鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 4466
レビュー : 582
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018897

感想・レビュー・書評

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  •  ファンタジーは苦手(登場人物が多くて名前と特徴を結びつけるのが大変だから)だがこの作品はサクサク読めた。各登場人物のキャラクター設定が絶妙で、医療や自然といったテーマ性が興味深かったからだ。
     文字を追っていくうちにスクリーンの大画面を見ているような気分になった。すべて理解するのは容易ではないが、また読みたいときに読もう、という気持ちにさせてくれる。
     舞台は架空だが、中国からモンゴル、西アジア、さらにヨーロッパと、広大な地域を想像させる。ファンタジーにつきものの地図を載せなかったのは、「架空」であることを強調するためか。架空であっても地図はほしかった。
     もし映画化、ということになったら、世界中の名優が名演技をする、壮大なドラマを期待しよう。私は読んでいるうちに主人公の顔がどうしてもヒュー・ジャックマンになってしまった。

  • 上橋菜穂子さん「鹿の王」下巻、読了。不思議な犬と出会ってから、身体に異変を感じていたヴァンは、ユナを追って謎の病の背後にある思いがけない存在と向き合うことに。同じ頃、医術師ホッサルは、移住民だけが罹ると噂される病の治療法を探していた。ヴァンとホッサルは愛する人を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道とは。。民族間の戦い、未知なる病との戦い、人の絆と温かさを感じる下巻でした。物静かな強面のヴァンと元気いっぱいの可愛らしいユナ、その他、魅力ある登場人物の言動に惹きつけられ、最後は、優しく温かい終わり方でほっこりしました。是非、映像でも観たいです。オススメ♪

  • さすが!!読んで良かった。

    扱っているのは、
    『民族問題(戦争)』『感染症問題』『宗教と医療問題(施術拒否)』などの現代社会の問題。
    にもかかわらず、どこまでもファンタジー。
    本当に素晴らしい。

    優しくて、残酷で、いたたまれない。

  • 守り人シリーズや、獣の奏者シリーズに比べると、
    登場人物の掘り下げ方が、浅いように感じられます。

    でも、命、病、民族、共生、利害関係。
    こんなにも複雑に色々な要素が絡みあって、
    なおかつそれをファンタジー作品として成り立たせるという、
    上橋さんの手腕に脱帽です!!やっぱりこの作家さんすごい。

    医療に関してまるで不案内な私でも、
    何の抵抗もなく読み進める事ができました。
    ホッサルの従者であるマコウカンの視点が個人的には嬉しい(笑)

    病に罹りながらも生き延びたヴァンと、天才医術師ホッサル。
    2人が出会うシーンにゾクゾクしました。

    人と人との繋がりは、決して血や民族からくるものではないんだ、
    という事を実感させられた作品。
    できることなら、ヴァン、ユナ、サエのその後が読みたい。
    ホッサルとミラルの将来は何となく分かるからさぁ(笑)

  • 犬に噛まれたことによって起こる死の病を追う医者と、その犬に噛まれながら生き延びた逃亡奴隷の目を通しながら、異なる民族間での争いを描く。
    これを異世界もので行なうのが、大変だったろうなと思います。医学の進歩の過程を設定しなければ、病の元に辿り着くことができないので、その流れをも登場人物の口を通して説明するのですから。
    またその病にどう対応するかという点に於いても、征服者と被征服者の関係やそれぞれの民族の持つ倫理観などが入り交じり、単純に病を治す方法が判ればよいというものではないことも物語に奥行きを持たせます。陰謀と陰謀を掛け合わせるような感じなので陰鬱な感じになりがちなのですが、医者であるホッサルの真っ直ぐさと、もう一人の主人公ヴァンが手にする人との営みの描写が温かみを与えてくれます。
    民族を越えてひとつの共同体となる姿を見せて、希望へ向けて終わる。そこが実に上橋菜穂子らしい終わり方でした。

  • 「鹿の王」の意味わかりました。
    ストンと腑に落ちた、という感じ。
    目頭が熱くなる…

    ファンタジーというか、架空の世界で医学について書きたかったのだなぁ。おかげさまで医学の知識ゼロからでも登場人物と一緒にこれもまたストンと腑に落ちた。

    また何度もページを開きたい。

  • Kindleの合本版を一気読み。後半はページを進めるのももどかしいほどで、久々に読書の楽しみを存分に味わった。
    上橋さんの本は設定、文章などなど、全て骨太な印象。がっつりもっていかれる。

  • 上橋さんがこの物語にこめたメッセージがたくさんあるような気がする。でも、行きつくところは、共に生きるということなのかなと。久しぶりに読み応えたっぷりのファンタジーに出合った。何度も何度も読み返すことで、この物語の深さがわかるような気がする。

  • ここで終わってしまうのか!!!でも面白かった。鹿の王というタイトルはそうだったのか。身内と呼べる者がいるあたたかさ。医療とは文化とは生死とは。おもしろい。

  • 図書館で分類された「児童書」とは大きくかけ離れ、医学をベースとした哲学書の様相を持つ難しい書であった。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

上橋菜穂子の作品

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