棄霊島 (上) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2015年3月25日発売)
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感想 : 3
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  • 本 ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020593

作品紹介・あらすじ

九州へと向かうフェリーで、光彦と出会った元刑事の後口が、静岡の御前崎の海岸で死体となって発見された。彼は三十年前に長崎・軍艦島で起きた連続変死事件を追っていた。光彦は、後口の足跡を辿るが――。

感想・レビュー・書評

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  • 【概略】
     飛行機嫌いの浅見光彦は、長崎へもフェリーで向かう。その選択が30年前に軍艦島で起きた出来事が起因する殺人事件に巻き込まれることとなる。長野県と静岡県、そして長崎県をまたいだ殺人事件の裏に潜む闇に斬りこむ前後編のうちの前編。

    2024年06月09日 読了
    【書評】
     やはり長崎県へお邪魔するにあたり、長崎県をイメージしたく手に取った前後編の前編。
     軍艦島は、おそらくは今回の訪問では行くことはできないだろうけども、行ってみたいところでもあるのだよねぇ。・・・ってか、中に入ることができるのかどうかわからないけれどもさ。
     本作が世に出たのは2009年(平成21年)、民主党が政権をとった頃かな?本作の中では北朝鮮の拉致問題や教科書問題が取り上げられてる。その中で、ここはおそらくは著者である内田康夫さんのお考えだろうなぁと思うのだけど、北朝鮮の拉致問題にとっての被害者である日本と、朝鮮人の強制連行・労働にとっての加害者である日本という図式について登場人物に意見させてる。これって本当に繊細な話だよね。規模は違うかもだけど、なにかしらの法令違反をしている人に対する批判をする人は、人生において全く法令違反をしたことがあるのかないのか問題に似てるところがある。
     浅見光彦シリーズ、上下巻になる場合は、少し背景の闇が大きい(まぁ、だから上下巻になるのだけども)よね。まだ前編しか読んでないけど、30年前の謎はもう解けてしまった(=なんか一つ事件が片付いたような空気感)。ここからどうやってもう一段膨らますのだろうという後編への期待がふくらむ。
     そして軍艦島への訪問欲求も、ガンガンふくらんでいく。

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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