鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.04
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本棚登録 : 4438
レビュー : 578
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018897

作品紹介・あらすじ

何者かに攫われたユナを追うヴァン。同じ頃、医術師ホッサルは移住民に広がる謎の病の治療法を探していた。ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが愛する人々、この地に生きる人々を守るため、選んだ道は――!?

感想・レビュー・書評

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  • 上下ともに分厚いハードカバーなのに紙が薄く、ページ数が多かった.登場人物も多めで、独特の読み方をさせる固有名詞も多かったので、一時中断したときはコレ誰だっけ(汗と巻頭にある人物の名前一覧を見返した.でも、親切にルビがふってあったので、そこまで混乱せずに読むことができた.
    鹿の王というタイトルから「一番」とか「強い」とか「権力」ということばを想像していたけど、実際はそうではなくて、仲間が生き延びるために勇敢に戦う者、犠牲になるもののことをいうのだということに、深い感動を覚えた.
    いつの時代も為政者は己の国、民族、慾のために動くことが多い.そんな中、民族を超えて、利害を超えて、病に立ち向かおうとする人々の物語だった.
    いろんな奥深さが潜んでいる作品.時間が経ってもう一回読んだらまた違う感想が湧きあがってくるのかもしれない.
    再読したらまたここの感想を変更するかも.

  • 下巻、ぐんっと物語に引っ張られて一気読み。
    読み終えた後、満足感と寂しさが混じった気持ちにじんわり浸りました。

    ヴァンとホッサル、2人の主人公が出会い、語らうシーンが印象的でした。
    若き天才を魅了するヴァンにしびれます!

    上橋菜穂子作品に描かれた壮大な世界にぐわぁっと飲み込まれてしまっていたせいか、感じたことを上手く文章にできないことが悔しいです…ううう…。

    守りたいものができたとき、強くありたいと思うときに、ぐっと背中を押してくれる物語だと思います。
    ぜひ、もう一度読み返したいです。

  • 「父が言っていた。人というのは哀しいもので、なにをやっても、どこかに悔いが残るもんだと」
    下巻で一番印象に残った言葉は、そんなに自分にとって新しい言葉ではなかった。
    新しい考えを教えてくれた言葉は他にもあったし、この物語の広がりにもただただ驚いた。
    今までも自分は混沌の中を生きているのだと感じてきたけれど、「混沌」という言葉に入れて個々を見てこなかったもの(恐ろしいもの、美しいもの、愛おしいもの)のことを受け取りやすい物語にして語ってくれた。
    自分が生きている世界にも、自分の身体の中にも、たくさんの命と心があって、全てが違う存在で。
    途方もなくて何から考えていけばいいのかも分からない。
    でもこの物語の広がりを感じることは必要なことだったと思う。
    そしてその上で最初に引用した言葉にやはりどうしようもなく心動かされてしまう。
    それは自分の行いについても、他人の行いについても、同じなのだ。
    この物語の中で生きている人々は誰も自分の命を捨てていない。
    望みに向かって生きた結果の死はあったけれど、物語の都合で行動していた命はなかった。
    そして全ての行いは善でも悪でもなくて、正しくも間違ってもいないんだと思う。きっと。
    善いことだ。正しいことだ。と信じられる生き方をしても他者を傷つけるし、命を奪ってしまう。
    だから何をされても仕方ないとか、そんなことを言いたいわけではないけど、全ての行いにその命の思いがあるということを知っておきたい。
    その行いを悔いる心を相手も持っているんだということも。
    そう信じられるようになりたい。

  • もうなんと言うか、思いが溢れすぎて言葉がうまくまとめられない。
    それほどまでに壮大で深いテーマの物語だったと思う。
    ファンタジーで架空の世界のお話なのに、現実にまるであるかのような緻密に作られた世界観の凄さは今回も健在。

    まさに上橋ワンダーザワールド!!

    一体上橋さんの頭の中はどうなっているやら・・・
    病・医療・政治・民族同士の争いと繋がり。
    そこに広大な自然に住む獣達が複雑に絡まりあって、正直凄く凄く重いテーマだと思う。
    でも、そんなことも微塵も感じさせないほど一気に物語に引き込まれて最後まで駆け抜けるように読んでしまったというか読まずにはいられなかった程惹きつける魅力を放つ物語にすることのできる上橋さんはやっぱり世界のファンタジー作家だと思う。

  • 好きな終わり方だった。

    「還って行く者」
    ただそれだけの終わりだったら、言葉にしづらい嫌な読後感が残ることになっただろう。

    それだけではない終わりに、(あぁ〜読んでよかった)という読後感がある。

    それぞれの「想い」に突き動かされて「死」を選んでいく。
    「死」を見つめるからこそ生きる覚悟と希望が生まれていくのだなーと噛みしめる。

    面白かったです。

  • 著者の作品ずっと楽しみにしていました
    大人向けです
    「守り人」「獣の奏者」よりもっと大人向けです
    世界観
    すごい
    生きることのすべてが織り込まれている
    だけど 時間がとれなくて一気に読めなかったから
    地名・人名・民族・動物がごちゃごちゃになり、もう一度読まなければと思う
    ラストの余韻がずっと響いている
    《 立ち向かえ 病も支配も もがきつつ 》

  • 一度読んだだけでは、物語が頭の中で消化しきれない!
    正直言って難解。難しい。
    守り人や奏者より大人向けな印象でした。
    もはやファンタジーなのか。

    簡単に言ってしまえば、動物と医術なんだけど。
    何だろうなー、この答えの出ないもどかしさみたいなの。

    謎の病が発生した岩塩鉱から生き延びたヴァンとユナ。
    その治療法を探す天才的医術師ホッサル。
    東乎瑠の移民に故郷を奪われるアカファの人々。
    それぞれの民と深くかかわる固有の動物。

    終わり方が何とも言えない。
    ヴァンとサエとユナで寄り添い合って生きていてほしい。

  • 結末までヴァンのように走り抜けるように読んだ。
    人が自然に加わることで変わっていく生態系。そこで生きていくことのむずかしさ。人の傲慢、人の愛しさ。
    ヴァンが最後に選んだことが正しいのかは、私にはわからない。けれどユナとサエの存在が彼に救いの光を与えてくれる。ホッサルはこれからも、自分のやり方で道を進んでいくのだろうと思う。
    これは誰が何と言おうと希望の物語だ!
    だって、ヴァンにはユナとサエがいる。だから、ユナの一言に笑いながら大丈夫なんだ、そう思った瞬間に涙がこぼれて止まらなかった。

  • 初読みの作家さん。正直、上巻はなかなか読むのが大変だった。特に登場人物の名前が難しく(馴染みのない響き、似てる名前)ストーリーの進行も読めなくて(精神世界の話が出てきたり、医術の解説があったり、何となくちぐはぐな感じ)だが下巻に入りやっと筋書きが読めて、ようやく本の世界に入り込めた。タイトルから予想する内容とは全く別物。ファンタジーという括りは相応しくないような。もっと骨太。

    • kakaneさん
      こんばんはchieさん。
      たしかに従来のファンタジーの括りでは適当でないかもしれないが、この作家の世界観には惹きつけられるものがあります。ま...
      こんばんはchieさん。
      たしかに従来のファンタジーの括りでは適当でないかもしれないが、この作家の世界観には惹きつけられるものがあります。また、この作家を読みたいですね。DVDのアニメでは守り人観ましたが、小説のほうが良さそうです。それにしても読むペースが速いですね。
      2017/12/11
  • ようやく主役の二人が出逢った瞬間、鳥肌が立った。
    そして「鹿の王」の意味を知った時、彼が最終的に選ぶ道が想像できた。

    それはとても悲しく険しい道。
    でも彼らしい潔い決意に拍手を贈ると共に、そんな彼をどこまでも追いかける温かい家族が、きっと彼を見つけ出すと信じる!

    動物も虫も植物も人間も、地球上の全ての生き物が常に持ちつ持たれつで共存して生きていることを改めて教えてくれた作品。
    人と人、人と生き物の深い絆に感動した!

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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