さあ、地獄へ堕ちよう (角川文庫)

著者 : 菅原和也
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年8月23日発売)
3.13
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  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019368

さあ、地獄へ堕ちよう (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 主人公であるミチは周囲に上手くあわせることが苦手だ。
    だから馬鹿のフリをして、笑ってその場をしのぐこともある。
    だけど、どうしようもないくらいに感情を抑えられないことだってたまにはある。
    冒頭でピンクのフリフリ衣装を着て、自分の感情を切り離して、人形のようにステージに立つミチがいる。
    結末近く、やけにパワフルで行動的で、情け容赦がないくらいにためらいのないミチがいる。
    そして、彼女が変容していく過程の描き方は、けっして丁寧ではない。
    そのために、読んでいてもどこかしっくりとこないギクシャクしたものを感じてしまう。
    作者である菅原さんにはすべてわかっている。
    菅原さんの作り上げた世界の中で物語は進み、ミチや登場人物たちが殺したり殺されたりしながら結末へと向かっていく。
    だが、読み手であるこちらにはその世界を理解するだけの猶予がない。
    丁寧な描写もなく、提示された抽象的な世界を観念で捉えることで精一杯だ。
    刺激的な場面は多い。
    過度に残虐さを強調しているわけではないが、かなり刺激は強い。
    グロテスクな場面が苦手な人にはあまり薦められない物語だ。
    もう少しミチの内面が理解できたら。
    もう少しミチに共感できる何かがひとつでもあったら。
    それでも、最後まで読ませる何かがある物語だった。

  • SMバーで働くミチが幼馴染に出会い「地獄へ堕ちよう」というサイトを知る所から物語が加速していく。
    身体改造、ボディサスペンション、ブレインピアスなどエログロの世界がリアルに描かれている。そして「地獄へ堕ちよう」のサイトの正体は本当にありそうな話。色々と残酷な話ではあるが不思議と読了感は悪くない。

  • 向精神薬を乱用するSM嬢の主人公はある日幼馴染と再会する。自分で自分の目をくり抜いたという噂をあっさり肯定する青年はことも無げに殺人を告白し、遺体写真を掲載したサイトの存在を主人公に教えたことをきっかけ主人公の倦み切った日常が激変する。身体改造や遺体の描写が鋭利で残虐なので読み手を選ぶ作品ではあるし、主人公が一線を越えてしまう契機とその超えっ振りには納得がいかない部分もあるが読ませる文章でもある。ミステリとしてどんでん返しも用意されているが、アングラ系エンターテインメントの要素の方が強いかな。

  • 【ブックオフ108円】作者の年齢、デビュー作と考えたら軽く読めるのかなと思っていたが、意外とそうでもなく内容は今風ではあるが、ちゃんとした内容、ミステリになっていたのにはビックリした。殺人方法については怪しい某インターネットサイト【ストロベリーナイト】を彷彿させるものがあった。ただ残念なことにドキドキ感が全くないのが惜しい。ドキドキ感は、何をおいても「殺人鬼」シリーズを超えるものがないと改めて感じた。といいながら、この本はそれなりに割と楽しく読めた。他の作品もあるみたいなので機会があれば読んでみたい。

  • グロい。なんだろう、起きてることはそこそこの事なんだけど、やっぱりグロい。描画力の差か。でも、これが映画化されたらとても美しい作品になるんだろうなと思った。著者がこれを発表したのがわずか24歳とは、とても思えない。

  • 醜くも美しく、グロテスクだけども清々しい、破滅と希望に溢れた珍しい気持ちの良い作品でした。逸材です。次回作が楽しみ!

  • 前半は少しダラダラとした展開だったが、後半は非常にスリリングでおぞましい展開が続く。

    主人公は会員制のSMバーで働く22歳のミチ。ミチが幼馴染みのタミーと出会い、『地獄へ堕ちよう』という裏サイトを覗いた事から、次々と事件が起こる。次第に明らかになる『地獄へ堕ちよう』の秘密…

    金原ひとみの『蛇にピアス』も、ぶっ飛ぶような身体改造の描写。悪魔的な凄惨な殺人は、ウイリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』を彷彿とさせる。

    デビュー作にして、横溝正史ミステリ大賞受賞作。荒削りではあるが、かなり力のある若い作家がデビューしたものだ。

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