鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.08
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本棚登録 : 7219
感想 : 752
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018897

作品紹介・あらすじ

何者かに攫われたユナを追うヴァン。同じ頃、医術師ホッサルは移住民に広がる謎の病の治療法を探していた。ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが愛する人々、この地に生きる人々を守るため、選んだ道は――!?

感想・レビュー・書評

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  • 下巻の中盤くらいまで来てやっと独特な読み方に少し慣れてきた。

    最後は色々匂わせて終わったけどきっと森に入っていったみんな幸せになったと思うのだわ。

  • 読み進めるのに時間がかかった。
    端折っても良い部分が結構あったため星3つ。

  • 大きなテーマは掴みました。
    人と領土の相関を掴み損ねましたね。一生懸命頭に図を描いていたのですが。

    まさしく「還って行く者」の意味がよーくわかりましたが、一応続きがあるみたいなので、もう少しがんばってみましょう。

    医学や医術では説明がつかないこと。それは絶対にあると思います。そんな体験をたくさん聞いてきました。生命力はとてつもないと信じています。これからも信じ続けます。

  • 鹿の王、かっこよし!
    地名や政治、人物名も難しく、途中から理解するのを放棄してしまいました‥
    でも、それでも面白かった。
    民族を超えた人と人との繋がりに温かさを感じました。
    絡み合う複雑な歴史や事象を超えて、身近な人を大切にすることから平和が始まるのだろうと、現実の世界に思いを馳せました。

    上橋先生の本全て大好きです。

  • 深い。
    元々、硬派なファンタジー小説を書く作家さんと思いますが、これまた硬派なファンタジー小説でした。

    コロナを予見したかのような感染症の知識や生物学などフィクションとは思えない内容でとても読み応えがあります。

    これからどうなるのかという上巻から、下巻に入ると怒涛の展開。もうハラハラドキドキでした。

    ラストのヴァンを探しにいろんな民族が家族のように寄り添って出発する場面がたまらん…。
    きっとヴァンが見つかってみんな幸せに暮らしてほしいって思わせる余韻を持たせてくれたのでしょう!オススメ!

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、おはようございます
      この作品ブクログで面白いと聞いてから、読みたい読みたいとずっと思っていました
      多分一年位前から〜笑
      hib...
      hibuさん、おはようございます
      この作品ブクログで面白いと聞いてから、読みたい読みたいとずっと思っていました
      多分一年位前から〜笑
      hibuさんのレビュー読んで、再燃致しました
      (✿´꒳`)ノ°*❀
      2024/03/31
    • hibuさん
      K村さん、こんにちは!
      最初、登場人物の名前や地名が理解するのに苦労しますが、その後はどんどん面白くなります!
      読んでみてね〜^_^
      K村さん、こんにちは!
      最初、登場人物の名前や地名が理解するのに苦労しますが、その後はどんどん面白くなります!
      読んでみてね〜^_^
      2024/03/31
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      hibuさん、OKですദ്ദി˙◡・
      春のうちに、季節が変わる前に是非読みたい!
      hibuさん、OKですദ്ദി˙◡・
      春のうちに、季節が変わる前に是非読みたい!
      2024/03/31
  • どうなるんだろう、とドキドキ終わった「上」から、「下」は、スーパーヒューマンとスーパーヒューマンがいよいよ!という感じ。ワクワクゾクゾク。後半から終わりにかけては「ああ、終わってしまう…!」と思うくらいずっと夢中で読んだ。

    犬から見たら、人間はスローモーションで動くものすごく聴覚も嗅覚も愚鈍な生き物なのかもしれないなぁ。犬の一生は私たちから見たら短く感じるけど、犬から見たら私たちの命はだらだらと意味なく続いているように見えるかもしれないな。

  • 面白いけど、ファンタジー過ぎて想像力が乏しい自分には難しかった。

  • ベースはファンタジー小説だけど、色々な要素が散りばめられていて、考えさせられるものがあった。生命の神秘、医学、生物学、望郷の思い、飛鹿や火馬など飼育動物との関係性などなど。
    メインキャラ達が魅力的で、誰しも活き活きとしていた。
    読後感は、根底にある人を慈しむ想いを感じたことと、ズッシリと重厚な世界観に達成感に似たような余韻に浸ることができた。

  • コロナ時代で感染病に恐怖を感じワクチンを待ち焦がれる経験をして、イスラエル辺りの国と民族と派閥やら何やらの複雑な争いにやるせない気持ちになっている今日この頃のタイミングで出会った本。
    コロナより前に書かれてたことに驚いた。
    ファンタジーだけど、リアル。

    そして家族になるっていいな、と思った。
    無事を願う人、願ってくれる人がいるっていいな。

  • 漸く梅雨っぽくなったかなw

    ってな事で上橋菜穂子の『鹿の王 下巻 還って行く者』

    上巻読んで間が結構空いたんで内容も朧げなのと、550ページと言うプレッシャーw

    わし的に内容描写が細か過ぎたかな?

    登場人物に国々の人種や犬や狼や鹿やらで、ややこし過ぎるw

    活字より映像化した方が頭に入りそう(笑)

    終盤の謎解きもなんだかなぁ、結局知りたかったあの感染による裏返りはなんだったん?

    ヴァン、ユナ、サエはあっさり森の中へ…。

    長編にしては後味スッキリせずに疲れだけが残ったかなw

    2015年31冊目

  • 病を完全に根治する、というのではなく完全に隔離するという結末がとても意外でした。現実とかなり近い医療知識があるにも関わらず、そうした原始的な?方法が取られていることで、あ、これ架空の国の話なんだなと思えました。

  • 下巻からは医療の視点がどんどん入ってきて主人公たちの行く末も気になるが、私自身の身体や細菌のことにも興味が湧いてきた。人と人との繋がりを大切にしたい、とも思わせてくれた。

  • 病を治す者
    ホッサル

    死地を求めるはずだった者
    ヴァン

    奴隷に落とされた娘の子ども
    ユナ

    子どもを持てないため
    隠密になった女性
    サエ

    国や恨みやその垣根、それ以上に
    その他の市井の人々が病で死んでしまうのは違う、
    小さな子どもへの愛情、自分と同じような思いをする人、を出したくない
    人の形を失っても、と黒狼たちを人里から離れたところへ引き連れて行くヴァン

    それを取り戻しに追いかけていく
    ユナ筆頭に北地の人たち
    一族と縁を切って追いかけていくサエ

    ヴァンは大丈夫
    と思える最後でよかった

    鹿の王
    群れからはぐれそうになってオオカミに襲われそうな鹿の子どもを、壮年の牡鹿が助けること
    その牡鹿のことをヴァンの氏族では鹿の王という

    だが、鹿では強くても群れから離れれば、オオカミにはひとたまりもない
    子どもは助けれても、その牡鹿は助かることはない
    なまじ力があるばかり、天寿を全う出来ず哀れなことだ、とはヴァンの父親の見解


    生きなければならないが生き続けてはいけない

    精霊の守り人でも思った
    子どもを持てない、子どもを亡くした人が
    自分ではない子ども、縁もゆかりもない子どもを助ける
    それは必然必要で、そのことで救われるのだ

  • 面白かった。壮大な人間ドラマ。
    出自によって置かれた立場がありつつも、最後は「愛する人を守りたいという思い」に勝るものはない。
    病は人間のコントール下にはおけない恐ろしいものであるという認識も新たにした。
    時間はかかったが読み切れてよかった。

  • 読み終わりました〜

    時間かかっちゃったのが、登場人物の関係がごちゃごちゃしてしまったのと(読解力の問題)、ファンタジーに不慣れで良くも悪くも展開が予測しづらかったことがあるかと思います^^;

    下巻の副題が『還っていく者』なので、あのような結末も作者の望む形だったのだろうと思いますが、納得できない感が少し残ってしまいまして。

    それでも未知の病素や自然との共存なども問題に、人間がどう向き合うかという普遍的なテーマが流れているため、考えさせられるところも多々ありました。

  • 大変おもしろい小説だった。病の成り立ちからヴァンたちが生きている今に至るまでの経緯が政治を絡めて分かりやすく書かれていた。ツォルのせいで移民が発生し、人や動物が動き、土地や環境が変わり、病の生態系も変わる。ツォル民が病に罹り、死に、アカファ民だけが助かる理由。ツォルとオタルの医療の根本的な考えというか認識、捉え方の違い、自分の国を取り戻したい民たち、そんな思いを、物語にしたのが凄すぎる。

    国や習慣が違うだけで、生きる運命が変わってしまうという下りが今の地球全体にも起きている事実なんだよなあと思った。

    ヴァンとホッサルの視点交互で話が進み、お互いも違う場所にいるのに一つの真実に向けて、ヴァンとホッサルがどんどん一つの点に向かってくる。その向かう過程で病の原因や、流行した理由、移民たちの気持ちなど読んでいて「なるほど~~」と言わずにはいられなかった。

    みんながおすすめするファンタジー小説納得できます。

  • 一匹の雄鹿が敢然と群れを守る。
    それを鹿の王と言う。

    部族間の争いは古代からつきない。歴史は常に血ぬられている。無くされてしまった、葬り去られた無数の文化。誰が声を挙げるのか。巻き込まれた時、自分は「鹿の王」になれるのか?答をまだ見つけられずにいる。
    文庫の旨さに引き込まれた。

  • 結果として、面白かった。最後半の盛り上がりはなかなか良かった。
    もっとも、いっちゃん最後は気に入らないのだが。

    だが、満足はできていない。何故だろう。
    全体に予定調和が過ぎる。セリフとか、立場とか。それぞれの人物への掘り下げも浅い。全員である必要はないが、ダブル主人公というのが視点が散ってるのかもしれない。
    医療、生命、というのが一つのテーマになっていて、それはとても良いと思ったが、主人公側の医療の知識が突出して「現代医療」になってるのがむしろ興醒めした。
    宗教的な伝統医療の立場は結構なるほどと思わせるところもあり、そっちとの対比をもっと明確にしたらまた違った話になったかもしれない。

    でも多分、文体だろうな
    文章合わないと、今一つ気持ちよく読めないところ。好き嫌い。

  • 未知の疫病のことを主題に据えてはいるが、そこに絡む民族間の思いや主権を守ろうとする国の思いも汲み取ることができ、どんどん読み進めていくことができた。ファンタジーな世界観なんだけど、描写が上手いのかイメージも持つことができるのはさすがと思います

  • 4.0

  • 医学的な部分、民族間のこと、今この時にマッチしすぎていて、考えさせられた。
    面白かった。

  • 何者かに攫われたユナを追うヴァン。同じ頃、医術師ホッサルは王幡領で移住民に広がる謎の病の治療法を探していた。ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道は…。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40217797

  • 再読。こんな話だっけ? 忘れてました。というか、以前はわかってなかったかも。やっぱりすごい。
    7年前に読んでいるんだけど、その時の自分は、この深い結末を理解できていたんだろうか。多分出来てなかった気がする。
    以前は、私の理解できる世界は単純で、いい人と悪い人しかいなかったりした。でも、そんな単純に世界は構成されてなくて、ある人からみたらその人は良い人、ある立場から見たら悪い人であり、利益と陰謀と駆け引きの上に成り立っていたりする。
    それを知ったら、昔の私なら、それを不誠実だと思ったかもしれない。誰も信じることが出来ないと思ったかもしれない。与多瑠が、優しさだけじゃなく冷静に計算して人々を治めている姿に、チイハナの冷酷さに、まるで裏切られたような気持ちになったかも。
    でも、7年歳を重ねて、社会で生きていくためには、そういった計算がなければ成り立たないことを理解した気がする。
    優しさ、きれいごとだけでは治められない。だったら治めなくて良いと投げ捨てれば、それは大きな悪となったりする。それを理解した今だから受け取れたものってある気がする。
    それを、遠慮一切なく、上橋さんが書き切っていることに胸熱。
    『他者の命を奪おうとするもの、他者の命を支えて生きるもの、雑多な生き方がせめぎ合い、交じり合い、流れて行く、このすべてが、生きる、ということなのだろう』
    世界も社会も人も、そうやって複雑怪奇の中を生きてる。のかも。
    そう思った。

    ヴァンは、自分の持っている力を、人を助けるために使うことを選んだ。それがもう胸熱すぎる。尊すぎて、涙が止まらなすぎる。
    亡くなった奥さんと息子さんに問いかけながら、『死者は答えぬ。ーー答えはいつも、我が身のうちにある』と自分の選択として選び取ったところがカッコ良すぎる。
    そして、キンマの犬たちを殺さず、病を抱いたままでも生きていけるところを求めて駆けて行った姿が素敵すぎる。
    大人で、世の中の不条理さをわかってるヴァンがした選択だからこそ、尊すぎる。

    ヴァンはユナを温かい家族に託して行ったけど、ヴァンが慈しんだ人々が、ヴァンを独りにはしなかった。
    きっと、みんなで幸せに暮らしたと思うんだ。
    そうやって、誰も傷つけずに生きていける世界は作れると思うんだ。とっても難しいけど。

    本当に素晴らしい作品です。最高。何度でも言いたい。最高。もう一度言いましょう。最高。最高。

  • 未知の疫病について発生した経緯や疫病に免疫のある人ない人の違いなど医学的に色々明らかになっていく過程がすごく面白かった!
    即効薬や予防薬の仕組みとかもわかりやすくて、確かにコロナ前に読んでおきたかった。

    ホッサル視点の話はすごく興味深くて面白かったけど、ヴァンとユナ視点の話は個人的には不完全燃焼だったかも。最後までなぜ2人には身体の変化が起きたのかの理由がよくわからなかったし2人の今後も読者側に委ねられすぎてたような気がした。

  • 黒狼熱、、、ウィルス兵器みたいな話だった。

  • 映画は観ていませんが。うごくユナもかわいいんだろうな。

  • 生きることを諦めたヴァンが様々な人と出会い、生命を考え、再び生きていく。
    医術師のホッサルは人を、国を救おうと道を探す。
    壮大なスケールのファンタジーですが、その世界観にすんなり入っていけました。
    コロナウイルスが蔓延した現代とリンクする部分もあって、非常に考えさせられました。
    また時間をおいて再読したい本です!

  • 上巻は、ストーリー以外に、人が病とどう向き合ってきたか、向き合っているか、という部分が興味深く、考えさせられた。

    下巻はこの世界の政治がメインで、謎がどんどん明らかになっていくが、読みやすい文章で目が滑ってしまうのと、上巻を読んでから少し時間が空いてしまったのもあって、途中や氏族の関係性がごちゃごちゃしてきた。
    もっと理解しながらしっかり読めればよかったが………

    物語はぷっつりと終わりを迎えてしまって、あれ?と思ってしまった。
    ヴァンとユナがどうなったかを語らないのは知りたいとは思うけど納得できる。帝国とオタワル医術はどうなっていくか、ということも、ホッサルがなぜ医術を志したかという原点に返ったことで、彼が政治とどう向き合っていくのかも想像できる。
    だけど「ここで終わり?」感はあった。
    何があればよかったかはよくわからない。

  • 児童書ですが大人が読んでも面白いファンタジー小説です。ファンタジーあるあるですが専門用語が多くて最初は大変ですが、ストーリーに引き込まれてさくさく読めます!
    子供が大きくなったらオススメしたい本です。

  • クソおもろい。疾走感えぐい。最後一緒に野を走った気がする。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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