95

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019979

作品紹介・あらすじ

日本推理作家協会賞受賞第一作!

『ぼくたちの家族』『イノセント・デイズ』の俊英が最大級の熱量で描き切った、“最強”青春エンタテインメント!

95年、渋谷。時代に抗うように街を駆け抜けた、17歳の少年たちがいた。


2015年の年末、37歳となった秋久のもとに母校の女子高生から連絡が届く。卒業制作のテーマとして「1995年」について調べているという。彼女と会った秋久は、自分の人生を変えたその年のことを語り始めた――。
95年3月20日、地下鉄サリン事件が起きた。平凡な高校生だった秋久は、人の死に直面し動揺するなか、縁のなかった4人の同級生から渋谷のカフェに突然呼び出される。強制的に仲間入りさせられた秋久は、彼らとセンター街を闊歩し、刺激的な毎日を過ごすようになる。世界が劇的に変わるのを実感していた。だがある日、リーダー的存在だった翔が何者かに襲撃される。秋久は復讐を誓い、真犯人を捜すため行動に出るが……。

感想・レビュー・書評

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  • 早見和真さんを読むのは2作目。
    緊急事態宣言が出て、天気も悪くて寒い、鬱々した3連休に楽しく気分転換できる1冊でした。
    1995年の渋谷の街と高校生の雰囲気が描かれているので、そこも楽しめる。
    リズム感がよくて、すいすい読み進んでしまう小説でした。

  • 1995年。高校生だった頃の自分を思い出しながら、物語は過去と現在、同時に進んでいく。
    普通の高校生だった主人公であるQは、ある日を境にイケてるグループのメンバーになる。生活は一変し、仲間たちと溜まり場で酒を飲み、タバコを吸い、喧嘩に明け暮れる日々。初恋も経験し、輝かしい高校生活を送っていると、仲間がバラバラになるある事件が起こる。
    時は現在。37歳になったQの元に女子高生からメールが入る。1995年の頃についての話を聞きたいと。この少女は誰なのか。一体何の目的があるのか。
    青春時代を感じさせる高校生の話と、現在の謎を追うような展開が読み手を飽きさせることなく最後までまで一気読み間違いなし。

  • 2024年4月から髙橋海人主演でテレ東系で連ドラ化されると云うので読んでみる。いや、なんちゅう話やなと思いながら、見てるドラマの話が懐かしかった。で、ムチャクチャな話やし、こんなドラマ見る訳ないやろと思いながら、ちょっと考えてる私がいる。結構若手の知られてるメンバーが勢揃いしてるんだよなあ~

  • 話の展開に驚きはないけど、最後はぐっとくる

  • 若くて、ダサイ大人になりたくないと意気がっていた時代の、仲間との思い出を当時の女友達の娘から、インタビューを受けて想起していく。
    友人も政治家の子、金持ちの子、畳屋の子、サラリーマンといろいろ。金がなくて、援助交際といろいろあった時代だったな。

  • 『店長がバカすぎて』から興味をもった早見和真。95年の日本の若者文化や社会状況を背景にした青春物語に、どこかしら懐かしさを感じながら、一日で一気読み!

    やっぱり文章が上手い。澱みなくスラスラ読めるんだけど、どことなく既視感のある展開。ジャンプマンガみたいなヤンキー抗争を、オッサンになった主人公が振り返る枠組み。最後に奇跡を生み出すけれど、その後の展開も気になる。

    映像化したら面白いのになあ。

  • 読了

  • 好きでした!
    読後さわやかな気持ちになった

  • 1995年にブイブイ言わせていた渋谷の若者が20年後の2015年にまた集まる話です。簡単すぎる要約ですが至極正確です。。
    少年マンガばりの都合のいいアクションシーンに若干の失笑が漏れるも大枠としては嫌いではないです。。
    冴えない少年が、イケている集団から抜擢されて5人目のメンバーに選ばれ、次第に覚醒していく事によって事件に巻き込まれていく。そしてその20年後には仲間たちと没交渉のまま37才の大人になって、昔を懐かしみながらも充実した私生活を送っている主人公秋久。20年前は世界のすべてと感じていたはずの、仲間たちとの関係の終焉はどのようなものであったのかという話です。
    2015年の述懐が無ければ少年チャンピオンのヤンキーマンガのようなものですが、20年後に守るべきものを持った彼らの姿にはとても共感出来ます。
    1995年は今現在からすると24年前、そろそろ四半世紀になりそうです。1995年なんてついこの間な気がしますが、1995年当時からしたら1971年と同じ事なんですよね。
    そう考えると今の若い子と話し合わなくても当たり前ですね。これはいつの時代も同じことであります。

  • 2015年に37歳となった主人公が、母校の女子高生からのコンタクトをきっかけに、17歳だった1995年を振り返りつつ、2015年においても新たな展開があり、という内容。
    1995年という時代感がよく出ており、友達との関係性など、共感できる部分も少なくなかった。ただ、「普通」の高校生だった主人公の変貌ぶりや、渋谷での大立ち回りなど、正直、自分とは違う世界の話という感も強くて、十分には物語の世界に入り込めなかった。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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