てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2014年9月25日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041019399

作品紹介・あらすじ

フグの毒で客が死んだ事件をきっかけに意外な展開をみせる表題作「てとろどときしん」をはじめ、大阪府警の刑事たちが大阪弁の掛け合いで6つの事件を解決に導く、直木賞作家の初期の傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪府警の捜査一課の刑事たちを主人公に据えた短編集。
    刑事同士のコッテコテの大阪弁による漫才みたいな掛け合いが面白く、話もサクサク進むので読みやすかった。

  • 表題作「てとろどときしん」含む6作の大阪府警・捜査一課事件報告書
    「てとろどときしん」は、1987年2月オール讀物に掲載 黒川さん初の短編小説だそう
    2023年、令和5年に読むと36年も前になるのか
    いまの時代と合わない、だいぶ変わっているところもあるが、悪人のやることは同じ いまも昔も、犯罪は、手口は変わるが、なくならない 金に目がくらんでの殺人、下着泥棒、男女の愛のもつれ
    一つひとつ、裏を取り、聞き込みをして、真相に迫る、刑事とは大変な仕事だと毎回思います

    最近、黒川さんの初期の作品ばかり読んでいたので新作も早く読まなくては!

  •  大阪府警の捜査員を描いた短編集。

     2話目と6話目は容疑者や事件関係者の視点で、残り4話は捜査員の視点で描かれている。全6話。再読。

         * * * * *

     個人的に気に入っているのは「黒マメ」コンビが捜査に当たる話。(1・4・5話)

     マメのマメさと卓越した推理力が痛快なのはもちろんだけれど、黒マメの会話が何と言っても軽妙でおもしろい。テンポがよくてユーモラス。往年のオール阪神巨人の漫才を彷彿とさせるしゃべくりです。

     そして全編に渡って、会話部分で物語を展開させる手法も見事です。もちろん会話でごまかしてしまうような作りではありません。
     短編で勝負を早くしなければいけないという縛りがあるにも関わらず、どの話も読み応えがあり、謎解きが納得いく展開だったのもよかった。

     ぜひ黒マメコンビの長編を読んでみたいと思いました。

  • 大阪府警の捜査一課の短編集。大正区とか西区とか懐かしい地名が続く。祖父母が大正区で暮らしていたので、昭和の香りが漂う町並みが目に浮かぶ。黒マメコンビの大阪弁の掛け合いも絶妙で、事件を忘れてしまうほど。あっという間に読んでしまったのが もったいない(笑)この作家さんの本は、初読み。早速、黒マメコンビの作品を探すとしますか。

  • なんでタイトルは、ひらかなやねん。

  • 【内容】
    ・短編集。それぞれの事件そのものは一見よくあるタイプですが暴かれる真相にはかなり意外性あります。

    【感想】
    ・それぞれの事件に関わってくる刑事を中心に登場人物たち(とくに会話)が魅力的なミステリ。
    ・ちょっと前の大阪が舞台で、地元なんで知ってる地名がよく出てきて場所のイメージしやすいです。世の中には東京が舞台の話が比較的多いんで東京の人は有利なんやなあ。
    ・関西弁がとても自然で読みやすいです。達者やなあと思いました。といいつつぼくも純粋な関西人とはちゃいますけど。

    ▼簡単なメモ
    【一行目】「ほんま、何でこんなえらいめにあわなあかんねやろ」

    【黒さん】黒木憲造(くろき・けんぞう)。住居は天神橋筋六丁目のゲタばきマンションの三階。ウチの仕事場のすぐご近所やな。
    【誠一】吉永誠一。大阪府警捜査一課深町班所属の刑事。デコちゃんにベタぼれ?
    【槌田】日興新聞のベテラン記者。サツ回り。
    【デコ】吉永照子。誠一の妻。誠ちゃんにベタぼれ? 公設市場で父親のやってる「岩朝(いわき)塩干店」を手伝っている。探偵として優秀。
    【寺田稔】大正署捜査三係の刑事。誠一とは警察学校の同期。
    【野村】大阪府警捜査一課の刑事。
    【文田】誠一の同僚。
    【マメちゃん】亀田淳也(かめだ・じゅんや)。大阪府警捜査一課宮元班刑事。黒さんの相棒。三十近くだが童顔小柄でころころしてるので「マメダ(豆狸)」のマメちゃん。おしゃべり。その辺が武器で刑事としての性能はよい。あだ名の通りマメな性格。千里ニュータウンの公団住宅に妻、娘といっしょに暮らしている。
    【三柴/みしば】大阪府警捜査一課の刑事。
    【宮元】大阪府警捜査一課。頭頂部が禿げて短い前髪をなでおろしているところから「バテレン」と呼ばれている。
    【メガネ】羽曳野南署の刑事。
    【モヤシ頭】羽曳野南署の刑事。

  • 黒マメコンビ、大阪弁、最高でした。構成もきちんとしていてわかりやすい。

  • 大好きな黒川さんの短編集。
    関西弁の刑事コンビの会話の掛け合いがおもしろかった。
    やっぱり短編より長編が読みたくなった。

  • 2020.09.20.読了
    安定の短編集。

  • 良かったですよ。ただ警察物って夜中に読むと何だか薄ら怖くなるので、昼間の方が良いね。大阪弁で綴られるかんじとても読みやすくて好きです。後妻業もいっぺん読んでみようかなぁ?

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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