ののはな通信

著者 :
  • KADOKAWA
3.61
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  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 586
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019801

作品紹介・あらすじ

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。
庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なののと、
外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。
二人はなぜか気が合い、かけがえのない親友同士となる。
しかし、ののには秘密があった。いつしかはなに抱いた、友情以上の気持ち。
それを強烈に自覚し、ののは玉砕覚悟ではなに告白する。
不器用にはじまった、密やかな恋。
けれどある裏切りによって、少女たちの楽園は、音を立てて崩れはじめ……。

運命の恋を経て、少女たちは大人になる。
女子の生き方を描いた傑作小説。

感想・レビュー・書評

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  • ののとはなの手紙やメールのやりとりで構成されている。横浜の高校時代から40過ぎまで、中断されている時があるもののの、二人のやりとりは続いていた。若い時には若い時なりの感情・表現で、歳を追うごとに、年齢なりの表現になるとともに二人の人間としての成長、熟成も感じられる。簡単に親友というだけでなく、本当に運命的なベストマッチングなのでしょう。愛情の在り方や仕事のことなど、刺激しあって、また一人一人成長して…、でも二人の信頼は深まっていって、素敵に書かれていました。二人の愛情の形が最後はああなってても私は満足でした。高校生の話題、教育、将来、仕事について、過去の愛情(遺跡)の問題だけでなく、争いや地震についてなど幅広く盛りだくさんでした。それなりの年齢の読者の方は、似たような感情だわ、と思うとこあったのではないでしょうか(私の拙い表現ではこの内容はうまく書けない)。大河だ、しをんさんもこういう内容書くのねと、これからもしをんさん作品がより楽しみです、今までの面白い内容ももちろん好きですが。

  • 20年。生まれてすぐの赤ちゃんが成人式を迎えるまでの時間。想像するととても長い時間だ。
    二人の少女が出会い、愛し合い、別れ、そして再び出会う。その時間の濃密さを思う。
    過剰に書き込みたくなるような二人の関係を、手紙とメールの文面だけで追う。地の文がないから余計に想像が膨らむ。手紙が途絶えている間の、二人の思いが自分の中で積み重なっていく。
    女同士だからこその愛し合い方。そこには単なる個人と個人の「愛」では測れない大きく深い何かがある。
    女子高ゆえの甘やかな関係、などという軽やかなものではない。その「愛」を知ったからこそのその後の二人の人生の変遷。別れたからこそ続く愛もあるのだ、としみじみ思う。
    やりとりされる年月日を見つつ最悪の終わりを想像してしまったが、そんな予想をはるかに陵駕した大きな物語へとつながる。物語は終わらない。愛に終わりはない。

  • お嬢様高校時代から二十数年間に亘る、ののとはな、二人の女性の往復書簡形式による大河小説。クラスでの回覧メモのこともあれば速達ハガキのこともあり、現代ではメール中心になるが、そんな中で二人の友情もありそれ以上の関係だったり以下の関係のことも……。世間の情勢も含め、時の流れを強く感じさせる作品であった。

  • ミッション系の女子校に通う野々原茜と、牧田はなの往復書簡。
    少女たちの不器用でひたむきな想いがいっぱいの手紙はあまりに芳しく、思わずむせてしまいそうだった。授業中にまわすメモの可愛らしさ。
    最初はそうしたやりとりも関係性も、乙女たちの一過性の病のようなものだと思いながら微笑ましく読んでいたのですが、ある秘密がバレて決別をえらぶところからはまるで別の物語になったかのようでした。

    まだ高校生だったののが書いた言葉「たとえ同性しかこの世にいなかったとしても、ひとは恋をするし欲望を感じるようにできている。」結局これがすべてなのだろう。
    ののは、はなと出会ってひとになったのだ。性別の入り込む余地はなく、恋や友情とは言い表せないほどの必然的な強烈さで、ひとはだれかを好きになる生き物なのだ。

    たとえ会えなくても、時間がいくら過ぎようとも、そのだれかを愛し愛された記憶があれば生きていける。抗えない日常をくりかえし生きながら、思い出し、想像しつづける。ひとが手にすることのできる最もうつくしいものは、そうしたダイヤモンドのような記憶なのだ。記憶を信じて、ひとはそれぞれの人生を一人で生きていく。

  • 三浦しをんさんの作品はずっと読み続けてきているが、この一作には「渾身の」力が込められているなと感じた。
    作品にとって長年書きたかったテーマに取り組んでいるんだなと勝手に思ってしまったのだが、中身が詰まっている分、読み通すのに時間がかかった。充実感があり、ひとつ乗り越えられたのでは。

  • 運命の恋は男女がするもの…とは限らない。
    たとえそれが女の子同士でも運命の恋はある。
    ののとはなが文通で交わす蜜月を読者は盗み見する形で話は進む。
    他人のしかもなんとも親密な手紙をこっそり盗み見すると言う背徳感。
    いけないことだと分かっていながらも、内容が親密な二人の恋の語り合いなだけに余計気になってしまい読む手が止まらない。
    この人と別れたらもう残りの人生は死んでるも同じだと全力で言い切れる恋が出来ると言うのは、誰もが出来る経験ではないだけに羨ましい気もする。
    なんだか尊い愛の形を見た気がして、そっと最後は本を閉じた。

  • 3.8
    なんか不思議な本だった・・
    序盤、延々と繰り返し続くのは、主人公・二人の女子高生の間でやり取りされる幼稚な手紙。(結局最後までその形態は続くのだけれど・・ののはな通信だけに)

    秘密の花園でも出て来た教師と教え子の不倫、当節流行りのガールズラブ。
    正直しんどい。珍しく途中放棄しようかと・・
    しかし三章からガラッとその様相を変える。
    物語は20年の時を一気に超え、甘ったるい少女漫画から現代社会の抱える数多の不条理を描くものへと変化する。
    後半のそこかしこに散りばめられた言葉のリズム感?と言うか「響き」は、三浦節とも言うべき心地良さ。

    舞台は「秘密の花園」と同じ女子高・フランチェスカ。主人公・野々原茜と牧田はな。二人の関係は仲良しの友から唯一無二の存在へ・・そして、すれ違い、裏切り、破局、別離、再会そして再びの・・


    a striking passage

    すべての事は
    「喜び」以上の「悩み」や「苦しみ」を生み出す源に過ぎない

    私が大きな植木鉢に植わったひょろひょろした苗木だとしたら、両親は鉢の端っこ、しかも片側の隅だけに豊富に水を注いだようなものです。

    注がれる愛情の不足や過剰を知り、「そうじゃないのに」と歯痒がった経験があるからこそ、与える立場になった時に、なるべく相手のことを思いやろうと努めるのだと思います。しかし残念ながら往々にしてやっぱり的外れな場所に水を注いでしまうわけです。









  • 最初の高校時代の手紙はなんかこう、女子高生過ぎて恥ずかしいというか自意識過剰な赤面もので生じ読み進めるのが辛かったのだけど、だんだん引き込まれ…
    東北の地震が関係してくるかなと途中までは思ってたけどまさかこういう結末になるとは驚きだった。
    私の好きなコミカル系の三浦しをんではなかったけど、これはこれで面白かった。

  • 最後の3行に痺れた…。

    あと、作者はどうして青春時代の心の動き、言葉にしにくいようなものとか、ちょっとした匂いとか空気感をこんなにちゃんと覚えていられたんだろう。

    すごい。

  • 2018/6/23(土曜日)

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