- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041021347
感想・レビュー・書評
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全ての話が全部綺麗に終わるわけではないけれど
主人公1人1人の煮え切らない思いと、
曖昧さが伝わって涙してしまう。
ハッピーエンドではないけれど、
それが逆にリアルな生活を表している詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不器用で拗らせた人の周りにいる人間の優しさに感動した。
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<ちらめくポーチュラカ>
周りとの関係の構築を苦手とする主人公が、幼稚園でのママ友たちとのコミュニティでなんとかやっていく話。
有くんがいなくなった件で自身の過去の再認識をするシーンは、中々上手くいかない現状に対する答えを模索する中で、乗り越えられない過去を自分にとって都合の良い解釈をしたように見受けられたが、十字架から逃れたいと願う人間の心理をついている描写だと思った。
<サボテンの咆哮>
自分が無邪気に公演で遊んでいるのを見つめていた父は、このようなことを考えていたのだろうか。
自身の不器用さゆえに早紀に抱え込ませてしまった過去が、早紀だけでなく義両親に対しても寛容にならざるを得ない状況を作り出してしまった。そのストレスが溜まっていく過程は、どうも見るに堪えない。とりあえず義両親は図々しいので退場してください
<ゲンノショウコ>
障害のある子供がテーマになっている。こういったテーマにも切り込んでいけるのか。
時に残酷でもある純粋さが、主人公の心の壁を容易く乗り越えてゆく。あまりに剥き出しの心に涙腺がやられました
<砂のないテラリウム>
浮気男○ね
<かそけきサンカヨウ>
実の母の描くサンカヨウが重ねるものが、自分のことではなくなってしまった現実に衝撃を受けている描写が辛い。
「美子さんのことを全部知ったわけではないけれど、もっともっと、透明になりたいと、私は強く思った。美子さんのように。もっともっと透明で、強い女の人に。」
今まで家の家事をほぼ全てやってきた陽は、そうしてくれたかどうか記憶はないが、自分を産んだ母のようになりたいと、願っていたのだ。普通の家族になりたかったのだ。普通って?血が繋がっているかどうか気にしてしまう自分は良くないんだろう。それを乗り越えていけるのは、透明さなんだろう。美子さんのような、透明な女の人。陽のなりたい存在が美子さんへと変わったことでようやく彼女の思い描く家族の形は輪郭を帯び始めていく。 -
リアルな日常の1ページ。各話の主人公の心の変化がよく分かり、前向きに進んでいくんじゃないかな?と思わせてくれる結末はとても心地よかったです!
どの話も重すぎず、軽すぎず。とても楽しめました! -
すっきり解決とならないところがリアル。問題も解決も、受け取り方や考えよう次第のところがあるから。
未就学児がいた時に読んでいたら、逆に辛かったかも。あの頃はとにかく優しくされたかった!現実を忘れたかった!
降園後、子どもを友達の家に預けて自分は自宅で寝てる、を繰り返すママは、そりゃ裏で何か言われるよなーとしか思えない。 -
2020.6.4 読了
短編集。
とても読みやすかった。
夫婦の間のありそうな話だったり、
ママ友間のありそうな話だったり。。。
「ゲンノショウコ」と「かそけきサンカヨウ」が
ちょっとグッときちゃいました。
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記録
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短編集。
それぞれの話の女の人に共感できる部分があって胸が痛くなって涙が出ることも。
男脳女脳ってこういうことなのかなぁ、とか現代の女の人ってこうなのかなぁ、とか色々考える。
ちょっと歯車がズレただけで、今の暮らしが変わってしまう。毎日を大切にしなきゃいけないと思った。