光圀伝 (上) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 618
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020487

作品紹介・あらすじ

なぜ「あの男」を殺めることになったのか。老齢の水戸光圀は己の生涯を書き綴る。「試練」に耐えた幼少期、血気盛んな”傾寄者”だった青年期を経て、光圀の中に学問や詩歌への情熱の灯がともり――。

感想・レビュー・書評

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  • 冲方さんの本、初読破
    天地明察は、一冊目で止まってます
    ラノベ色の強い作家さんだなぁ、と思う。所々いかにもラノベっぽい言葉使いをしていて、歴史ものの範疇に入れるのかな?と心配になる
    けれど、歴史ものを若い人にも読んでほしい!みたいな気概が感じられるので、好きだなぁ

    これを読んでると、みんなが知ってる水戸黄門さまの意外な一面を沢山しることができてお得
    こんなイケメンいたら惚れそう
    ただ、最後は失速したかな、という印象です
    多分それは冲方さんの筆力だけではなく、水戸黄門さまの生涯が、様々な権利や圧力によって曲げられていった結果なんだと、私は解釈しました
    面白い、けどどっか三百年も続いた江戸幕府の淀んだ部分を感じられる作品

  • 国民的時代劇のイメージを根底から覆す「誰も見たことのない“水戸黄門”伝」。

    水戸徳川家の三男にして世継ぎという宿命を背負った光圀。
    「何故、兄でなく俺なのだ?」
    「水に流されたかもしれない」出自への煩悶。

    江戸中を傾奇者として闊歩した少年時代。

    剣豪・宮本武蔵との出会い。

    詩歌で天下を取るのだと情熱を燃やす青年時代。
    学を競うかけがえのない仲間とも出会う。

    徹底した研鑽と己を鍛え上げていくその生命の奥から湧いてくる、狂うおしいまでの熱と力。

    若き英智と、激しいまでの情熱に、読んでいて身が焦がれそうになる。

    尊敬する伯父・義直が遺言の様に語り残す。
    「史書に記された者たち全て、生きたのだ。わしやお前が、この世に生きているように。彼らの生の事実が、必ずお前に道を示す。天道人倫は、人々の無限の生の連なりなのだから。人が生きる限り、この世は決して無ではなく、史書がある限り、人の生は不滅だ。なぜなら、命に限りはあれど、生きたという事実だけは永劫不滅であるからだ」

    熱い熱い求道者に痺れる。
    そして、彼が今を生きているかの様に、魂を揺さぶってくる。

  • 面白くて、面白くて、仕方ないのだけど……情報量が多いからか、なかなか読み終わらない!
    ハードカバーも持っているのだけど、文庫も購入しちゃいました(笑)

    光圀と宮本武蔵の出会いが、実は一番好きなシーンかもしれない。
    他を圧する怜悧な殺気が、文面からバシバシ伝わってきて、緊張した。

    なぜ、自分なのかという問いと、家と政。
    その中で光圀が見出す義にも、ゾクッとする。

    自分自身の生が、全てのものに対して何を為せるか。そういう考え方は、私には出来ない。
    けれど、人と人の関係を正し、個と全の関係を常に想定し、生きていく様というのは、大人だと思うのだ。

    いつの間にか、個は個の在るがままを重んじ、自由の代わりに得るべき責任を全うしなくなった。
    日本人は最早、勤勉ではないと聞こえる。
    何を為すかを失ってしまった人々だからでは、ないだろうか。

  • 天地明察でどはまりして、その中の強烈キャラの光圀が主人公なんて読むっきゃないでしょ~
    光圀と読耕斉の酒場のところのシーンで反吐まみれになったっていうのが大好き笑
    あと竹丸お兄ちゃんが、子龍に頼られるのが嬉しいっていうところにめちゃんこ泣いてしまった、好きだ!!

    天地明察より歴史要素が強すぎて本読むのに3日くらいかかってしまった。

    出てくる登場人物がみんな好きでみんな愛おしいな!
    光圀のまっすぐなところがかわいい。
    下も読むぞ~!

    2018.09.11

  • 天地明察が面白かったので、こちらも読もう読もうと期待しつつ、上下巻のボリュームから中々読み始めず、ようやく。期待を裏切らぬ展開、特に、水戸黄門のイメージしか持たず若い光圀公を知らない人であれば主役の意外性、心理面まで入り込んで楽しめるはず。林読耕斎が良い味出してます。

  • 皇室と国学から、光圀に興味が移り、本書を手にした。

    登場人物が魅力的だ。武と文のコントラスト、胆力の描き方が何とも言えぬ。当時の京の姿も忍ばれる。

    なにより、泰姫の登場で、上巻はすべてを持って行かれた感がある。

  • 若き日の光圀は放埓で無軌道な若者かと思えば詩歌にも造型深い文学青年でもあった。諸国を漫遊するのはフィクションだとわかっていても、好々爺のイメージが強すぎる人物のまったく異なる姿が人間臭く描かれていて痛快である。苦悶しながら目指す道を究めんと成長していく様子がなんとも力強い。

  •  冲方丁先生の『天地明察』と対をなす、という『光圀伝』。徳川光圀の生涯を描いた本。出来事とそれを光圀が振り返る「明窓浄机」という章立てで交互に現れていくのが面白かった。

     幼少期の父・頼房の過酷な試練と兄・頼重がいるにもかかわらず、世継ぎに選ばれた葛藤・そして、宮本武蔵や学を競う朋友として読耕斎・泰姫との邂逅など。泰姫のやんちゃぶりとそれによって、姫やその側近である左近と仲良くなっていくのは王道ではあるがとっても良かった。
     ただ、春海と絡むシーンが少なかったのが、天地明察ファンとしてはちょっと残念だった。(笑)
     また、光圀の小姓である藤井紋太夫が考えた大政奉還という思想が幕末に現れるというのも面白いある種の皮肉であろう。

     光圀が途中で述べている、私は生涯の生涯はだれかを見送るためにあるというのは、途中までの渋川春海と同じなのではないだろうか。そして、春海と違う所は、光圀が最初に朋友を得て失いながら成長していくのに対して、春海は一人で成長しながら朋友を得ることによってさらなる成長が促されたところではないだろうか。二人の朋友の出会い方が対照的で、対を成す、と唄った一つの原因かと思った。

  • 単行本版に同じ

  • いい意味で時代劇「水戸黄門」のイメージを壊してくれる小説。
    父への複雑な感情、優秀な兄へのコンプレックスを抱えながら、宮本武蔵・沢庵・林羅山など道を極めた者たちとの交流を通じてエネルギッシュに成長していく光圀。
    そんな彼の姿が戦国の荒々しさを残しながら泰平の世に突入していく時代の力強さと重なる。
    特に憎まれ口を叩きながらも互いを認め合う林読耕斎との友情関係がなんとも気持ちがいい。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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