敗者の告白 弁護士睦木怜の事件簿

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041022481

感想・レビュー・書評

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  • 最初タイトルを見た時、スポーツ系ミステリ?と思ったのだけど。
    子どもが被害者である二つの痛ましい事故。その事故が実は殺人であった、しかも容疑者がその家族?
    なんだか不穏ないやあ~な雰囲気を醸されつつ読んでいく。
    被害者である妻と息子の告発メール。容疑者とされる夫の証言。関係者による語り。その全てが食い違い真実が見えなくなっていく。
    一旦事件は解決する。もやもやとしたいらだちを抱えたままページをめくるとそこから本当の「事件」の目的が明らかになっていく。
    「敗者の告白」このタイトル、すごい。そう。「敗者」である理由に少し心が落ち着いた。

  • 山梨の別荘で母と子が転落死した。
    死んだ2人の残したメール、容疑者となった父の供述調書、弁護人が集めた陳述書などから事件が語られていく。
    誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか。
    好きな手法で面白くはあったが、一人ひとりの証言が長くて、テンポよく読めなかった。
    (図書館)

  • 事件はある母子が別荘のベランダから転落死したところから始まる。登場人物は、IT関連の会社社長・本村弘樹、妻の瑞香、息子の朋樹、娘の由香。本村の山梨の別荘の隣人で友人の溝口雄二とその妻・佐木子。
    瑞香と朋樹の転落死、それが弘樹による殺人だとみなされ、逮捕される。それは死者の告発として、瑞香が知り合いの雑誌編集者に宛てた手記があり、そこに自分と息子が夫に殺されそうだと記してあったから。更には朋樹まで祖母宛にメールを送っていて、自身が両親に殺されるかもと、書いてあったのだ。
    小説の様式も変わっていて、弁護士に話をしているかのような文章、供述調書や供述など、もと弁護士ならではなのかなぁと思った。
    ラストも無事無罪を勝ち取ったように思えた弘樹、じつは…というところもよかった。

  • 人はいろいろな理由で殺意を抱く。
    そして、その殺意が誰に向くかは当人でなければわからない。
    まったく理不尽なこじつけで殺されたのでは浮かばれない。
    殺された時点で浮かばれないのは同じなのかもしれないけれど・・・。

    独りよがりの愛情は、結局相手も不幸にする。
    独りよがりの復讐は、結局自分をも不幸にする。

    予想を裏切る衝撃に結末と帯にはあったけれど、ある意味、予想通りの結末に人の身勝手さがもたらす無情さを感じた。

  • 手記、証言、調書、メール等様々な媒体を使って視点を変えてストーリーを進めさせる手法は見事に成功したミステリー(そうした本はよくありますが、この本は読者にそれらの文章上手に見せていていました)

    しかも主人公(私は弁護士だと思っています)が良い感じで表に出てこず、読者と一体化してこのミステリーに挑んでいる感じが良かったです。

    ストーリーとして読了が良い・・・とは残念ながら言えませんが、作品としてはとても丁寧に作りこまれたものだと思いました。

    この作者の他の作品を読んでみたいと思わせます。

  • 手記はなかなか面白かった。
    事件の構図を炙りだしながら、二転三転する物語を盛り上げている。事件から終盤までは傑作だと思っていました。
    ただ真相はまあ、そうだよね。って感じでしたが、しかし伏線など張りまくられた作品でミステリとしてなかなかです。

  • 深木章子さんは弁護士だったそうで、膨大なその経験と知識で鮮烈デビューなさったと
    この話は、最後の最後まで誰が誰をなんの目的で計画したのか 私は感心しきり 深木章子さんはすごい

  • 数々の証言から事件を検証する形式は、この作家さんのパターンになっている。
    緻密で凝っていて質は高いのだろうが、またかの思いがあり、証言内容も冗長に感じた。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14519165.html

  • 本村弘樹の妻 瑞香と長男の朋樹が別荘の2階から崖下に転落して死亡する事件が発端だが,関係者の証言などを列挙する形で話が展開する.瑞香が雑誌編集者に送った電子メールで弘樹が犯人として逮捕されるが,朋樹の祖母にメールを送っており,弘樹の殺意をほのめかしていた.弘樹の友人の溝口雄二は不動産業で弘樹の別荘を斡旋した関係で親しく付き合ってきた.次第に瑞香の論調に破たんが出て,奔放の男性関係も顕在化してきて,弘樹の無実という供述も正当化されてくる.裁判では無罪となって話が終わりそうだが,弁護士の睦月怜の書簡が出てくる第4章は圧巻だ.

  • 2016.3

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著者プロフィール

みき・あきこ1947年東京生まれ。東京大学法学部卒。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に『鬼畜の家』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。『衣更月家の一族』『螺旋の底』が第13回・第14回本格ミステリ大賞にノミネート、『ミネルヴァの報復』が日本推理作家協会賞にノミネートされるなど、注目を集めている。他の著書に、『敗者の告白』『殺意の構図』『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』『猫には推理がよく似合う』『消人屋敷の殺人』。

「2018年 『ミネルヴァの報復』 で使われていた紹介文から引用しています。」

深木章子の作品

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