深泥丘奇談・続 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020623

感想・レビュー・書評

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  • 「深泥丘奇談」の続編とのことで...
    またこの何とも言えない妖しげな感じの話が良かったです。
    ゆるーいホラーのようで楽しませて貰いました。

  • なんかこのもやーっとした、ゆるいホラーってかんじがくせになる…
    「心の闇」手術で取り出せるものならいいよねえ…食べたら美味しいのか…

  • 2巻も不可思議な深泥丘。ここで無事に生き延びられる気がしません。
    相変わらず、作家の「私」はひたすら具合が悪いし、石倉(一)(二)(三)な医師たちも肝心な事はなんにも教えてくれない。面白かったです。
    夢十夜も綾辻さんにかかれば名作ホラー映画の世界に。
    「心の闇」「切断」が特に好きでした。体全体に散らばってる心の闇が肝臓に溜まるのは妙に納得できます。
    切断も、お〜50回切断したら51個のパーツになりますね“普通”は……とこちらも納得です。問題は元の形、か。あれに遭遇して動転しても殺すかなぁ…と思いましたがそれ程冒涜的ななにかなのかもしれないです。
    地蔵盆もどうして。。

    綾辻さんの深泥丘と、北野勇作さんの人面町は、どちらも生き延びられる気がしません。となり町なのかな。
    両方とも、主人公の作家さんはなんにも覚えてないし、奥さんは「なんで知らないの?」という態度です。
    ミステリとSFという畑違いだけれど、ホラーはこうなるのか…となってどちらも好きです。

  • 前作の深泥丘奇談の話と緩やかにつながつまている。
    やはり夢十夜のような不思議な世界観。でも、作者が後書きで書いてある通り、難しく考えて読まなくていい。
    作中の「私」のように、そんな気がする。でその世界を楽しむ。
    〜な私なのだった。の表現がなんとも面白みのある空気に変えてくれる。
    友達が話すヘンテコな夢の話を思いながら私は読んでいた。
    自分だけが知らないモヤモヤ、いまいち通じない怪異、でも誰も不思議に思っていない。そんな怪異と現実感の境目がぼやけている感じが感覚として現実にありそうな気持ちにさせてくる。

    ソウのオチは面白かった

  • がん汁はモクズガニだと思います!(笑。
    あとがきではモズクガニになってましたが。
    ホラー映画テーマ2作、私は好きです。
    ソウは2くらいまでしか見てませんけどね~。
    猫もそうだけど、犬もあらぬ方向を見つめたり吠えたりしますよ。ふふ。

  • 2015年1月9日読了。作者自身の投影と思しき小説家の主人公が、「深泥丘」で発生する奇怪なあるいは些細な事件に次々に遭遇する。綾辻行人の幻想ホラーミステリ連作短編集、借りてから「続」であることに気付いた。…最初は「なんじゃこれ!なんでもありじゃん!」と腹立ちを覚えるが、読み進むうちにこのムードとある意味理不尽・バカミス的なトリックにも慣れ、面白くなってくる。なるほどこれは舞台設定の勝利だな。「切断」のムードとこの設定ならではの真相や、カニの話の気持ち悪さが好み。前作を読んでからのほうが入りやすかったかもしれない、こちらも読んでみたい。

  • 狂い桜が良かった。
    ホラー映画好きなので楽しめました。

  • はっきりとした説明や原因のない曖昧さが持ち味の深泥丘奇談2巻目。
    どの話も概ね楽しめた。

    「コネコメガニ」
    コネコメガニの正体の分らなさ、生で食べる様子を想像したらおぞましくてぞわぞわする。

    「切断」
    50回切って50個に分ける論理的な方法には脱帽。
    ******も視覚的に見てみたいような見たくないような。
    映像として見てみたいけれど、見たくないというものが多いのもこのシリーズの特徴。

    「鈴」は終わり方がホラーらしくていい。
    「心の闇」ないと心安らぐけれど、求めたくなってしまうもの。
    暗示的。
    「狂い桜」はこの怪奇な深泥丘の出来事としては落ちには因果関係があって普通と思える内容。
    「深泥丘三地蔵」は発音の違いに最初に気付いたので大した驚きがなかったせいか不気味さはなかった。
    主人公が時々鳥になるのは何の暗示なのか。
    ただの主人公の妄想なのか、そういう何かがあるのか…。
    きちんとした答えはないのだろうけれど、いろいろ考えてしまう。

    記憶がぼんやりしている主人公が夢を見たような気がする、と言うと単なる夢オチやバカミスでも真面目に読めてしまう。
    「ソウ」はミステリーの夢だけあってちゃんとオチがあるけれど、その真相はとんでもないもの。
    しかし、夢なので許される。

    読む分には面白いけれど、実際に住んでいたら命の危険を感じ総そう。
    主人公も全部の事柄を覚えていたらさっさと引っ越すのだろうなあ。

    深泥丘の地名は実際にある京都の地名をもじったものというのは前巻の解説にもあったけれど、今巻の解説で更に具体例を挙げて説明されていたので、京都の地名に詳しくない人にも分かりやすかった。
    実際の場所を知っている人には更に面白そうだ。

  • 本文中で「~のような気がする」が多用されますが、多分にこうもやもやした感じがたまらない作品です。解説でも触れられていますが、この2巻では「こんな夢を見た。ーような気がする」を持ち出して、さらに自由度が上がっているようです。
    はっきりとは結末がつかない話が多いですが、このはっきりとはわからないけど何かいる、何かある感じを楽しんじゃえばいいんだと思います。

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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