七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年1月24日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041020463

作品紹介・あらすじ

善人は、たちまち悪人になりえる--。次々と襲いかかるどんでん返しの嵐!話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人刑事が、“色”にまつわる7つの怪事件に挑む連作短編集!

感想・レビュー・書評

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  • 刑事犬養隼人 2

    色に絡めた短編集
    各種社会派テーマを掲げ 
    一色づつテイストを変えて
    ラストにしっかり返してくる

    一 赤い水
    高速バスの事故 死者1名
    運転手はすぐに罪を認めてひたすら謝罪するが

    ニ 黒いハト
    イジメによる学校での飛び降り自殺
    保身的な学校に警察が介入して
    真実を追求

    三 白い原稿
    自称小説家が公園で死体となって発見される
    犯人はお互い売れないライバル的小説家なのか

    四 青い魚
    釣具店店主に訪れた結婚のチャンス
    そんな上手い話があるわけはなく

    五 緑園の主
    ホームレス男性への暴行
    近隣で中学生男子の毒物被害
    認知症の妻を支える老夫 繋がりがすごい

    六 黄色いリボン
    性同一性障害へ踏み込むのか?と思いきや
    一挙にミステリーへ
    BL書けるんじゃないかしら、と期待してみる

    七 紫の供花
    一の赤い水の被害者の一人は
    将来あるスプリンターだった
    しかし補償は少なく リハビリは思うように進まない 
    そんな彼女に届けられたもの

    さすがに上手いなあと思います
    現実であった事件事故から展開して事件解決となる直前 犬養がもう一息踏み込む
    しかも悪いやつはしっかり悪い

    • きたごやたろうさん
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。
      中山七里さんも見逃せないですよね。
      私がよく行く図書館の仲良しの司書さんが、中山七里さ...
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。
      中山七里さんも見逃せないですよね。
      私がよく行く図書館の仲良しの司書さんが、中山七里さんの大ファンなんです。
      それで、職権で優先的に購入してるんですよ笑。
      2024/11/08
    • おびのりさん
      なんか 中山七里先生は
      本日は 池袋方面の書店回って サイン本作ってました笑
      なんか 中山七里先生は
      本日は 池袋方面の書店回って サイン本作ってました笑
      2024/11/08
    • きたごやたろうさん
      わー!やっぱり東京はいいなぁ。
      長野県なんか誰も気がしません笑。
      あっ。
      でも夏川草介さんや新海誠監督を生んでいます。
      わー!やっぱり東京はいいなぁ。
      長野県なんか誰も気がしません笑。
      あっ。
      でも夏川草介さんや新海誠監督を生んでいます。
      2024/11/08
  • 刑事犬養が七つの色と毒にまつわる事件を解決してあく連作短編集。

    あくまで私の所感だが、ミステリにおける連作短編は、物語の展開が強引で、どんでん返し感が薄い印象だが、著者の視点や張り巡らせる伏線の回収には、奥行きがあって呆気に取られる。

    当面、著者の積読書を引っ張り出して読み漁る日々が続きそうな予感。

  • 犬養隼人シリーズ第2弾。色にまつわる7話のミステリー短編集。

    第1弾に続いて読みましたが面白かったです。
    さすが中山七里さん、一つ一つ短い中にも社会問題を盛り込み最初から最後まで気が抜けないストーリー。広げたら長編になりそうなくらい濃密な感じでした。
    無駄にイケメンな犬養刑事、男の嘘を見破る観察眼のワケはそういうことだったのか…私生活はいい印象ではなかったけど、刑事としてはかなり優秀。
    善人そうな人間の内面に潜む毒、悪意を見せつけられて人間が怖くなってしまうような作品でした。

  • 久しぶりに読んだ中山七里作品。
    かつて夢中になった岬洋介や御子柴シリーズ。
    『切り裂きジャックの告白』はまだ。
    犬養隼人刑事って?
    端正な顔立ち。
    動作から人の嘘を見抜く技を持つ。
    初めましてのような、何かの作品で名前を見かけたような。
    別シリーズの人物をスルッと登場させるのがお好きな作家さんだから…。

    七つの短編集。
    犬養刑事の勘と技が光る物語。
    「え?」と思わせるどんでん返しの数々。
    そして、最初のエピソードのその後があとでわかる粋な構成。
    ただ、続けて読むと「毒」にやられそう。
    底にあるのは、人の心の闇ばかりだから。

    いよいよ冬本番。
    次はほっこりする物語がいいかな。

  • 犬養シリーズ第2弾。
    タイトル通り、7つの毒のありそうな話の短編集。

    どんでん返しなのは、ええけど、何か人の心を弄んで、殺人に至らすみたいな後味の凄く良い?話の連チャン。
    裁けない悪みたいな感じなんやけど、そんな悪人でもない。
    人は、ある瞬間に、善人から悪人に変わるって事かな?
    しかし、この短編集で、どんでん返しばかりは、小説作るの大変な気が…

    犬養さんは、カッコ良いけど、それだけに女心は、分からんのか女性にはサッパリ。なのに、男性の嘘は、バッチリという個性的というか何というか…というキャラクター設定は面白い。

    まだ、シリーズ既に手元にあるので、楽しませて下さい〜(^_^)v

  • 大好きな作家さん、中山七里全然の短編集。
    こちらは、犬飼刑事の短編集ですな。

    俳優のような見てくれの犬飼刑事。
    男の嘘を見抜けるが、女の嘘は見抜けない(笑)

    この本も犬飼刑事がばっさばっさと見事に斬っていく(笑)

    短編集だが、一話一話にしっかりとどんでん返しを用意しているところが、さすがの中山七里先生。

    なかなか短編集でここまでのクオリティーって無いのではないかな?

    隙間時間に一話一話読むのがオススメ。

    親友が自殺した、、、
    って話は、おーそーくるんかい!ってびっくり。
    何冊もミステリ読んでるんだから、そういう展開も慣れてる筈なのに、毎回しっかりひっかかる、読書としても都合のいい私(笑)

  • 刑事犬養隼人シリーズ2

    色に因んだ犯罪を犬養刑事が、解決していく七つの短編集。

    犬養刑事は、どんな女性でも騙せそうな容姿を持ちながら、逆に騙されてばかりで「無駄に男前の犬養」と揶揄されているが、男の嘘は、俳優養成所仕込みの嘘を見抜く方法で、百発百中見逃さない。

    《赤い水》
    中央自動車道を、岐阜県可児市から、新宿に向かっていた高速バスが、防護壁に激突。1名が死亡、重軽傷者8名の大惨事となったが。

    《黒いハト》
    中学生の男子が、学校の屋上から、飛び降りた。
    彼は、学校内でイジメに遭っていた。
    校長は、不慮の事故として欲しいと、両親に申し入れたが。

    《白い原稿》
    新人文学賞を受賞した、ロック歌手が、殺された。
    彼の受賞作の出来は、最悪で、受賞は、出来レースだったのではないかと、噂されていたが。

    《青い魚》
    釣具屋の男の自宅に、婚約者と、その兄が、転がり込んできた。
    ある日、3人は、船釣りに出かけるが。

    《緑園の主》
    ホームレス狩りをしていた中学生グループのリーダー格の男子が、毒殺された。

    《黄色いリボン》
    性同一性障害の桑島翔は、誰にも見つからないように、ミチルに変身して、日に一度だけ、公園に出かける。
    ある日、その架空の桑島ミチル宛に、ダイレクトメールが届いた。

    《紫の供花》
    中央自動車道で事故を起こした、高速バスの会社で勤めていた、男が、殺された。
    全員が、彼を褒め、殺される原因は、見当たらないと思われたが。

    短編とは言え、流石「どんでん返しの帝王」
    意外な犯人に「えーっ」と思わされる。
    が、
    やっぱり、ワタシは、長編派なので、長いのが読みたい。

  • 長編と思ったらタイトル通りの7つの短編だった。
    ドンデン返しの作者なので、犯人を捕まえたと思っても、最後の真犯人が出てくる。主人公の設定も面白い。俳優を目指していた程の優男。その演技の勉強で培った相手を見る目で嘘を吐く事を見破る。と言っても男性限定で、女性に騙されるのがイイ。
    1作目と最後の7作目が繋がっていて、裁けない真犯人が殺される事件が発生。当然刺した犯人に辿り着くのだが、ここでまたドンデン返しが。
    じっくりとした長編では無いが、この最初と最後で繋がりができて一つの作品に仕上がっている。

  • 中山七里がこんなに面白い小説を書くとは知らなかった。「さよならドビュッシー」なんて馬鹿にしていたけれどね。七つの色一つ一つに関係する事件が七つ、それを犬養隼人刑事が解決する。どれも必ずどんでん返しがあって、薄っぺらい話で終わっていない。人の心を操るというところにポイントがあるかな。初めの話と最後の話がつながっているのも、まとまりを出していていい。それにしても「無駄に男前」と言われる犬養刑事の人物像がなかなか味がある。

  • よくここまで物語があるなと感心しました。七色で統一感、一話と七話のリンク。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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