つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先 (角川文庫)
- KADOKAWA/角川書店 (2015年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041021651
作品紹介・あらすじ
突然気を失った小暮井ユキがめを覚ますと、そこは雨坂続の傑作『トロンプルイユの指先』の舞台だった。 異質な世界に迷い込んでしまったユキは現実の世界に戻ることができるのか? シリーズ最大の謎解きが始まる!
感想・レビュー・書評
-
幽霊の世界はこのシリーズを貫いているものなのだろうが、はっきり言って、本当に必要なものかどうか疑問に感じる。小説、才能といったものが大きなテーマだから、ずばり正攻法でいく筆力がこの作者にはあると思う。この巻の幽霊の世界はごちゃごちゃしているし、筋の運びもそう。面白くない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「巨大で漠然とした問題」
目覚めない理由とは。
いつ離れたのか分からないが、呼ばれた時に簡単に離れることは出来ないはずなのに何故居ないのだろうか。
「天才の定義」
幽霊達と生きるもの。
尋ねたいことは尽きなかったとしても、これだけ一方通行な対話になると聞く気も失せてしまいそうだよな。
「トロンプルイユの指先」
原稿を届けるために。
一つの物語として完結させるためには、まずは登場人物たちの役割を決めてからではないと始まらないよな。 -
歴代のトップが現代のトップじゃない。文体は時代と共に変質している。半世紀前の人間に宛てたテキストをありがたがっている連中は、小説の本質を知らない。(146ページ)
-
パスティーシュが出ていないけど気になる。
ほとんど異世界の中で話が進んで退屈。そういえば、サクラダリセットもそうだった。
終盤に差し掛かっているのに今ひとつ盛り上がらないように感じる。 -
過去作覚えてない。探偵してたっけ?なんだかまわりくどい繋ぎの回だった。
-
このシリーズを読み始めた頃は作家と編集者が、探偵事務所に持ち込まれた事件を「小説に仕上げるならこんな結論に違いない」という視点で謎解きする構成だったはずが、いつの間にか壮大なファンタジーになっていた。
抽象的な理論のぶつけ合いのようなこの展開も良いけれど、最初からこの構想をもって書き始めたのかな? -
幽霊の世界に取り込まれて、紫色の指先に関わる諸々がメインになって、ややこしさは前巻より戻って来てしまったけれどそのややこしさを楽しめた。作中で語られる天才ふたりの小説は作者の理想でもあるのかな。傾向としてどちらも作者の著書と重なる部分も多い気がして、且つ嫌味なく寄り添えた。時間のずれは明らかになった瞬間にくるんと反転するみたいで引き込まれたし、六歳のノゾミが何だかうっすらと不気味なことも興味を惹かれる。騙し絵みたいな芸術っぽさを感じた。終盤の紫色の指先との問答は森博嗣さんの百年シリーズの女王様を連想した。
-
続きを借りようと思ったら図書館に無かった。なんてこと!というわけでこちらは購入。帯に2016年にシリーズ最終巻発行とか書いてあったけどそちらはまだ出てない模様。…う~ん、頑張っていただきたいなぁ。
というわけで続さんの小説世界へGo、みたいな話。サクラダリセットで言うと夢見る少女の夢の中へ行った時のお話しみたいなものかなぁ?あちらと違い、現実に出てきたキャラと特殊空間に残ったキャラが変更した辺りが今後の展開の面白そうな所なんだけど… 続きはいつだろう?(笑)
ここにきてナルホド、だからユキさんは巻き込まれたのねぇという辺りを実感。それにしてもなんか緊張した母子関係だなぁ…と思ったり。会いたくない訳ではないんだろうけど。
とりあえず、完結編を早く!と望むところです。 -
北野坂探偵舎シリーズ第5弾。
『トロンプルイユの指先』に出てくる描写とそっくりなレトロビルを訪れて、小暮井ユキは意識を失った。目を覚ますと、そこに広がっていた町並みは『トロンプルイユの指先』の舞台そのもので……?
一気に「紫色の指先」に近づく1冊。
中盤まであまり読み進まなかったけれど、謎解きパートはやはり面白い。