている。無くされてしまった、葬り去られた無数の文化。誰が声を挙げるのか。巻き込まれた時、自分は「鹿の王」になれるのか?答をまだ見つけられずにいる。
    文庫の旨さに引き込まれた。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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