哀しみの星 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2014年8月23日発売)
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本棚登録 : 92
感想 : 9
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020531

作品紹介・あらすじ

母に殺されかけ、心に深い傷を負った高校生・沙織。そんな彼女が出会った盲目の青年・亮。「君は、なにも悪くない」と語る亮の言葉は荒んだ沙織の心に染み込んでいくが……。運命に翻弄される男女を描く!

感想・レビュー・書評

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  • 家にあったので読みましたが、読まなくても良かったと思った本。

    幼い頃に実の母から殺されかけた過去を持つ女の子、沙織。
    その暗い経験から誰にも心を開けずにいたが、盲目の少年、亮との出逢いにより更生していく物語。

    沙織は、とにかく我儘で自分勝手。
    「母から殺されかけた過去を持つ自分は一番かわいそう。誰にもこの辛さは分からない。」
    その言い訳から、継母を殴ることもクラスメイトの頭を便器に突っ込むことも厭わない。

    クラスメイトの弟から敵討ちでレイプされそうになり、それを助けてくれた同じクラスメイトの慶太にも
    「あんたの顔なんか見たくない」
    と酷い言葉を浴びせます。

    他人を誰も信用していません。
    そのくせ、その他人に助けられなければ生きていられない。

    継母である優子をずっと毛嫌いしていたくせに、最後の十数ページでいきなり親しげに会話していたのはビックリ。
    その間の描写は?描かれなかった数ヶ月の間に2人に何が?
    どうでもいい場面ばかりダラダラと続き、肝心なところが分からない。

    あと最後に、2〜3回会っただけの亮に対して下半身不随となった自分の世話をしろとのたまうなんて、勝手もいい加減にしてほしいです。

    自己中心的すぎる主人公に、全く共感できませんでした。


    • アールグレイさん
      かりうささん、
      元気でお過ごしですか?
      昨年の秋に読まれた本が、タイムラインに載っていました。初めは“ああ、勉強の息抜きに読んだんだな”と思...
      かりうささん、
      元気でお過ごしですか?
      昨年の秋に読まれた本が、タイムラインに載っていました。初めは“ああ、勉強の息抜きに読んだんだな”と思ったのです。私は相変わらず、マイペースで読んでいます。
      毎日落ち着かない天気。折りたたみ傘を忘れないで下さいね!
      ☆good luck♪☆
      2021/06/08
    • かりうささん
      ゆうママさん
      お久しぶりです!コメント嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)
      たまに唐突に読書したくなる時がありますが、試験まであと4...
      ゆうママさん
      お久しぶりです!コメント嬉しいです、ありがとうございます(*^^*)
      たまに唐突に読書したくなる時がありますが、試験まであと4ヶ月だと思い直し、代わりに参考書を開くことで気を紛らわせています。
      来週から梅雨入りみたいですが、ゆうママさんも体調など気をつけて、読書生活楽しんでくださいね.。.:*☆
      2021/06/10
  • 普通の思春期のいわゆる「荒れた」女の子の話。。でした。
    幼い頃、母親に殺されそうになった経験から自暴自棄になり、行きていくことに意味を見いだせないサオリ。公園で出会った目の見えない少年によってその人生が動き出す。

    サオリが堕ちていく様は昔流行った「積み木くずし」というノンフィクションを思い出した。
    家庭内暴力、家出、タバコ、酒、薬、リンチ。。いろいろな悪いことに手を染めるサオリ。
    それをたった4回しかあったことのない良に救われていく。。。

    この2人が共鳴した「闇」は計り知れなくて、私には理解しがたいものでしたが、最後の終わり方が、いわゆるお涙ちょうだいではなく、意外で良かったです。しかし、10代。。恐ろしい。簡単に犯罪に手を染めちゃうのね。。自分の10代が平凡で本当に良かった。

  • 過去に苦しみ逃れる為に、自分を傷めつけ他人に牙を剥き声を荒らげ己を顧みて心に泣く。過去を、悪魔を、許す為には先ず自分を許してあげなければならない。他人に優しくなる為には先ず自分に優しくしてあげなければならない。そんなこともわからずに、他人も自分も傷付け血に笑い、心の奥底から湧き上がる本物の涙にも気付けない少年少女がきっと沢山居る。そんなとき、知らなくても視えなくても、ただ抱きしめてくれる人がいる、それだけで変われる気がする。

  • 稀に見る駄作。
    ストーリー以前にプロかと疑う筆力のなさ。

    時間も金も無駄にした。


  • 幼い頃に母親に殺されかけた沙織は、優等生を演じながらも他人には心を閉ざしたままだった。そんな彼女がただ一人心を許せたのが、公園で偶然出会った盲目の青年・亮。しかし亮のことを「彼氏」と呼ぶ女性が現れたことが、沙織を悪魔へと変身させる。家庭内暴力、同級生へのリンチ、不良グループとつるみドラッグに手を出す。荒みきった沙織を亮は救うことができるのか…。


    新堂冬樹先生らしい作品だった。盲目の青年が少女を救うところや少女が最終的には障害を負ってしまうところなど、『忘れ雪』とかの作品と似通っているところがおおかった。

  • 久しぶりに著者の作品を読む。

    白新堂らしい、ほっこりするところ、
    黒新堂らしい、読み進むのもためらうほどのエグい描写の双方が盛り込まれている。

    物語構成は先が読めてしまう部分もあるかもしれないけれど、目が見えない少年と、心に傷を負った女子高生というシナリオ自体は面白いと思う。

    だからこそ、もう少しどうしてこうなったのか?
    そうした掘り下げが欲しかった。

  • 母親に殺されかけた経験から心に深い闇を抱く少女と盲目の青年との出会いの物語.青年は少女の闇に気付き,自らの過去の闇に重ね,次第に少女に惹かれていく.そして青年は彼女を救うことを決意する.これ面白いな.もっと掘り下げても良い感じ.単純なハッピーエンドではちと物足りない.人は自らの心を壊さないために時に鬼を棲まわせてしまう.そして一度棲みついた鬼は一生出て行ってはくれないのだと思う.鬼とどう向き合って生きていくのか,そんなテーマだったら良かったな.

  • 白新堂路線の小説だが、黒新堂のスパイスも入っている。幼い頃、実の母親に殺されかけた高校生・沙織の裏の顔、転落と再生を描いた物語。

    如何せん、感動の押売りのような強引な先の読める展開が残念。沙織の過去や裏の顔など設定が良いだけに非常にもったいない。黒新堂を表にして、白新堂をスパイスにした方が良かったように思う。

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著者プロフィール

 メフィスト賞受賞作『血塗られた神話』でデビュー以降、ノアール小説から純愛小説まで幅広い作風で数々のベストセラーを持つ。代表作は『溝鼠』、『カリスマ』、『無間地獄』、
『黒い太陽』、『忘れ雪』、『虹の橋からきた犬』等。また、新堂プロを立ち上げ、タレント、アイドル、作家のプロデュース、漫画原作等も手掛け、その才能は多岐に渡る。

「2024年 『虹の橋からきた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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