切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 734
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020517

作品紹介・あらすじ

臓器が奇麗にくり抜かれた遺体が発見された。やがてテレビ局に犯人から声明文が届く。いったい犯人の狙いは何か。さらに第二の事件が起こり・・・・・・。警視庁捜査一課の犬養が捜査に乗り出す!

感想・レビュー・書評

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  • 猟奇的な事件設定であるが、謎解きというより、登場人物の様々な発言などを通して臓器移植制度についての問題や意見を戦わせている印象。改めて考えさせられるところがある一方、犯行の動機はイマイチ。

  • 犬養隼人シリーズ。初めて読んでみた。
    体のありとあらゆる臓器を取り除く連続殺人事件に挑む。嬉しかったのは、私の好きな古手川刑事が犬養刑事のバディとしてかなりしっかりと登場するのだ。
    臓器提供の是非が物語の大きなテーマになっている。
    中山先生ということで身構えていたが、最後はまたどんでん返され、まんまと騙された…。
    また犬養シリーズは読んでみたい。

  • 中山七里の過去作を追いかけてみようと手に取ってみた。

    脳死と臓器移植についての書き込みは丁寧で分かりやすく、非常に勉強になった。この本を読んで、臓器ドナー登録をきちんとして、家族にもきちんと話しておくべきだと分かった。
    生と死との境界線はどこか?
    知性や感情の有無や他者の意思がその境界線を左右するのだろうか?
    死ぬことぐらいはもっとプライベートの範ちゅうだと思っていたが、そんなことはなく、むしろ死ぬこととは人間の社会的活動が一番際立つポイントなんだとわかる。

    と、この本のテーマや背景となったことについては良くかけているが、ミステリーとしては…うーん、あの仕掛けであの犯人では、つけ焼刃なイメージをどうしても感じてしまう。切り裂きジャックの犯行声明も稚拙すぎる。あれでは、犯人特定を犯人側が手助けしているとしか思えない。そういう手法もあるんだが、このトリックだとその必然性も考えられないし、ちょっと弱いんじゃないかな。

    犯人捜しはあくまで付録であって、テーマそのものを味わうことに集中するのが、この小説を楽しむ秘訣かと思う。中山作品全般に言えることではあるけども。

  • 「さよならドビュッシー」の作者だったので。

    犬養刑事が主人公らしいが、
    どうも既知の古手川刑事や光崎先生に目が言ってしまう。
    嘘を見抜けて、無駄に顔が良く、家庭を守れない刑事が、
    余りにありがちすぎるからかも。

    先にヒポクラテスシリーズを読んでしまったからか、
    臓器狙いとか、医師が怪しいとか、
    なんとなく予想のつく展開だったし、
    「切り裂きジャック」を持ち出した割には、
    ちょっとスケールが小さい事件だったかな。

  • 病院の待ち時間に読んで楽しい話じゃない

  • あやしい人物が一人、二人、途中に挿入され
    はい容疑者確保からの動機とその後の展開。
    ちょっとズルいな~とも思わないでもない。
    しかし、この作品はなんとなくイメージしている
    自分が「死んだ」あとの臓器移植と、
    残された人が抱える臓器移植についてはらんでいる現実
    そしてそれを制度化したときに抱えたままの問題
    血のつながり、親子の愛、理屈と感情のギャップ、
    多様な価値観を凄惨な事件の中に浮かび上がらせている。

    主人公の刑事は背景も語られるけど実は印象が薄く
    他作品での印象と異なり、古手川刑事が
    他の目で見ると有望・有能、成長の伸びしろ充分
    であることが明らかになり
    これからの作品も渡瀬、御子柴に負けず
    古手川を追っていきたいと思える内容。

  • ずっと読みたかった作者さん。移植と言う材料、犯行インパクトともよかっただけに真相が残念。ただ、本家の犯人が分かったとかすごいタイムリで、たまたまだけど、印象に残りました。

  • 臓器を取り出された惨殺死体。
    間もなく届くテレビ局への犯行声明文。
    犯人らしき人物はかの殺人鬼と同じ“ジャック”を名乗る。
    そして、また事件が起こる。
    これは猟奇的な殺人事件なのか、それとも何かメッセージがあるのか?

    *****

    え、エグイ…。
    中山七里さんだということで読んだのですが、まぁ、“切り裂きジャック”とあるくらいだから何となく、エグさが予想されますよね…。
    無意識にお腹をさすりながら読んでしまうような、そんな気持ちになる事件の描写…。
    怖いです。
    そして、この作品で描かれる大きな部分、臓器移植における提供者とドナーの想い。
    生きている時と亡くなってからでは家族の気持ちも変わるのは仕方がないように思う。
    本人は生前の意思のみしか確認はできないから、それを尊重するかたちにはなるんだろうけれど、残された家族はいくら即移植しなくては間に合わないと言われても涙も乾かぬうちに処置されるなんて…特に急な事故によるものなどであれば気丈に「はい、お願いします」というのは厳し過ぎる。
    そのあたりは現実として考えさせられてしまいました。

    登場人物、中山作品は作品を越えて色々とつながっているんだなぁと読んでいて「おっ」とさせられます。
    今回の場合、最近読んだ『贖罪の奏鳴曲』に出てきた古手川さんが出てきた~しかも、なかなかの活躍っぷり。
    渡瀬さんが出てこないのは寂しかったけれど、犬養さんとのコンビもなかなかいい。
    好きなキャラクタです。

    ミステリとしてはすこーし、あっけなかったかな。
    “切り裂きジャック”の名も、事件の描写も衝撃的過ぎて、肝心の結末が地味な感じ…もっと強い犯人の秘めた“何か”みたいなものがあるのかしらと気持ちがドキドキ高まっていたので(欲張りな読者…)。
    犯人の不気味な感じはありました。
    ハラハラと驚き、また他の作品も楽しみです。

    古手川さんが作中でも昔扱った事件として語っている、『連続殺人鬼カエル男』(宝島社)を読みたいんだけれど、こちらも猟奇的な事件のようなので、少し時間を置いてから読む予定です。

  • 現代に蘇った切り裂きジャック。
    その昔、1888年、ロンドンを恐怖のどん底に落としたあのジャックが蘇ったのか?

    都内の公園で、臓器を全てくり抜かれた女性の遺体が発見された。続く第2、第3の事件。
    果たして、彼女たちの関係を繋ぐものとは?

    やがて浮かび上がる仮説。彼女たちは、1人のドナーから臓器を移植されたレシピエントたちではないのか...
    臓器移植を巡る各界の議論も、社会派ミステリーの味を見せます。

    犯行動機が見えないなか、犯人とジャックとの息詰まる攻防に、ハラハラドキドキの連続です。

    他作品ともリンクし、古手川刑事や葛城刑事たちが登場するのも良いですね。
    最後に、中山七里氏お得意のどんでん返しも、見事です。
    すっかり騙されました。

  • 中山作品を通して読んでいると、あちこちで登場人物がクロスオーバーするをとても楽しみにしています
    こちらも多作に漏れず、登場してあれやこれやと興味深いです

    臓器を持ち去る切り裂きジャックを名乗る犯人の謎と、臓器移植の問題、親子愛などテーマがいろいろ盛り込まれ、退屈しないエンタメになっています
    御子柴シリーズよりはライト?で元気な読みやすさです

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著者プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

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