神様の裏の顔

  • KADOKAWA (2014年9月25日発売)
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本 ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784041021293

作品紹介・あらすじ

神様のような清廉な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみで包まれ、誰もが涙した――と思いきや、年齢も職業も多様な参列者たちが彼を思い返すうち、とんでもない犯罪者であった疑惑が持ち上がり……。

感想・レビュー・書評

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  • 『逆転美人』が面白かったので本書も読んでみた。

    本書は「横溝正史ミステリ大賞受賞作」ということなので、自分は今までに同賞受賞作って読んだことがあったっけ?と調べてみたら本作が初めてだということがわかった。

    横溝正史は読んだことが無いけれど自分の苦手分野の1つオドロオドロ系だと思っているから避けているので、本作がそういうジャンルだったら嫌だなぁと思いながら読んでみた。

    読みやすい構成で、面白くて、一気に読んだ。
    自分が何をどう考えながら読み進めたか、をここに書くとネタバレになるので書かないでおく。

    全部読み終わってから暫くの間あちこち戻って読み直して検証してみたのだが、それも楽しかった。
    それでも尚、1箇所だけあるページに腑に落ちない点があったのだが、それもしっかりと伏線が張られていた箇所を見つけたのですっきりと納得した。

    本当によくできている。

  • 面白かったですね。
    寝ずに一気に読んでしまいました。
    ラストのドンデン返し。
    最初の話し合いの全てが間違えだったと思ったら意外な人物が犯人でしたね。
    犯人の人格の意外性は自分は要らないと思いました。

  • とても面白かった。
    本を読んで声を出して笑ってしまったのはいつ以来だろうか。
    笑いあり、涙ありで、神様のような坪井さんは本当に神様なのか、はたまた裏の顔があるのか。
    ドキドキしながら読み進め、予想外のラストが待っていた。

  • 大勢の人から慕われていた坪井誠造先生の通夜に出席した
    故人と関係のあった人々の出来事の物語。

    人間であるからには、どんなにいい人に見える人でも
    いい面と同じ質量で反対方向のベクトルを
    併せ持っているはずだと思っている私。

    中学教師から小学校の校長まで熱血先生、
    そして退任されてからもNPOの活動で教育に携わり
    大勢の生徒にはもちろん、近所の人
    はたまた自分が経営するアパートの住人にまで優しい。
    なあんて、出来すぎた感ありありなんだもの何かあるはず!

    と、お通夜にきた人々の会話に一緒になって
    耳をそばだて、悪いところを暴こうとしてしまいました。

    そして最後でこの表題の意味がわかるのですが…。

    そうきましたか~と…すっかり騙されました。

    藤崎翔さん。元お笑い芸人さんだけあり
    読み始めて引き込まれたあとの本の中に流れるテンポが、
    漫才の掛け合いのようにポンポン先にいってしまうので
    いつもはゆっくり読む私が、
    文章に引き摺られダダダダと足早に読んでしまいました。

    それだけでなく、さすがお笑いの人と思わせる
    オモシロが散りばめてあり。
    「通夜ぶるまい」の聞き間違いにハマってしまい、
    座布団三枚!と思ってしまった一冊です。

    坪井先生のダメベクトルはそこだったのですね。
    不完全な所の影響が、とんでもないことになってきてますが
    神様じゃないんだから仕方なかったのかも知れませんね…。

  • 面白かった。よくできているなぁと感心した。しかし、教え子とそういう関係になるのは、いくらなんでもひくなぁ。最後の展開も驚き。今後の作品も期待します。

  • 誰からも愛され、慕われていた元校長先生の坪井。
    誰もが彼の死に涙を流す。なぜそこまで?と思っていたが、
    だんだんと交流のあった人たちの話題から不穏な流れになっていく・・・
    人って2面性があるよな~どころじゃない感じに。
    だけど、まだ最後の方で流れが変わっていって。
    とにかくどんどん先を読みたくなる面白い本でした。
    これからも藤崎さんの本は読んでいきたいかも。

  • 作者が元芸人さんとあって、シュールなすれ違いコントという感じ。
    途中、思わず声出して笑っちゃうところもあったり、 テンポも良く軽く読めるミステリー。

    神様みたいに万人に好かれ尊敬されていた元教師で校長先生にまでなった坪井先生が、通夜の夜にストーカーで連続殺人犯の嫌疑かけられる。果たして彼の裏の顔とは。

    ラストは急展開。

  • 神様の様な人が、本当は悪だった!
    大ドン返しまでは面白いと思ったけれど、最後の展開は後付けみたいでつまらなかった
    神様が、元の教え子とそういう仲に、気持ち悪いし、その段階で神様ではないでしょう

  • 面白かった〜!

    作者の方が元芸人さんということもあり、会話劇の中でのコミカルな表現に思わず、クスリとしてしまいました。

    清廉潔白・神様のような元教師の坪井誠造氏との思い出を回想する参列者たち。
    しかし、その回想の中で、実は坪井は犯罪者だったのでは?という疑惑が生まれ始める不穏な空気が「キタキター!」とめちゃくちゃワクワクしました。

    オチにも仕掛けがあり、最後まで飽きることなく読了できました。
    これはまた再読したい作品。

  • 元教師であった坪井の葬儀に集まった面々。教え子、元同僚、老後経営していたアパートの住人。お互いに坪井の思い出話に花を咲かせるが、坪井の周囲では不審な事件が多く…「誰からも好かれる、とてもいい人が実は」と言う展開は面白いが、それも全て登場人物が思い出を語る形で進んでいくので、第34回横溝正史賞受賞作なんだけど、コメディタッチで読みやすく、楽しめる。しかも、最後の落ちもきちんとしており、とても元芸人さんが書いた作品とは思えなかった。

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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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