時代小説アンソロジー 秋びより (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020685

作品紹介・あらすじ

池波正太郎、藤原緋沙子、岡本綺堂、岩井三四二、佐江衆一……江戸の「秋」をテーマに、人気作家の時代小説短篇を集めました。縄田一男さんを編者とした大好評時代小説アンソロジー第3弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「縄田一男」編集による秋をテーマにした時代小説のアンソロジー作品『秋びより 時代小説アンソロジー』を読みました。
    「鈴木英治」の『父子十手捕物日記 門出の陽射し』に続き時代小説です。

    -----story-------------
    「池波正太郎」、「藤原緋沙子」、「岡本綺堂」、「岩井三四二」、「佐江衆一」……江戸の「秋」をテーマに、人気作家の時代小説短篇を集めました。
    「縄田一男さん」を編者とした大好評時代小説アンソロジー第3弾!
    -----------------------

    「秋」に関する、以下の5篇が収録されています。

     ■池波正太郎/市松小僧始末
     ■藤原緋沙子/秋つばめ――逢坂・秋
     ■岡本綺堂/菊人形の昔
     ■佐江衆一/蛍と呼ぶな
     ■岩井三四二/解錠綺譚
     ■解説 縄田一男

    どの作品もクオリティが高く、時代小説を堪能できましたね… そんな中でも面白かったのは、「池波正太郎」の『市松小僧始末』と「岡本綺堂」の『菊人形の昔』でしたね。

    「池波正太郎」の『市松小僧始末』は、テレビドラマの『鬼平犯科帳』で観たことのある作品でしたね、、、

    妻「おまゆ」との誓いを破り、再び掏摸に手を染めた「又吉」に対して、「おまゆ」は「又吉」を愛するが故に厳しい対応をします… ショッキングですが、「又吉」を更生させるための最善の措置だったんでしょうね。

    「岡本綺堂」の『菊人形の昔』は、『半七捕物帳』からの一篇、、、

    団子坂の菊人形を見物にきた異人たちが女掏摸「蟹のお角」のために思わぬ奇禍に遭う話と、市子の「おころ」殺しの二本立て… ミステリ作品として愉しめました。


    その他の三篇も、

    これまでの展開と全く違う別な光景が見えるエンディングが素晴らしい「藤原緋沙子」の『秋つばめ――逢坂・秋』、

    自分の力量ではなく、姉や妻、そして上役の力によって生き延びることの滑稽さや情けなさを抜群の筆致で描いた「佐江衆一」の『蛍と呼ぶな』、

    江戸開城前夜、自らが時代の鍵となってしまった錠前師の姿を物語性豊かに描いた「岩井三四二」の『解錠綺譚』、

    と秀作揃いで、飽きずに愉しめる一冊でした。

  • 木綿問屋のひとり娘おまゆは、背たけは6尺、体重23貫の大女。そんなおまゆが契りを交わしたのは掏摸上がりの年下の男、又吉だった。皆に反対されながらも幸せな所帯を持った2人だが、又吉は再び掏摸に手を染めるようになり…(池波正太郎「市松小僧始末」)。ほか、古今の人気作家が勢揃い! 江戸の「秋」をテーマにした大人気時代小説アンソロジー。文庫オリジナル!
    (2014年)
    — 目次 —
    池波正太郎『市松小僧始末』
    藤原緋沙子『秋つばめ――逢坂・秋』
    岡本綺堂『菊人形の首』
    岩井三四二『蛍と呼ぶな』
    佐江衆一『解錠綺譚』

  • 2014年10月刊。 池波正太郎:市松小僧始末、藤原緋沙子:秋つばめ、岡本綺堂:菊人形の昔、岩井三四二:蛍と呼ぶな、佐江衆一:解錠綺譚の5編を収録。岡本さんの半七捕物帳が特に良かった。半七シリーズを読んで見ようと思った。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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