気障でけっこうです

著者 : 小嶋陽太郎
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年10月29日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019917

作品紹介・あらすじ

その日、少女が公園で出会ったのは、首まで地面に埋まっている七三分けのサラリーマンでした――なぜ、彼はしっぽり穴に収まっているのか!? 女子高生と、ちょっと変わったおじさんの不思議な日々が始まった!?

気障でけっこうですの感想・レビュー・書評

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  • ある日、お気に入りの公園に行ってみると、何かが生えている。草ではなく、おじさんである。そして、生えているのではなく、穴に埋まっているのだ。主人公は女子高生。おじさんと女子高生という組み合わせはいやらしい想像に向かいがちだが(私だけ?)、この物語は幽霊になったおじさんと主人公との奇妙な関係を読者がくすりとさせられるような文体で描かれている。その調子が終始一貫して続くのかと思いきや、ホロリとさせられたり、ヤクザの事務所に連れて行かれハラハラさせられる場面もある。幽霊になってしまったおじさんが哀れで切ないが、本書のタイトルにもある「気障な」言動がなんとも粋。幽霊に取り憑かれるという奇妙な出来事を経験した後にどちらかというと陰鬱な主人公の内面的な変化が見れるという爽やかな締めとなっている。

  • 「気障でけっこうです」
    めんどくさがり今時少女が過ごすかけがえの無い日々。


    本作は、ボイルドエッグズ新人賞を受賞した作品である。ボイルドエッグズ新人賞とは、三浦しをん、万城目学、滝本竜彦らを輩出した作家エージェント「ボイルドエッグズ」が主催する小説新人賞であり、著者小嶋陽太郎は22歳で受賞した。


    ある日、今時の女子高生のきよ子は、公園で奇妙な光景に出くわす。髪の毛を七三にぴっちり分けたサラリーマンが、しっぽり地面に収まっているのだ。男を助ける為に走るきよ子。しかし、彼女は、運悪く車に引かれてしまう。しかし、きよ子には更なる不運がやってくる。病院で目を覚ますと、目の前にはあの七三サラリーマンがいるのだ。しかも、幽霊として。


    七三サラリーマンだから、シチサン。彼と過ごすきよ子は、奇妙な日々を過ごす。幽霊キャラクターと言う訳で、ユーモラスな物語に落ちつくかと思いきや、そうでも無い。


    人が死んじゃったり、シチサンがなんか訳ありだったり、きよ子が友情を噛み締めたり、なんだか色んな要素が詰まっている。設定としても、男が地面に収まっている事から始まるので突飛である。


    だけど、読了後はほっこりするし、暖かいんだけど、でもなんだか物悲しい。そんな小説だった。


    注目して頂きたいのは、きよ子の友達であるキエちゃんだ。キャラクターとして非常に立っている。きよ子も立っているのだが、等身大の女子高生としてキャラクターが立っている。


    しかし、キエちゃんは、人間としての懐の深さや、ミステリアスさ、不気味さ、面白さなどなどでキャラクターが立っている。名前も古風で、全く魅力が詰まり過ぎである。スピンオフが十分可能だ。そして、キエちゃんは、やっぱり活躍する。活躍しなければ、宝の持ち腐れだ。


    タイトルである「気障でけっこうです」も違和感なく盛り込まれているし、シチサンの数々の仕草が伏線として拾われ、言葉がきよ子を成長させる所も私の好みだ。


    受賞作としては、素人の私が言うのは説得力に欠けるが、文句無いと思う。次回作が楽しみだな。

  • おもしろかった!
    文体におや?と思ったが、慣れてしまうので問題ない。というかむしろ好ましかった。
    若いなと感じる面もある。ただもっともっと書いてほしいと思った。良いエンタテインメントが期待できそう。
    主人公もいいが、親友のキエちゃんがいい。かっこいい。

  • ある辺鄙な公園で首だけ出して穴にしっぽり埋まってる七三分けの男ってナニ?!
    そしてその男をどうにかして自力で助けようとした途中で交通事故に見舞われた女子高生きよ子。
    この奇妙なアクシデントが思わぬ展開を繰り広げる。
    いきなり冒頭から素っ頓狂な設定に一気に引き込まれた。
    シチサンときよ子の漫才かと思えるとぼけた会話が面白い。
    きよ子の親友で超変わり者のキエちゃんもすごくいい味出してる。
    ファンタジック要素満載だけどこういうのなら大歓迎。オススメ!

  • するする読めました。

  • 2017/1/24購入

  • 女子高生の『キヨ子』が寂れた公園で見つけたのは、肩まですっぽりと穴に埋まったサラリーマン風のおじさんだった。彼を助けようとシャベルを取り戻る途中、車に撥ねられたキヨ子。
    目を覚ました彼女の前に現れたのは、七三頭の男のユーレイだった。


    奇妙なユーレイに取りつかれた女子高生の奮闘記。
    突拍子もない設定に展開だったけど、文章もユーモラスで登場人物が生き生きとしていた。
    友達の『キエ』ちゃんがとてつもなくぶっ飛んでいて、でもいいやつだ。
    ラストでちょっとしんみりしつつ、楽しく読めた。

  • いまどき女子高生のきよ子が公園で出会ったのは、地面に開いた穴に首までぴたりと収まった”おじさん”だった!?
    きよ子に訪れた刺激的で不思議な”非日常”、きっとあなたも読んでいくうちに引き込まれるはず!

    作者の小嶋陽太郎さんは、この松本市の出身でもあり、今後も要注目な作家さんです!

    (M・A)

  • 公園に男が埋められている、その男を助けようとした女子高生が自動車にはねられ大怪我を負う、女子高生が病院で目が覚めたら、埋められていた男が幽霊となって目の前に現れる…

    オモロそうな前半だったのに、途中の間延びがあまりにも退屈で戴けない。病院での由香さんの下りとかもうちょっと伏線になるんかと思ったら、案外あっさりと終わってしまうし。
    シュールから青春モノ経由謎解きとプチアクション。エエように言うと盛りだくさんなんだけど、散漫かつ迷走しているようなザツさも感じた。

    ただし、この作品はデビュー作。小技じゃなく力で読ませる作品だったので、スキルがあがればオモロい小説書きそうな予感もする。とりあえず2作目も追いかけてみようかと思う。

  • ヘンテコで奇天烈な出逢いから、七三分け幽霊との日々。
    かけ合いもストーリーも珍妙なのに、最後にホロリとしてしまう不思議な感覚。

    おかしな日常のなかで、だけど「友達がふえた」の一文にぐっときてしまった。

    もう少しシチサンときよ子の交流を見ていたかったな。

    だけどこの幕切れこそが気障でスマートなのかもしれぬ。

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