怪しい店

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.55
  • (23)
  • (107)
  • (117)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 704
レビュー : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041021415

作品紹介・あらすじ

誰にも言えない悩みをただただ聞いてくれる不思議なお店「みみや」。その女性店主が殺された。犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が謎に挑む表題作「怪しい店」ほか、様々な店を舞台にした傑作ミステリ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 有栖川作品を貪るように、それこそ片っ端から読み込んでいたころを思い出す。
    推理する気もない、二人のおじさん(今になってみるとお兄さんの域。若い。)の掛け合いが好きなだけの不真面目な読者ですが。

    もはやアリスと一緒に火村准教授を見守る段に入ってきた。

  • タイトルのとおり、店をメインにした中短編集。発売当初に買って温存してしまった。不思議なタイトルだなと思いつつ『暗い宿』を連想したがそのとおりだったらしいことにちょっと嬉しくなった。全編大阪府警。

    アリス軸で火村が事件を解決する話2編、ちょっとした日常で想像する謎解き2編、犯人視点が1編とさらりと読める一冊。
    『潮騒理髪店』はなんて理想的なお店でもったいないなぁとしみじみしてしまった一方で、『怪しい店』にでてくる「みみや」のなんと恐ろしいことか。「みみや」が何か書くのはなんだか未読の方にもったいないので省くが、人は善意も悪意も隠し持っているのだな、とつくづく感じた。そういう点では『古物の魔』の「店」としての理念がしっかりと根付いているものこそ良いなぁ、などとミステリ以外であれこれ考えてしまった。謎解き云々より、店、物、人の関係性を描いた連作小説として読んでいたかもしれない。
    人と物は呼んで呼ばれて結ばれる、私は今回もこの本に出会えて良かったと思う。

  • 火村アリスシリーズ。
    今回はタイトル通り、様々な店を舞台にした短編集です。「暗い宿」が宿を舞台にしてる短編ということで今回は「店」なんだとか。宿の方は未読なので今度読んでみたいと思います。

    で。
    まあいつも通りのすっきりと読める一冊。大がかりなトリックとかそういう感じでもないし、話によってはいわゆる「日常の謎」だったりもしますし。ていうかこのシリーズで日常の謎って初めて読んだかもしれない。
    なんとなくサクッと読めるミステリミステリした短編集って疲れてる時にちょこっとだけ癒される。自分だけかもしれませんが。

  • 作家アリスシリーズ。店をテーマにした短編集。
    「潮騒理髪店」の情景が素敵だった。たまには殺人事件から離れてリラックスしてる火村先生を見るのもいいなぁ。
    「ショーウィンドウを砕く」ではラストに少しぞっとした。アリスも立ち入ることのできない領域に一体どんな闇を抱えてるんだろうなぁ火村先生は。
    「怪しい店」あるあるああいう謎な店。アリスの変な店突撃レポートとかあったら面白そうだなと思った。読んでみたい。
    全体的に殺人の動機がいまいちな印象だったけど、安定して楽しめる作家アリスシリーズでした。
    火村が捜査会議の時ノートパソコンを使っていたりフェイスブックが登場したりと火村とアリスは年を取らないのに時代はちゃんと進んでいて色々文明の利器が登場するのが面白い。

  • 作家アリスシリーズと認識していましたが、最近は火村英生シリーズという表記をよく見ますな。

    「店」をテーマにした短編集。骨董品店、古書店、理髪店、そして怪しい店も。テーマを限定することでパターン化するどころか、ミステリとしての幅が広がっているのはさすがです。ミステリとしては掟破りの犯人特定やら、日常の謎っぽいものやら、倒叙ものに安楽椅子探偵めいたものまで。今回もミステリの面白さをしっかりと味わいました。
    お気に入りは「潮騒理髪店」潮騒の聞こえる海辺の古めいた理髪店を舞台にしているだけでも素敵ですし、火村准教授の日常が垣間見れるのが趣き深いです。

  •  有栖川有栖の小説ははじめて読むのだけれども、いやー夢中になって読んだ。ページを捲る手が止まらない。気が付いたら一日で読み終わっていた。火村シリーズになっているらしいが、火村の印象は、強く感じない。このヒムアリコンビよりも、犯人達とか事件の状況が面白い。にしても、自分を登場人物に使うって凄いな。
     舞台は京都や大阪なのだが、谷町筋とか出てきて、普通に登場人物が近所を通っているので、地理に関してはとてつもなく親しみがわく。
     それに一編一編、とても文学的で味わい深い。特に最初の「古物の魔」は、最後に買い手が値段をつけて売るオチに、古物商の面白さが出ている。女に溺れ、遺言状で脅迫しつつ古物の魔への恨みを抱いた犯人やその人間模様なのに、それでも古物の魔は続く……そのところが渋い。骨董と金を巡る複雑な関係を結構深く書いているように思った。
    「ショーウィンドウを砕く」で火村がどんな人間かわかる。犯罪をする人間と犯罪そのものにしか興味がなく、人間や命の尊厳なんぞ二の次にしか考えていない冷徹な本性がオチとして出てくる。
     潮騒理髪店は、「氷菓」で放送の呼び出し一つで万引きまで推理する回を思い出した。殺人事件ではない。犯人は呪いをかけるために髪を集めていたが、理髪店の終わりを聞いて心が変わり、電車の風で散らす。なんとも良い映画を見終えたようで、素晴らしかった。
     怪しい店は、よくわかる。大坂には本当によく解らない店がある。「駄菓子 霊能」とか看板に書かれていたり、ソニーの会長が来ている店ですとか、それ絶対嘘やろと。赤ちゃんの名付けとかも、怪しい木造一軒家にあったりする。そういうのは日本橋からも、京橋からも、谷町からも、徐々に失われていった。マンションがじゃんじゃん立った。そういうのをちゃんと目撃していた最後の世代が私達だろう。有栖川さんはきっと怪しい店をめちゃくちゃ知っているはずだから、大阪にはほんと怪しい店多かったですよねと、話を聞きたくなった。

  • 火村シリーズ最新作は、『店』をテーマにした短編を集めた連作集。
    各短編に登場するのは、骨董屋、古本屋、床屋などだが、表題作にもなっている『怪しい店』は、『みみや』と屋号のついた『人の話を聞くだけの店』。この設定がミステリ的にも重要になる。
    考えてみれば何をやっているのかよく解らない店はあるもので、昔、新宿にも、商売の内容が想像もつかない屋号の会社があった。いつの間にか看板も消えていたが、読んでいて、ググっても出てこなかったし、四季報にも載っていなかったあの会社のことを思い出した。

  • いろいろなお店が舞台となった火村シリーズ短編集。
    いつもは作家アリスの目線で書かれているのに違う人の目線で書かれていたり、ミステリーだけど人が死なないお話があったりで面白かった。
    この前に読んだ火村シリーズは長編だったから雰囲気が違って新鮮な感じだった。

  • 怪しいなぁ。

  • 火村シリーズ。やっぱり、いい。

全110件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1989年1月、『月光ゲーム』でデビュー。

有栖川有栖の作品

怪しい店を本棚に登録しているひと

ツイートする