バチカン奇跡調査官 月を呑む氷狼 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019696

作品紹介・あらすじ

ノルウェーの研究都市でFBI捜査官・ビルは不可思議な事件に遭遇。屋敷の主人は氷漬けの密室で凍死していた。神話に伝わる氷狼の仕業か。平賀とロベルトに調査を依頼するが、事件の裏にはあの男が――!?

感想・レビュー・書評

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  • ノルウェーの町で、月から血がにじみ出て、月が突然消え失せ、渦巻きの火花が散り、同時にある邸宅の室内では、僅かな時間の間に男が何トンもの氷で凍死するという事件が起こる。これは、連続殺人事件のひとつであり、そこへ北欧神話のハティとスコルという狼が関わっているというのだ。さらに、脳移植手術、クローン人間、無限大数の方程式、多重人格などが絡んできて、不思議なことがてんこ盛りである。解決に当たるのは、何故かバチカン奇跡調査官のロベルトと平賀なのだが、それぞれの持ち味を生かして、事件の真相を解き明かす。最後に、キリストの聖杯と聖槍が出てきて、やっと奇跡調査官らしくはなる。なんだかんだと力技であるが、奇想天外な事件をちゃんと解明してしまう。2人の奇跡調査官の個性の違いも面白い。

  •  今回はトリックも展開も割とシンプルにまとまっていて、歴史宗教やオカルトの蘊蓄も少なめなので、すっきり読みやすい印象。液体窒素を使った仕掛けは、シリーズでこれまでに登場したトンデモトリックの中では、一番すんなり受け入れられたかもしれません。それにしても、北欧神話に登場する単語の、中二心をくすぐられることと言ったら……(笑)

     相変わらずの平賀の空気の読まなさぶりに癒されつつ、前作よりは奇行が目立たないのでちょっと残念。その分、新キャラのミシェルさんの天然ぶりが目立ちますが、彼は本当にあのままのキャラなのか、それとも本性があったりするのか……ちょっと気になる存在です。今後のローレンの動きにも注目ですね。
     そしてシン博士の情緒不安定ぶりが心配なんですけど、大丈夫かこの人。最後に引き取られることになっただろう、あの生物が、今後もふもふのマスコットとして癒しポジションを確立してくれることに期待します(笑)

  • 妹より。

    今度は北欧モノ。え、こんなところに本物の聖杯が!?(笑)
    詳しくないからこそ、楽しませてもらって感じがします。
    ロベルト、生きてて良かったよ。

  • シリーズを亀の歩みで読み進めている弊害が出てきた。冒頭のビル視点の章、デンバーの事件……デンバー……と遠い記憶を掘り起こしつつ検索して、やっと符合。ビルの家族のぞっとする終わり方をした『ラプラスの悪魔』か!
    残念な記憶力により物語の楽しさが少し損なわれたのは否めないが、今回もするすると読了。祝祭の最中に月が消えて氷漬けになるなんて、一瞬本当にファンタジーが発生したのかとドキッとしたけれど、平賀の隙のない謎解きで着地するのが気持ちいい。事件のベースになる北欧神話の解説のくだりも、興味深く読み込んだ。
    チャンドラ・シン博士のバックグラウンドも開示され、胸が絞られる気持ちに。機械仕掛けのような振る舞いをするけれども、とてつもなく人間くさい人だなあ。やはりこのキャラクターは好きにならざるを得ない。初登場のミシェルも愛嬌があって微笑ましかった。
    失踪したローレンの謎も深まっている。平賀ではなくロベルトに関心のフォーカスを合わせていた……?「天使と悪魔」のワードから、ラストのマスターはローレンのことだとは思うのだけれど。あと、あの一瞬の登場で圧倒的な存在感を残したジュリア司祭にもゾクッとさせられる。風呂敷がどんどん広がっている印象があるが、物語はどのように着地するのだろうか。この先も楽しみに読み進めたいと思う。

  • 今回はノルウェーが舞台となり、北欧神話に纏わる事件。
    FBIのビルと彼の相方となるミシェル。
    そして平賀&ロベルト。
    この4人で事件に挑むわけですが……
    神話と科学が絡み合う感じが独特で、阿呆な私は不思議な混乱に陥りました(苦笑)
    ミシェルのどこか頼りない感じは読み手としては面白かったです。

  • ホントにスプリンクラーと液体窒素でそんな風になるのか検証したい。
    すごく気になる。

  • 図書館で。
    色々と寒そうなお話。ビル捜査官は結構可愛げのある方なので是非幸せになって頂きたいのですが…

    というわけで思わせぶりなローレンさんの表紙ですが、彼の活躍はあまり無く(?)、またもやジュリア神父(仮)の暗躍で幕引き。彼の組織はそんな風に色々と問題のある人物とか曰く付きのモノばかり集めて大丈夫かな?内部崩壊とかしないんだろうかとちょっと心配←余計なお世話だろうけど。

    連続殺人にしなきゃ良かったのにね~とか思わなくもない。シンさんはちょっと可愛いと思う。うん。

  • 今回は北欧ですか、これまた寒いところにきましたねぇ〜
    寒ところならではのミステリー
    そして圧倒的なリアリティのタネ
    シン博士の過去とか色々出てきて、なんとも魅力的な内容でございました。
    しかしまぁ、よ〜け考えますねぇ〜

  • 北欧ベースのお話。元々北欧神話等々好きだったので読んでて楽しかった

  • 20190819
    バチカン奇跡調査官シリーズ8巻。FBIの捜査官ビルに頼まれ、ノルウェーの町で起きた氷付けの部屋の謎に平賀とロベルトが挑む。
    ロベルトに完全に操縦法を習得されつつあるが、ある意味平賀に近い真っ直ぐなシンの存在感。今回のトリックはやってやれないことは無さそうな気がする。ロベルトは大変な目にあったが、例のお方は全くもってフットワークが軽い。平賀、ロベルト、ビル、シンのチームはバランスがいいなぁと。ローレンはまだよくわからないが、シンの方が好きかもしれない。

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著者プロフィール

大阪府出身。1998年『陀吉尼の紡ぐ糸』でデビュー。ミステリーや伝奇など、多岐にわたるジャンルで活躍する。「バチカン奇跡調査官」シリーズは累計140万部を突破するヒットとなり、アニメ化もされた。他の著書に「朱雀十五」シリーズ、「陰陽師 鬼一法眼」シリーズ、『太古の血脈』など多数。

「2022年 『バチカン奇跡調査官 秘密の花園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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